アレルギー体質

image001今、日本人の約3人に1人が何らかのアレルギー疾患を患っていると言われています。近年の厚生労働省による調査結果では、さらにその割合は増加し続けているそうです。

そこで、今回は『アレルギー体質』についてお話しすることにしましょう。

アレルギーとは?

体には、外から体内に侵入してきた異物を排除して、体を防御する免疫機能が備わっています。
ところが、人によっては、この免疫機能が特定の物質に対して過剰に反応してしまうことがあり、体にとってマイナスとなる反応を起こすことがあります。これを『アレルギー』と呼んでいます。

アレルギーが起こるしくみ

アレルギー反応は、起こり方の違いからいくつかのタイプに分けられますが、代表的なⅠ型アレルギー(即時型反応)は次のようなしくみで引き起こされます。

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アレルギーを引き起こす原因物質を、アレルゲンと呼び、ホコリやダニ、植物の花粉、食べ物など、さまざまな物が原因物質になります。

① アレルゲンが体内に侵入すると、異物を迎え撃とうとして、抗体が作られます。
  アレルギーを起こしやすい人は体質的にIgE抗体と呼ばれる物質が作られやすいことが分かっています。

② IgE抗体は、粘膜などにある肥満細胞の表面に付着した状態になります(感作)。

③ 再び体に同じアレルゲンが侵入すると、肥満細胞上のIgE抗体に結合します。
  その結果、肥満細胞の中からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されることで、アレルギーの諸症状が引き起こされるわけです。

代表的なアレルギー疾患

アレルギーによって起こる代表的な病気には、次のようなものがあります。アレルギーは、皮膚や気管支、鼻粘膜など、体のいろいろな場所で起こります。

アトピー性皮膚炎 気管支喘息 アレルギー性鼻炎 

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  • アレルギー反応を起こしやすいアトピー素因のある人によく起こります。
  • 激しいかゆみを伴う湿疹ができるのが特徴です。湿疹が出やすい場所は、年代によってさまざまです。

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  • 空気の通り道である気道が慢性的な炎症を起こして狭くなり、刺激が加わって発作が引き起こされます。
  • 呼吸困難、ヒューヒューゼーゼーという呼吸音(喘鳴)が特徴です。

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  • 鼻の粘膜でアレルギー反応が起こり、クシャミ、鼻水、鼻づまりなどを起こすのが特徴です。
  • スギなどの花粉がアレルゲンとなる花粉症が、急増しています。

乳幼児から13~14歳までの子供では、年齢が進むにつれて、上記のようなさまざまなアレルギー疾患に次々と罹っていくことがあり、『アレルギーマーチ』と呼ばれています。

アレルゲンに過敏に反応しやすいアレルギー体質の人は、アレルギー性疾患の予防や早期の治療のためにも、専門家に相談をすることが大切です。

現代医学では…

皮膚炎には、炎症を抑えるために外用のステロイド薬や、かゆみが強い場合はかゆみ止めの内服薬が治療に使われます。
また、気管支喘息の治療には、気管支平滑筋を拡げて喘息の発作を鎮めるために気管支拡張薬、肥満細胞から化学伝達物質が出されるのを防ぐために抗アレルギー薬、炎症を抑えるために吸入のステロイド薬が使われます。
そして、アレルギー性鼻炎では、ヒスタミンの作用を抑えてクシャミ・鼻水を止める抗ヒスタミン薬、化学伝達物質の放出を抑える抗アレルギー薬のほか、ステロイド薬などが一般的です。
しかし、これらは全て、アレルギーによる症状を抑えることを目的とした、対症療法です。

ホノミ漢方では…

image006漢方では、新陳代謝を盛んにするエネルギーが十分あるタイプを『陽病』、持ち合わせていないタイプを『陰病』と呼んでいます。
アレルギー体質は、各種アレルゲンに過敏に反応することで、各臓器の働きすぎや炎症を起こしやすいことから、新陳代謝機能を亢進しやすい『陽病』の状態と考えることができます。

ホノミ漢方には、陽病タイプに多いアレルギー体質を改善するお薬として、
「アクマチック」があります!

アクマチックアクマチックは…

  • 自律神経が亢進し、各臓器の働きすぎによる炎症を改善する
    … オウレン、オウゴン、オウバク、サンシシ、サイコ、カロコン
  • 化膿、炎症による各種アレルギー反応を抑制する
    … ハッカ、キキョウ、ゴボウシ、レンギョウ、カンゾウ
  • 怠けた血行を良くし、ホルモン分泌を盛んにする
    … トウキ、シャクヤク、センキュウ、ジオウ

の15種類の生薬の働きを活かしたお薬です。

また、『アレルギー』を起こし難くするには、次の点などに配慮した養生も大切です。

『アレルギー』を起こし難くするための養生法

1) アレルゲンとの接触を避けましょう!
  • アレルギー反応を起こす原因物質を知り、接触をできるだけ避けることが基本です。
    ホコリやダニといったハウスダストもアレルゲンになるため、部屋の掃除はこまめに行いましょう。
  • image007花粉症の人は、原因となる花粉の飛散が多い時は、
    外出を控えると、症状が軽く済みます。
    ●ス ギ… 2~4月  ●ヒノキ… 3~5月
    ●イネ科… 5~7月  ●キク科… 8~10月
2) ストレスや環境の変化にも要注意!
  • image008アレルギー症状は、精神的ストレスによって影響しやすく、症状が悪化することがあります。
  • また、急激な温度変化は、自律神経の乱れを起こすきっかけになります。体を冷やすなど、急な温度変化は避けるようにしましょう。