ロコモティブシンドローム

高齢化が進む近年、介護が必要になる人や寝たきりになる人が増加しています。
その約4人に1人は、関節痛や転倒による骨折など、運動器の障害が発端になっていると指摘されており、将来的に要介護や寝たきりを防ぐには、これまでとは異なる見方で運動器の障害を捉え、予防することが必要と考えられるようになってきています。
そこで、今月は『ロコモティブシンドローム』についてお話しすることにしましょう。

『ロコモティブシンドローム』とは?

ロコモティブシンドローム(略称“ロコモ”)は、骨・関節・筋肉といった運動器の機能が衰えることで、立ったり歩いたりする日常動作が難しくなり、介護が必要になったり、寝たきりになった状態、または将来的にそのリスクが高い状態のことを指します。
これまで運動器の病気は、身体の悪い場所だけに注目するのが一般的でしたが、ロコモの考え方では個別ではなく、運動器全体の問題として捉えて、介護が必要になる可能性を考えます。
骨・関節・筋肉・神経などは連携して動いているため、これら運動器のひとつが悪くなると、他の運動器がサポートするように働きます。ところが、この状態を続けるとサポートする運動器にも負担がかかり、サポート器官にも痛みを感じるようになるのです。

①ロコモティブシンドロームのステップ

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②ロコモティブシンドロームをチェックするには?

ロコモは決して高齢者だけの病気ではなく、40歳代の比較的若い人でも起こす可能性があります。
出来るだけ早くロコモの可能性に気付くために、次の”ロコチェック”の項目に当てはまるかをチェックしてみましょう。

ロコチェックの7項目

  1. image006片足立ちで靴下が履けないことがある
  2. 家の中でつまづいたり、滑ったりすることがある
  3. 階段を手すりがないと上れない
  4. 横断歩道を青信号のうちに渡り切れない
  5. 15分程度、続けて歩けない
  6. 2kg程度(1リットル牛乳パック2個程)の買い物をして持ち帰るのが困難
  7. 掃除機がけや布団の上げ下ろしなど、やや重い家事仕事が困難

日常生活で行っている基本動作より少し負荷がかかる運動ができるかどうかをチェックしています。項目に当てはまるような状態を放っておくと、ロコモの可能性があるので、注意が必要です。

ロコモの主な原因は?

関節や筋肉など運動器の働きが弱くなったり、運動器の病気などが原因になり、これらが重なることでロコモの状態を引き起こします。

①運動器の機能低下

私たちは脳からの指令によって、手足を動かしバランスをとっていますが、関節がうまく動かないと、手足でバランスがとれません。こうしたバランス能力の低下や、加齢に伴って身体を支えるための筋力が弱くなることで、転倒や骨折を起こしやすくなります。

② 運動器の主な病気

骨粗鬆症 変形性関節症 脊柱管狭窄症
(せきちゅうかんきょうさくしょう)

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  • 骨の量が減って脆くなり、 骨折しやすくなります。
  • 加齢、閉経による女性ホルモンの低下、運動不足で骨への負荷が少なすぎると、骨量の低下につながります。

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  • 膝や腰の関節を円滑に動かすために必要な軟骨がすり減って、炎症や痛みが起こります。
  • 加齢のほか、肥満も軟骨をすり減らす原因になります。

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  • 背骨の空洞に通っている、脊髄や神経が圧迫され、腰痛や足のしびれを感じる病気です。
  • 背骨の変形などにより、背骨の空洞が狭くなることで起こります。

運動器の病気の場合は、それぞれの病気の部分を治療することが先決ですが、ロコモでは全身の問題と捉えるため、筋力を強くするなどして、他の運動器に負担をかけないことが大切です。

また、痛みで身体を動かさなくなると、運動不足による筋力低下によって、関節などの運動器への負担がますますかかるようになります。ロコモの悪循環に陥らないためには、治療によって痛みを緩和すると共に、合わせて運動にも取り組み、全身を鍛えることが必要です。

現代医学では…

ロコモの対処としては、それぞれ運動器の病気に対して行う、薬物療法もあります。
現代医学では、膝や腰の痛みを抑えるために、主に消炎鎮痛薬などが使われます。また、骨粗鬆症に対しては、骨を壊す働きを抑える薬や骨をつくる働きを助ける薬、そして骨に必須の栄養素の不足を補うようにカルシウムやビタミンD製剤などを使って病気の進行を抑えることを考え、万が一骨折した場合は痛み止めを使いながら、骨を固定する保存療法が行われます。

ホノミ漢方では…

漢方では『気(神経の働き)』、『血(血行・ホルモン)』、『水(水分代謝)』の3つを乱しやすい体質が関係することで、痛みの症状が起こりやすいと考え、痛みの根本治療を図ります。
急性的な痛みに対しては、鎮痛剤による西洋医学的な治療も必要ですが、特に慢性的な痛みの緩和には、漢方治療を取り入れるのも一法です。

ロイルック錠
ロイルック錠
ホノミ漢方には、痛みの原因となる『気・血・水の乱れ』を整えながら、『ロコモティブシンドローム』でも起こる“痛み”の症状を改善するお薬として、
ロイルック錠」(錠剤タイプ)ロイルック」(カプセルタイプ)があります。

また、お薬の服用だけではなく、早い段階からロコチェックを行い、ロコモのリスクを高めないように生活習慣の改善を図ることが大切です。日頃から次のような『ロコモティブシンドローム』を起こしにくい養生法を取り入れてみましょう!

『ロコモティブシンドローム』を予防するための養生法

ロコモティブシンドローム1) 軽い運動を取り入れましょう!
  • 運動器に問題がある場合はその治療を行う必要がありますが、 痛みが軽くなれば、軟骨に負担をかけない程度に適度な トレーニングを取り入れると、ロコモの予防につながります。
  • 運動は関節を支える筋力の低下を防ぐことができ、 骨に適度な刺激が加わって、骨を強くします。
  • 『左右交互に、片膝を軽く曲げて片足立ちをする』など、 簡単なトレーニングを取り入れてみても良いでしょう。痛みが強い場合は無理せず、机に手をつきながら行いましょう。
image0112) 肥満を解消する食習慣を!
  • 体重が増えると関節への負担が大きくなってしまいます。
    食べすぎは控えて、ロコモの悪化に繋がる肥満を予防しましょう。
3)骨を強くする食品を積極的にとりましょう!
  • image016骨粗鬆症を予防するため、骨の材料になるカルシウム、カルシウムの吸収を高めるビタミンD、骨の形成を促すビタミンKを豊富に含む食品を食べるようにしましょう。
    カルシウムは牛乳や乳製品、ビタミンDはマグロの刺身やしらす干し、ビタミンKは納豆やほうれん草などに多く含まれ、骨量の維持に役立ちます。