乳腺炎

妊娠・出産という大仕事を終えたお母さん。

やっと体調が安定してきたかな…と思ったら、今度はおっぱいの痛み、腫れ、しこり…。赤ちゃんに母乳をあげるのも、痛くてつらい…。

このような「乳腺炎」にかかるお母さんは、およそ3~20%と言われていますが、授乳中は油断すると誰でも発症する可能性がありますので注意が必要です。

そこで今回は、産後ママのつらいおっぱいの痛み乳腺炎についてお話しすることにしましょう。

乳腺炎の種類と特徴

「乳腺炎」とは、乳汁を分泌する乳腺で炎症を起こす病気です。

この乳腺炎は、炎症を起こす原因によって、乳腺の中に乳汁が溜まって(うっ滞して)起こる「うっ滞性乳腺炎」と、乳腺や乳管(乳汁の通り道)に細菌が感染して起こる「化膿性乳腺炎」の2種類があります。

 

  うっ滞性乳腺炎 化膿性乳腺炎
タイプ 乳汁が溜まって起こる乳腺炎 細菌が感染して起こる乳腺炎
原因 乳管が十分に開いていない、赤ちゃん が母乳を飲む力が弱い等の理由から、乳汁が溜まりがちになる 授乳中の赤ちゃんによる噛み傷等、乳房に出来た小さな傷から細菌(黄色ブドウ球菌等)が感染して化膿する
症状 ・乳房が赤く腫れて、硬くなり、押すとみがある
(授乳中も痛みを伴う)
・乳房は熱感(微熱)を伴う
・突然の悪寒、ふるえを伴う38℃以上の高熱(全身の発熱)
・乳房はくなって大きく腫れ、激しい痛み熱感が著しい
特徴 ・細菌感染を起こしていない乳腺炎
(細菌が感染すると化膿性乳腺炎に発展する)
・ほとんどは、うっ滞性乳腺炎が誘因となって起こる
・皮膚で起こる感染症の中では、最も症状の激しい病気

 

 

このように乳腺炎は、乳汁のうっ滞によって発症する「うっ滞性乳腺炎」から細菌感染を起こすと「化膿性乳腺炎」へ、さらに治り切らずに慢性化すると「慢性乳腺炎」へと移行していきます。

もし、おっぱいがパンパンに張っている授乳する時に痛みがあるような場合は、乳腺炎の可能性がありますので、悪化させない為にも早めの対処が必要です。

うっ滞性乳腺炎の治療法・予防法

適切な授乳法

うっ滞性乳腺炎の治療では、まず溜まっている乳汁を除去する必要がありますので、次のような授乳法を心がけましょう。

正しい授乳間隔

授乳の間隔が3時間以上空いてしまうと、作られた乳汁がうっ滞して、乳腺炎を起こしやすくなります。

前の授乳から3時間以内を目安に、こまめに授乳するようにしましょう。回数を多く授乳している内に治る場合もあります。

抱き方を変える

いつも同じ抱き方で授乳していると、赤ちゃんは毎回同じ部位(乳腺)の母乳ばかり飲むことになり、飲んでもらえない部分の乳汁がうっ滞しやすくなります。

一般的な横抱きから縦抱きに変えてみたり、同じ抱き方でも角度を少し変えることで、飲み残しを防ぐことができます。

マッサージしながら授乳

乳房でしこりのある部位や詰まっている部位を手で圧迫して、乳頭の方向へ動かすようにゆっくりとマッサージしながら授乳することで、乳汁のつまりが取れることがあります。

左右の乳房をまんべんなく飲ませる

左右の乳房で授乳時間が偏らないように、長くても左右それぞれ10分程度、偏りなく飲ませるようにしましょう。

左右の乳房で母乳の出方が異なる場合には、母乳の出にくい乳房や詰まっている方の乳房を頻繁に長く吸わせるのも効果的です。

余った乳汁は搾乳する

赤ちゃんが飲み切らずに余ってしまったら、搾乳器を使って残った乳汁を取り除き、乳房の中に乳汁が溜まらないようにしておきましょう。

 

乳腺炎の予防法

うっ滞性乳腺炎を悪化させないように、また一度治った乳腺炎を再発させないように、次のような予防法についても心がけておきましょう。

乳首を清潔に保つ

赤ちゃんの噛み傷等から細菌が感染して化膿性乳腺炎を起こさないように、授乳の前には手指をよく洗い、授乳後も乳首を拭いて清潔に保つことが大切です。

バランスの良い食事を

特定の食事内容が乳腺炎の原因になるということはありませんが、食べ過ぎて高カロリー・高脂肪の栄養過多になると、乳汁が過剰に作られてしまう可能性があります。

食べ過ぎには注意し、栄養が偏らないようにバランスの良い食事を心がけましょう。

締め付けのきつい下着は避ける

母乳は血液から作られている為、血流が悪いと乳汁の流れも悪くなり、乳腺炎を起こしやすくなります

ワイヤー入りのブラジャーなどで乳房が圧迫されると、血流が悪くなって乳汁がうっ滞しやすくなる為、締め付けのきつい下着は避けるようにしましょう。

ぐっすり眠って身体を休める

ストレス、疲労、睡眠不足でも血液の循環が悪くなり、乳腺炎を起こす誘因となる為、周りの家族の援助も得ながら、ぐっすりと眠って十分な休息をとるようにしましょう。

 

化膿性乳腺炎の薬物療法

うっ滞性乳腺炎から細菌感染を起こして、高熱や乳房の激しい痛みを伴う場合には、早めに病院を受診するようにしましょう。

病院で化膿性乳腺炎と診断された場合、ただちに有効な抗生物質が投与され、解熱鎮痛薬で痛みや炎症を抑えるような治療が行われます。

 

乳腺炎とホノミ漢方

ホノミ漢方には、炎症や化膿状態を改善する働きがあり「乳腺炎」に効果のあるお薬としてワグラスD錠があります。

 

効能・効果

化膿性疾患(フルンケル、カルブンケル、腫物、るいれき、リンパ腺炎、蓄膿症、歯槽膿漏、中耳炎、乳腺炎)の改善又は回復促進

 

構成生薬

ワグラスD錠は、溜まった膿を排出するキキョウ・キジツ・シャクヤク、炎症を鎮めるカンゾウ、さらに自然治癒力を高めるタイソウ・ショウキョウを加えた、6種類の生薬で構成されています。

また、産後のお母さんは、この乳腺炎の他にも、ホルモンバランスの急激な変化から、様々な身体の不調を起こすことがあります。

このような産後の不調には、血行・ホルモンバランスの乱れを整える働きのある女性病薬として「エッキ錠」もご用意しています。

これらのお薬は、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

また、お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、服用に際しては、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店で一度詳しくご相談下さい!