痔疾

排便時の出血や肛門部の激しい痛みを起こす「痔疾」。その恥ずかしさから、誰にも相談できずに一人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 

image001実は、成人の3人に1人は痔に悩んでいると言われるほど、痔は身近な病気なのです。しかも、痔は男性の病気だというイメージがあるかもしれませんが、若い年代では意外にも男性より女性の方が痔の症状を訴える方は多いのです。
そんな辛いお尻の病気“痔”とは、いったいどのようにして起きるのでしょうか?また、痔を引き起こす根本的な原因はどこにあるのでしょうか?
そこで、今回は『痔疾』についてお話しすることにしましょう。

痔疾とは? ~肛門の構造~

【肛門の構造】
【肛門の構造】※『きょうの健康』より
図『きょうの健康』より

痔疾とは肛門周辺の病気の総称で、大きく分けて「痔核(いぼ痔)」、「裂肛(切れ痔)」、「脱肛(で痔)」などの種類があります。これらの痔の特徴を見ていく前に、まずは痔が起こる肛門の構造について確認しておきましょう。

肛門とは、大腸の末端部である直腸とつながった奥行き約3cmほどの部分(右図image003 )であり、直腸に溜まった便を規則正しく体外へ送り出す働きをしています。
この肛門の中間辺りには、粘膜が歯のようにいりくんだ「歯状線」があります。この歯状線より上の部分は、直腸とつながった粘膜でできているので、痛みを感じることはありません。しかし、歯状線より下の部分は皮膚でできているので、痛みにはかなり敏感です。
また、肛門と直腸の周りを囲む「括約筋」の近くには、毛細血管や筋繊維などが集まってできた、軟らかい弾力性のある「肛門クッション」があります。この部分は、非常に細かい血管が網の目のように走っており、ちょっとしたことで血流が滞りうっ血を起こしやすい場所です。

痔疾の種類と特徴

それでは、さまざまな種類の痔がある中でも、男女ともにその半数以上を占める痔核(いぼ痔)と、特に女性に多い裂肛(切れ痔)について、その特徴を見ていきましょう。それぞれの痔が肛門のどの部分に発生するかによって、起こってくる症状も異なります。

種類 痔核(いぼ痔) 裂肛(切れ痔)
肛門の状態  image004 image005
起こり方 排便時に強く息むなどして肛門に負担がかかると、肛門クッションの血流が滞り、うっ血を起こしていぼ状に膨らんできます。 便秘になって、太くて硬い便を無理やり押し出そうとした時、歯状線より下の皮膚の部分に縦に細く裂けたような傷が入ります。
主な症状
  • 歯状線より上側にいぼができた場合(内痔核)、痛みはほとんど感じませんが、排便時に出血を起こします。
  • 歯状線より下側にいぼができた場合(外痔核、中間痔核)には痛みを伴い、肛門部に腫れやふくらみなどが感じられます。
  • 痔核(いぼ痔)が大きくなると、排便時にいぼが肛門の外に出てくるようになります(脱肛)。
  • 歯状線より下側に傷ができるので、排便時に激しい痛みを感じます。
  • 出血は少なく、トイレットペーパーに少し血が付く程度です。
  • 裂肛(切れ痔)になると、排便時の痛みの恐怖から排便を我慢してしまいがちです。そうすると、ますます便秘によって便が硬くなり、余計に痔の症状が悪化するといった悪循環に陥ります。

現代医学での治療法

image006痔の症状で病院(肛門科)を受診すると、どのような治療が行われるのでしょうか?まず診察で痔の種類や状態を調べられた上でその治療法が決められます。痔の治療法としては、主に薬物療法と手術療法の2つがあります。

1)薬物療法

まだ痔の症状が軽いうちは、痛み止めや出血・腫れを抑える座薬や注入軟膏などが使用されます。また便秘がある時には、整腸剤や便を軟らかくするための内服薬などが勧められることもあります。

2)手術療法

痔の症状が悪化して、薬による治療だけではなかなかよくならない場合には手術が行われます。例えばいぼ痔の手術では、いぼの根元をゴム輪で縛って血流を止め、いぼの部分を壊死させて脱落させる方法などがあります。また切れ痔の予防策として、肛門を締める働きをする「括約筋」の一部を切開し、肛門を広がりやすくする方法もあります。

これら現代医学での治療法は、今出ている症状に対して行われる「対症療法」です。例えば、痛みがあるから痛み止めを使う、出血するから止血剤を使う、いぼが大きくなってきたから切除する…。このように、出てきた症状を取り除く治療法も必要ですが、痔を起こしやすい体質から改善して、痔の根本的な治療を考えることも大切です。

ホノミ漢方では ~飲んで治す痔のお薬~

痔の根本原因は「肛門部のうっ血」です。痔を起こしやすい体質を改善するためには、この肛門部のうっ血を取り除くことが肝心です。このような身体の中からの体質改善については、漢方が得意とする分野です。
痔の症状に対してよく用いられる漢方薬に「乙字湯」というお薬があります。ただ、乙字湯はもともと江戸時代に武士の痔疾改善薬として考案されたお薬です。それゆえ、乙字湯は戦場で闘っている武士にも効くように考えられており、体力のある男性向けに使う内容となっているのです。
ところが、虚弱なタイプの多い現代人や女性の痔にも使うことを考えると、乙字湯の内容のままでは身体に合わず負担となってしまう場合もあります。そこで、この乙字湯の内容を踏まえて、現代人の身体に合うように、また女性でも安心して使えるように改良する必要があります。そうしてできたのが、
“飲んで治す痔のお薬”ホノミもへじ(カプセルタイプ)』です!

ホノミもへじの特長

① 胃腸の弱い人にも使えるように、胃腸に負担となる生薬の量を減らしています
② 女性の痔にも対応できるように、血行を改善する生薬が豊富に含まれています
③ 血管を強くして出血を止める働きのあるルチンを配合しています

痔疾の養生法

痔疾の改善には、お薬の服用だけでなく日頃の生活習慣を見直すことがとても大切です。痔を引き起こす直接の原因は、主に便秘や下痢といった便通の異常にあります。
そこで、日頃の生活の中では次のようなことに気をつけましょう。

image0071)便秘を防ぐ生活を!
  • 食物繊維が不足すると腸の動きが遅くなり、便が硬くなって便秘を起こしやすくなります。野菜や果物類、海藻類など食物繊維の豊富な食材を毎日の献立の中に上手に取り入れましょう。
  • 適度な運動は腸の働きを活発にさせるので、便秘の解消につながります。また、身体を動かすことで全身の血液循環もよくなるので、肛門部の血行不良も改善することができます。
image0082)下痢を防ぐ生活を!
  • 食べ過ぎによる消化不良、アルコール飲料の飲み過ぎ、また寝冷えなどが下痢の原因となったりします。
    暴飲暴食を避け、消化のよい食事を心がけましょう。 
  • ストレスなどで下痢を起こす「過敏性腸症候群」の疑いがある場合には、病院を受診してその対処法を医師と相談する必要があります。
image0093)香辛料やアルコールを控えましょう!
  • 香辛料などの刺激物は、辛みの成分が消化されずに便の中に残り、肛門の粘膜を直接刺激することがあるので、なるべく避けるようにしましょう。 
  • アルコール類は末梢血管を拡張させたり肝臓に負担をかけることで痔を悪化させる要因となるので、過度の飲酒は控えましょう。
4)身体を冷やさないように!image010
  • 身体を冷やしてしまうと血行不良を起こして痔を悪化させてしまいます。冷たい飲み物や冷房の効かせ過ぎなどで身体を冷やさないことが大切です。
  • お風呂にゆっくりと浸かって身体を温めることで、全身の血行がよくなって痔の症状を改善することができます。