胃もたれ、胃痛、胸やけ(機能性胃腸症)

社会の変化が著しく、その変化に対応しようとして私たちは常に肉体的・精神的ストレスを受けています。
その影響か、ある調査によると日本の成人の4人に1人が、胃に何らかの症状を持っている結果が出ています。中でも特に多いのが「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」の3つと言われています。
ところが、内視鏡などの検査で調べても、多くの人には胃の異常が見つからず、胃の働きが悪くなって、「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」などの症状がでているようなのです。そして、これらのような症状を起こす病気を「機能性胃腸症」と呼んでいます。
そこで今回はこの機能性胃腸症による、「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」についてお話をしましょう。

機能性胃腸症とは…

機能性胃腸症とは…消化性潰瘍、消化器癌、胆膵などの器質的疾患がないにもかかわらず、上腹部に慢性的な症状を訴える病態を示すものをいいます。
これまでは、このような症状を訴える人は「慢性胃炎」との診断をされていたようです。しかし、胃に炎症がないことから「胃炎」という呼び方はそぐわないと考えられるようになり、NUD(non ulcer dyspepsia:潰瘍でも、消化不良でもない)と呼んでいましたが、最近では機能性胃腸症と呼ぶようになってきました。
機能性胃腸症と診断されるのは「胃の不快な症状が4週間以上続く」「病院での検査で、特に大きな異常は認められない」「貧血や体重減少がない」場合です。
そして、この機能性胃腸症は大きく胃もたれタイプ(運動不全型)、胃痛タイプ(潰瘍症状型)、胸やけタイプ(逆流症状型)に分かれます。

胃もたれ、胃痛、胸やけの各タイプとその原因は…

(1) 胃もたれタイプ(運動不全型)

胃もたれタイプ(運動不全型)〔症状〕 胃のもたれ、膨満感、食欲不振、むかつき
〔原因〕 不規則な食生活、食べすぎ、ストレスなどで胃の運動機能が低下し、食べ物を消化する速度が遅くなり、胃の中に食べ物が滞るために起こります。

(2) 胃痛タイプ(潰瘍症状型)

胃痛タイプ(潰瘍症状型)〔症状〕 みぞおちの痛み、重苦しい痛み、空腹時の痛み
〔原因〕 不規則な食生活、食べすぎ、ストレスなどで胃の運動機能が促進されると考えられています。

(3) 胸やけタイプ(逆流症状型)

胸やけタイプ(逆流症状型)〔症状〕 酸っぱいものが込み上げる、胸が熱くなる
〔原因〕 食べすぎ、長時間前かがみになるなどして、胃酸が食道の方へ逆流するために起こります。

現代医学の治療は…

胃もたれタイプは胃の働きを盛んにする「消化管運動促進薬」、胃痛タイプは胃酸を抑える「酸分泌抑制薬」「H2ブロッカー」、胸やけタイプは食道に胃酸が逆流しないように「消化管運動促進薬」や「酸分泌抑制薬」を状態に応じて使い分けるようです。

ホノミ漢方では

「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」といった胃の病状を漢方の大事な考え方である“陽病”“陰病”に当てはめて考えます。

(1)陽病の胃病
  • 臓器が働きすぎている(熱の)状態で、症状としては胃酸過多や炎症などを生じることが多くなります。
  • 陽病の胃病には熱をさますために冷やす薬(苦味の生薬)を用います。
(2)陰病の胃病
  • 臓器の働きが怠けている(寒の)状態で、症状として胃がもたれたり、食欲不振などを生じることが多くなります。
  • 陰病の胃病には温める働きのある薬(辛味、甘味)を用います。

この陽病、陰病の胃病に体力のある体質(実証)、体力のない体質(虚証)を組み合わせて、その対策を考えます。

陽病 実証 苦味 黄連(オウレン)
多量牛胆(ギュウタン)
虚証 ほろ苦味 少量黄連
陳皮(チンピ)
陰病 実証 辛味 生姜(ショウキョウ)
虚証 甘味 甘草(カンゾウ)
人参(ニンジン) 
エスマーゲン錠エスマーゲン

そして、現代人の体質を踏まえ、上記にあるような生薬を配合して、 「胃もたれ」「胃痛」「胸やけ」といった色々なつらい症状を改善しながら、 人間本来の持つ胃の自然治癒力を引き出すように考えた生薬主剤の胃腸薬が エスマーゲン なのです。

養生方法は…

またお薬だけでなく、普段の養生が大切になります。

(1)食べる量は控えめに

食べる量は「腹八分目」にすれば、胃の働きに余裕ができ、胃に負担をかけることなく消化できます。

(2)規則正しい食生活を

例えば、朝食を抜くと空腹時間が長くなるため、昼食時についつい食べすぎてしまいます。そのため、胃に負担がかかって機能が乱れてしまいます。

(3)食後はなるべく休む

食後すぐに動き出すと、血液は手足に流れて胃には十分な量が流れずに、消化不良や腹痛を引き起こす原因になります。

(4)消化の良いものを

胃に負担をかけないためにも消化の良いものを食べることが大切です。一般的に消化が良く、胃内滞留時間が短いのは炭水化物やたんぱく質で、脂分の多いステーキなどは時間がかかります。

(5)冷たいものは取りすぎない

冷たい食べ物や飲料水は胃の働きを悪くしますので、取りすぎないように注意しましょう。