月経の前になると、イライラしたり、お腹や腰が痛くなったり、眠気が起きたり…。皆さんもこのような経験はありませんか?
月経前につらい症状が現れるのは当たり前だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのような月経前の心身の不調は「月経前(ぜん)症候群」という病気の1つとして捉えられています。
現在、月経前にこうしたさまざまな不調を訴える女性は非常に多く、ある調査によると、20~40代の女性の約9割もの人がこの月経前症候群を経験したことがあると答えているそうです。
そこで今回は、多くの女性を悩ます病気『月経前症候群』についてお話しすることにしましょう。
月経前症候群とは
月経前症候群とは、月経の3~10日前からさまざまな精神的、身体的症状が現れ、月経開始とともにこれらの症状が消えるような状態をいいます。英語では”PMS”(Premenstrual Syndrome)と呼ばれ、また以前は「月経前緊張症」という名前で呼ばれていました。
月経前症候群で見られる症状は多岐にわたりますが、主に次のような精神的症状、身体的症状が現れてきます。
精神的症状 | 身体的症状 | |||
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このような症状を経験した女性のほとんどは月経前症候群に対してストレスを感じているようで、この影響から「人に不機嫌な態度を取ってしまった」「物や人にあたってしまった」「月経前症候群が原因で仕事を休みたいと思ったことがある」など、人間関係や社会生活にも影響が出ていると感じている女性も少なくないようです。
月経前症候群の原因
月経前症候群が起こる原因はまだはっきりと分かっていないのですが、次の2つの要因が関係しているのではないかと考えられています。
①ホルモン分泌の変化
症状が現れる月経の3~10日前というのは月経周期の中の高温期(黄体期)に当たり、この時期は女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が大きく変化する時期になります(右図参照)。このホルモン分泌の変動が心身に何らかの影響を与えているのではないかと考えられています。
②ストレスによる影響
もう一つの要因はストレスなどの精神的要素です。ストレスが加わると女性ホルモンの分泌が乱れるだけでなく、自律神経の働きにも影響します。自律神経は内臓や分泌腺など身体のさまざまな働きをコントロールしているので、自律神経が乱れることで心身にいろんな症状が現れてきます。
病院での治療
このような月経前症候群の症状に対して、病院では主に「ホルモン療法」が行われます。これは、ピル(経口避妊薬)などを使用して月経前に変動するホルモン分泌を一定にコントロールするという治療法です。また、他にも精神的な症状の改善に「抗不安薬」や「抗うつ薬」が使用されることもあります。
しかし、これらの治療法はあくまで症状を緩和するだけの対症療法に過ぎません。現代医学では月経前症候群の原因自体がまだ明確でないため、残念ながら根本的に治療する方法は確立されていないようです。
ホノミ漢方における対策
現代医学では原因不明といわれるような病気であっても、漢方の考えに基づいた治療を行っていくことが可能です。特に、月経前症候群を含め女性に起こりやすいさまざまな病気「女性病」の改善には、広く漢方薬が活用されています。
月経前症候群は、漢方では血(血行・ホルモン)の乱れを中心に、気(神経の働き)の乱れ、水(水分代謝)の乱れが影響して起こっていると考えられています。 そこでホノミ漢方には、この中でも重要な「血の乱れ」、つまり血行不良やホルモンバランスの乱れを整えるための
“女性病のお薬”『エッキ錠』があります!
生活習慣で気を付けること
月経前症候群は、生活習慣を改善することによっても症状を緩和させることができます。漢方の力で身体の中のホルモンバランスを整えながら、日頃の生活の中では次のようなことに気をつけておきましょう。
1)カフェイン、塩分を控えましょう
- カフェインには神経を興奮させる働きがあるので、月経前症候群の精神的症状を悪化させる可能性があります。コーヒーやチョコレートなど、カフェインを多く含む飲み物や食べ物はなるべく避けるようにしましょう。
- 塩分を控えることで体内に溜まっている水分量が減るので、月経前症候群によるむくみを改善することができます。
2)カルシウム、ビタミンB6の摂取を増やす
- カルシウムを十分に摂取することで、月経前症候群の身体的・精神的症状が軽減されます。
- また、ビタミンB6も月経前症候群の症状を緩和させるといわれているので、摂取を増やすようにしましょう。
3)ストレスを解消しましょう
- 月経前症候群は、ストレスなどの精神的な要因が大きく関係しています。あまり体調の細かな部分ばかりを気にしすぎず、趣味や好きなことに集中してストレスを解消することも大切です。
- 適度に身体を動かすこともストレス発散につながるので、定期的に有酸素運動を行うのも良いでしょう。