歯周病

歯および歯の支持組織の疾患の総患者数
image001平成20年患者調査より

厚生労働省による平成20年の調査結果では、『歯および歯の支持組織の疾患』の総患者数は600万人以上、3年前に比べて6%増加しています。

近年、中高年の8割以上が歯周病を患っていると推測されているものの、早い段階では自覚症状が現れにくいため、進行を見逃してしまっていることも少なくありません。
そこで、今回は『歯周病』についてお話しすることにしましょう。

『歯周病』が起きるしくみ

歯は、歯肉、歯根(しこん)、歯を支える歯槽骨(しそうこつ)、歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜(しこんまく)という4つの組織によって支えられています。歯周病は歯周病菌が原因で、この歯周組織に炎症が起こる病気で、次のような段階を踏んで徐々に症状が進行します。

① 歯周病の進行ステップ

  歯周病の進行ステップ ステップの特徴
歯肉炎 image002
  • プラーク(歯周病菌の集まり)が歯と歯肉の境目に付着したまま放置されると、歯肉に炎症が起こります。
  • 刺激時の出血、歯肉の赤み、腫れが見られますが、炎症は歯肉部分だけに起こっています。
歯周炎 ●軽度
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  • 炎症は歯槽骨など歯周組織全体に広がり、歯と歯肉の間の溝が深くなることで、隙間(歯周ポケット)ができるようになります。
  • 軽度では、歯周ポケットは3mm程度で、歯肉からの出血がみられます。
●中等度
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  • プラークが徐々に増え、歯槽骨の溶解が進むと、歯周ポケットはさらに深くなり、排膿が見られたり(歯槽膿漏(しそうのうろう))、歯肉の後退や歯のグラつきが起こり始めます。
  • 中等度では、歯周ポケットは4~6mmです。
●重度
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  • 歯槽骨が溶けてほとんど失われると、歯のグラつきが大きくなり、歯が抜けてしまうことがあります。
  • 重度になると歯周ポケットはさらに深くなり、6mm以上になります。

図『きょうの健康』より

② 歯周病をチェックするには?

歯周病は、自覚症状がないからといって放置しておくと、気付かないうちに進行してしまいます。
できるだけ早く歯周病に気付くために、次の項目に当てはまるかをチェックしてみましょう。

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これらのチェック項目の何れかに当てはまる場合は、歯周病の可能性が疑われます。
歯周病を進行させないためにも、定期的に歯科で状態をチェックしてもらうことが大切です。

③ 歯周病は全身に影響するの?

歯周病は、歯だけの問題と思われがちですが、最近の研究で全身に影響を及ぼす可能性があることも指摘されています。歯周病が関連してリスクが高まると考えられている病気には、次のようなものがあります。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん) 糖尿病 動脈硬化
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  • 食べ物や唾液が誤って気管に入った際、歯周病菌も入ることで、肺で炎症を起こすことがあります。
  • 飲み込む働きが低下しやすい高齢者では、とくに注意が必要です。
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  • 歯周病で増える炎症性の物質は、糖尿病を悪化させる可能性があることが判っています。
  • 慢性的に血糖値が高いと、免疫力も低下するため、歯周病も治りにくくなります。
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  • 動脈硬化は、血管が堅く、狭まり、脳卒中や心筋梗塞にも関連する病気です。
  • 歯周病菌が口の中から血液中に入ると、歯周病菌が影響して動脈硬化が進みやすいことも知られています。

こうした全身への影響を起こさないためにも、定期的に歯茎の状態をチェックし、歯周病による炎症が慢性化しないよう、気を付けましょう。

現代医学では…

歯周病の予防および治療の基本は、プラークを取り除く毎日のケアです。歯肉炎の段階なら、歯ブラシで歯の表面のプラークを取り除けば、健康状態に戻せます。また、歯科では歯周ポケットに入り込んだプラークや歯石をスケーラーという器具で取り除くケアを受けることができます。ただし、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなり、ケアが難しい場合は、手術が必要です。
歯周病は歯周病菌に感染する病気であるため、薬では抗生物質を使う治療を行うことがあります。

ホノミ漢方では…

ワグラスD錠ホノミ漢方には、歯周病における化膿・炎症疾患を改善するお薬として、
ワグラスD錠があります。

ワグラスD錠は…
●排膿を促し炎症を鎮める…キキョウ・キジツ・シャクヤク
●化膿や炎症疾患の回復を早める… タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ
の生薬の働きを活かし、歯周病に伴う歯肉の炎症や歯槽膿漏(しそうのうろう)による化膿状態を改善します。

また、歯周病のリスクを高めないように、日頃から次のような『歯周病』を起こしにくくする養生法を取り入れてみましょう。

『歯周病』を予防するための養生法

image0101) 毎日の歯磨きは欠かさずに!
  • 歯周病の進行を防ぐには、毎日の歯磨きで歯に付いたプラークを取り除く必要があります。毎食後、とくに就寝前は丁寧に、歯ブラシで磨き残しがないように磨きましょう。
  • 時間とともに石灰化して歯石が歯に沈着すると、歯磨きでは落とせなくなるため、少なくとも半年に1回は歯科でプラークや歯石を取り除いてもらうのが理想的です。
2) 甘いものは控え、肥満や糖尿病などを招く生活習慣の見直しを!image011
  • 甘いものを摂りすぎる生活習慣は、歯周病菌を増えやすくするため、控えましょう。
  • また、肥満や糖尿病になると、歯周病菌に対する免疫力も低下して、歯周病を進行させやすくなります。
3) 喫煙は避けるようにしましょう!たばこは吸わないこと
  • タバコに含まれるニコチンは、歯肉の血流を悪くしてしまいます。
  • 歯周病の予防や悪化を防ぐためにも、喫煙習慣は見直しましょう。