アレルギー性鼻炎と蓄膿症

image001日本の全人口の約40%がかかっているアレルギー性鼻炎…
その代表格とも言える「花粉症」が増える時期がやってきました。
近年では、「蓄膿症(慢性副鼻腔炎)」を合併するケースも目立っています。
そこで、今回は「アレルギー性鼻炎」と「蓄膿症」についてお話しすることにしましょう。

アレルギー性鼻炎とは?

クリックすると大きく表示されます。

クリックすると大きく表示されます。

アレルギー性鼻炎とは、鼻の粘膜でアレルギーを起こし、「くしゃみや鼻水、 鼻詰まり」などの症状が現れる病気です。 

アレルギーを招く原因物質(抗原)によって、次のように分けられます。

  原因物質 症状が現れる期間 症状の強さ
花粉症 花粉
(スギ、ヒノキ、イネ科の植物、ヨモギなど)
花粉が飛散する時期 強い
通年性アレルギー ハウスダスト
(ホコリやダニなど)
一年中 弱い

通年性アレルギーは、とくに若い世代に多く、5人に1人が通年性アレルギーとされています。

アレルギー性鼻炎が起こるしくみは?

人間の身体には、異物が侵入した際、それを排除しようとする「免疫」の働きがあります。
その免疫が、通常反応しないようなものにまで過剰に反応することによって、アレルギーが起こり、次のようなしくみで症状が現れます。

  1. 鼻の粘膜に異物が付着して、粘膜内の血球がそれを“抗原”と認識するimage003
  2. 侵入した抗原に対して「IgE抗体」が作られ、その抗体が肥満細胞と呼ばれる細胞の表面に付くimage004
  3.  再び抗原を吸い込むと、鼻の粘膜にあるIgE抗体と結合して、肥満細胞から「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」という化学伝達物質が放出される
  4. image005 これら化学伝達物質が、鼻の粘膜の血管や神経に作用して、くしゃみや 鼻水、鼻詰まりの症状を引き起こす

アレルギー体質の人は、このIgE抗体が作られやすい傾向にあるようです。
また、抗原にさらされる機会の多い人ほど、IgE抗体ができやすいとも言われていますので、抗原を除去するのは大切な予防法の一つです。

次に、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)について見ていくことにしましょう。

蓄膿症(慢性副鼻腔炎)とは?

image006鼻腔の周囲には、右のような4つの空洞があり、総称して「副鼻腔」 と言います。その副鼻腔の粘膜で、細菌やウイルスの感染によって炎症 を引き起こし、膿のような粘液がたまる病気が副鼻腔炎です。
膿の粘液には、炎症を引き起こす物質が含まれているため、たまる ことによってさらに炎症を招き、副鼻腔炎が長引いてしまったものが 「蓄膿症(慢性副鼻腔炎)」です。

先のアレルギー性鼻炎と蓄膿症はどちらも鼻の病気ですが、主な症状に違いがありますので、比較してみることにしましょう。

アレルギー性鼻炎と蓄膿症の主な症状は?(起こりやすい順に…)

アレルギー性鼻炎 蓄膿症
くしゃみ
鼻汁(サラサラした水様性の鼻汁)
鼻づまり
目のかゆみ
鼻づまり
鼻汁(ネバネバした鼻水や黄色い鼻汁)
後鼻漏(鼻水がのどのほうに流れる)
頭重感(特に、額や目と目の間が痛みます)
嗅覚障害(においが分からなくなる)

最近では、アレルギー性鼻炎を起こす人の約4割が、蓄膿症を合併しているとか…アレルギー性鼻炎が長期にわたることによって、鼻や副鼻腔の粘膜が慢性的に腫れ、蓄膿症を起こしやすいためと言われています。

では、アレルギー性鼻炎と蓄膿症について、一般的な治療法を見てみますと…

アレルギー鼻炎と蓄膿症の治療法は?

アレルギー性鼻炎 蓄膿症
抗原の除去、薬物治療(抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の内服、ステロイドの点鼻など)、手術療法(肥厚した粘膜の切除) 鼻処置(鼻汁の吸引)、ネフライザー療法、薬物療法(抗菌薬や抗生物質、去痰剤など)、手術療法(副鼻腔の粘膜切除)

漢方でよく用いられる処方は?

image007アレルギー性鼻炎では「小青竜湯」が、そして蓄膿症では「葛根湯加川キュウ辛夷」 といった処方がよく用いられます。
これらの処方に共通して配合されている生薬と言えば…「麻黄」

アレルギー性鼻炎と蓄膿症(心臓の弱い人)麻黄の主成分エフェドリンは、鼻づまりを改善しますが、これは鼻粘膜の血管を収縮させるためです。
ただし、麻黄は鼻以外でも血管を収縮させ心臓への刺激作用があるため、次のような人に注意が必要です。

ホノミ漢方における治療法は?

鼻の病気 ホノミのお薬 特長
アレルギー性鼻炎 ホノビエン錠deux
ホノビエン錠deux
ベラドンナを配合しないため、市販の鼻炎薬に多く見られる“口渇”を起こしにくく、すばやくアレルギー症状を取り除いて、鼻炎による不快な症状を改善していきます。
蓄膿症 ホノミビスキン
ホノミ ビスキン
10種類の生薬の働きを活かし、鼻腔や副鼻腔に起こった炎症を鎮めながら、溜まった鼻汁(膿汁)を排出させて、蓄膿症による不快な症状を改善していきます。
image009漢方における陰陽五行説の考え方を大切に…

漢方には陰陽五行説という考え方があります。
その中で、病気を改善する上では「虚するときはその母を補せ」というルールがあります。
アレルギー性鼻炎や蓄膿症といった鼻の病気の場合、「」は「」に 属することから、その母である「土」に属する臓器の「脾・胃」、つまり 胃の働きを良くする(補う)ことが、鼻の病気を治す上で大切になるのです。
ホノビエン錠deuxやホノミビスキンは、鼻のことだけではなく、胃のことも大切に考えられているお薬です!

養生方法は?

病気の改善には、お薬の服用だけではなく、日頃の養生も大切!
そこで、その養生法についてご紹介しましょう

アレルギー性鼻炎の養生法

1)原因物質を避けましょう。

・外出するときはマスクやゴーグルなどをして、目や鼻から花粉が入らないようにします。
・ニットなど毛羽立った服装ではなく、表面がサラサラしたものを着用し、家に入る前は外で払うようにします。
・こまめに部屋の掃除をしてダニやホコリなどを取り除くようにします。

2)タバコやアルコールは控えましょう。

・タバコやアルコールは、鼻やのどの粘膜の線毛運動を低下させると言われています。

3)充分に睡眠をとりましょう。

・働き過ぎや睡眠不足は体力の低下を招くため、身体を休めることが大切です。

蓄膿症の養生法

1)身体の血行を良くしましょう。

・鼻づまりや鼻汁などの症状は、鼻部の血行不良が関係しているため、適度に運動したり、お風呂にゆっくりつかるなど、全身の血行を良くすることが大切です。

2)ビタミンAを豊富に含んだ食材をとり入れましょう。

・ほうれん草やにんじん、鶏や豚のレバーなどに豊富に含まれるビタミンAには、鼻の粘膜を強くする働きがあります。

3)胃に負担をかけないようにしましょう。

・鼻の病気全般に言えることですが、漢方の陰陽五行説の考え方に基づいて、胃をいたわる食生活を心がけます。