咳・痰

咳や痰はさまざまな病気に伴って起こり、特に咳は医療機関を受診する理由のうち最も頻度が高い症状だといわれています。咳や痰が頻繁に出ると、周囲に気を遣ったり仕事や家事に集中できないだけでなく、非常に疲れてしまうものです。そのため、何とかこのつらい症状を鎮めたい…と悩んだ経験のある方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、多くの人を悩ませるこの『咳・痰』について、その役割や、治療方法などをお話ししましょう。

咳や痰の働きとは?

まず初めに、咳と痰の役割と、それぞれが起こる仕組みについて見ていきます。

気道(鼻から肺までの空気の通り道)の中に侵入してきた異物を空気の力で取り除こうとする反応です

咳の起こり方咳の起こり方図

異物が気道に入り込むと、喉の奥や気管、気管支などに存在する咳受容体(咳を出すスイッチ)がそれを察知します。

咳受容体が察知した刺激は脳に伝えられます。

脳から、呼吸を行う筋肉(肋間筋や横隔膜など)に指令が送られて、咳が起こります。

不要な異物を気管支から分泌される粘液でからめ取り、異物が体内へ侵入するのを防ごうとするものです。

痰の出され方

気管支の内側には「線毛(せんもう)」がブラシのように生えていて、水中で揺れる水草のように1分間に1500回ものペースで運動しています。気管支から分泌される粘液は普段、この線毛の動きにより自然に口のほうへ運ばれ、排出されています。

しかし、異物が侵入すると…

image006気管支から粘液がたくさん分泌され、異物をからめ取ります。

からめ取られた異物は、線毛の働きで体外へ運び出されようとします。
しかし、痰があまりにも多いと咳受容体が刺激され、咳の力で体外へ排出されます。

このように、咳・痰は体内に異物が侵入するのを防ぎ、体を守るための大切な役割を担っています。

咳・痰が及ぼす弊害

咳や痰は異物から体を守る働きを持ちますが、体にとって良いことばかりなのでしょうか…。咳・痰が続くと私たちの体に次のような弊害があります。

★体力の消耗

咳が出るときの息の流れは時速140km以上で、1回の咳で約2kcal消費するといわれています。

そのため1分間に1回の咳が8時間続くと…

体力の消耗

★自然治癒力の低下

また、夜中に咳・痰が出ると睡眠が妨げられ、自然治癒力が低下し余計に病気が治りにくくなる悪循環に陥ります。

 

★他の病気の引き金になる

さらに、咳に伴い頭痛」「不整脈」「尿失禁が起こることがあります。また、高齢者では激しい咳をすることで骨粗鬆症などで弱くなった肋骨が折れる可能性があります。

咳痰イラスト1このように、咳や痰が長く続けば、体力を消耗し病気を長引かせるだけでなく、他の病気の引き金になることもあるのです。

咳・痰はそれぞれ体を守るために必要な反応ではありますが、慢性的に続くと生活の質の低下に繋がるため、鎮める対策が必要です。

現代医学での治療

咳痰イラスト2鎮咳薬は、咳受容体から脳に伝わる神経を鈍らせたり、喘息などで気管支が狭くなって咳が出る場合は、気管支を拡げることで咳を鎮めます。また去痰薬は、痰の粘性を低下させたり、粘液の分泌を増やし、痰を出しやすくします。
このような現代医学での治療は、一時的に咳や痰の症状を和らげることを目的としています。そのため、咳や痰が慢性的に続く気管支喘息やその前段階と言われる咳喘息などでは、病院の治療を続けて行っても、咳・痰を根本的に改善できるわけではないのです。

 

咳・痰の治療によく使われる漢方薬

咳を起こしやすい体質を改善するには、漢方薬が有効です。咳・痰には「小青竜湯」「麻杏甘石湯」といった漢方薬がよく使用されますが、これらのお薬には、麻黄という生薬が含まれています。麻黄は交感神経を興奮させ、気管支を拡げることで咳を鎮めてくれるのですが、その副作用により以下のような人には負担となります。

咳痰イラスト3

現代人は胃弱者や虚弱者が多く、さらに高齢者では高血圧の人や心臓の働きが弱くなっている人が多いため、麻黄を含む漢方薬の安易な服用には注意が必要です。

ホノミ漢方では

ホノミ漢方には、麻黄を含まず、幅広い年代の現代人が安心して使えるお薬として「ヒューゲン錠deux・ヒューゲン顆粒deux」があります。

ヒューゲン錠deux・ヒューゲン顆粒deuxは咳や痰を素早く鎮め、また咳・痰を起こしやすい体質を改善してくれる働きもあるお薬なのです。

 

ヒューゲン錠deux・ヒューゲン顆粒deux の構成成分

の症状を鎮める

(キョウニン・ゴミシ・サイシン・シャゼンシ・ノスカピン)

ゴミシなどの鎮咳効果を助ける

(ショウキョウ・ハンゲ)

を取り除く

(カンゾウ・シャゼンシ)

咳・痰の原因となるアレルギー反応の抑制

(ソヨウ、カンゾウ、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)

 

 

 

 

生活習慣で気をつけること

咳痰イラスト41)胃を大切にしましょう

漢方の陰陽五行説という考え方では、咳・痰といった呼吸器系の疾患は胃の働きが悪いと治りにくいといわれています。そのため、胃への負担を減らす対策が必要です。

★ゆっくりよく噛んでから飲み込む

早食いは胃の調子を崩す原因となります。食べ物は30回以上噛みながら、ゆっくり食事をとることが大切です。

★食べる量は腹八分目にする

食べすぎると胃が膨らみ横隔膜を押し上げるため、気管や気管支、肺の働きを悪くしてしまいます。

★胃を冷やさない

喉が乾燥すると痰が出にくくなるため、適度な水分をとる必要があります。しかし、冷たい清涼飲料水などをたくさんとると、胃が冷えて働きが悪くなります。

食事に気をつけましょう2)食事に気を付けましょう

★刺激物をとりすぎない

味の濃いものや刺激物は、痰を増やすといわれています。

★バランスの良い食事を心掛ける

動物性たんぱく質や、脂質が多い欧米型の食事への偏りは、咳を起こしやすいアレルギー体質の一因となることが知られています。主食・主菜・副菜をバランスよくとることが大切です。

咳痰イラスト63)呼吸器への刺激を減らしましょう

たばこの煙に含まれる有害物質や、大気中の汚れた空気が刺激となって痰が過剰につくられ、咳が誘発されることが知られています。そのため、禁煙したり、マスクを活用することが大切です。