尿もれ

図1
笑う、咳をする、立ち上がる。お腹に力が入ったときに「あっ…」と思わずもれてしまった…。

急にトイレに行きたくなり、途中で我慢できずにもれてしまった…。こんな、いや~な経験はありませんか?

尿もれで悩む女性は多く、40歳以上の女性の3人に1人が経験しているといわれています。

そこで今回は、多くの女性を悩ます『尿もれ』についてお話しすることにしましょう。

排尿のしくみ

まずは、私たちの身体がどのようなしくみで排尿を行っているのかを見ていきましょう。

腎臓で生成された尿は「膀胱」でいったん蓄えられ、ある程度たまってから「尿道」を通って体外へ排出されます。尿をためておく膀胱と、尿を排出する通路となる尿道は、下図のように「骨盤底筋」というハンモック状の筋肉によって下から支えられています。

通常、尿道はこの骨盤底筋によってしっかりと支えられており、また尿道括約筋によってきちんと締められているため、尿がもれてしまうことはありません。

膀胱に尿がたまると脳から指令が送られて、膀胱が収縮し、また尿道を締めている尿道括約筋が緩むことで、排尿することができるのです。

図2

 

尿もれの種類

図3
今回お話しする「尿もれ」とは、このような尿の排出が思いどおりにいかず、無意識の内に尿がもれてしまう状態のことをいいます(「尿失禁」ともいいます)。尿もれがあると、それが気になって外出もままならなくなるなど、日常生活に支障を来してしまいます。

この尿もれには「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の2つの種類があり、それぞれ次のような特徴があります。

 

   腹圧性尿失禁  切迫性尿失禁
特徴  お腹に力が入り、「腹圧」が高まったときに起こる尿もれ  急に尿意を催し、排尿を我慢できずに起こる尿もれ
中年女性の尿もれで最も多いタイプで、全体の約5割を占める 高齢者に多い尿もれで、全体の約2割を占める
  (残り約3割は、この両者を併せ持つ「混合性尿失禁」)
 尿もれ

の例

・咳やくしゃみをしたとき

・笑ったとき

・スポーツをしているとき

・重い物を持ち上げたとき

・急に立ち上がったとき

・歩き始めるとき   などにもれる

・トイレに行く途中でもれる

・下着を下ろす間にもれる

・冷たい水を触ったり、冷蔵庫を開ける

などの寒冷刺激で、強い尿意を感じる

 原因  妊娠や出産、肥満、加齢などで骨盤底筋が緩み、尿道がぐらつくことで尿がもれる  過活動膀胱などで膀胱と脳との間の伝達がうまくいかず、膀胱が勝手に収縮して尿もれを起こす

 ※ 過活動膀胱は脳や脊髄の障害、前立腺肥大症、膀胱炎、加齢などによって起こります。

尿もれの治療法

尿もれに対して病院で行われる治療法には、次のように「行動療法」「薬物療法」「手術療法」があります。

腹圧性尿失禁

 行動療法  弱くなった骨盤底筋を鍛えて、尿道を締める機能を強化する「骨盤底筋訓練」を行います
 薬物療法  尿道を締める尿道括約筋の収縮を強める作用のあるお薬を服用します
 手術療法  尿道をメッシュ状のテープでつり上げて、尿もれを防ぎます

 
切迫性尿失禁

 行動療法

・生活指導:日常生活の中で、頻尿や尿失禁につながる要素を排除します

・膀胱訓練:尿意を感じても我慢して、膀胱にためられる尿量を増やします

 薬物療法  膀胱が収縮する働きを抑えるお薬を服用します

 

ホノミ漢方における対策

尿もれの症状はさまざまな原因で起こりますので、その人の原因に応じた対策を考えることが大切です。

ホノマリア錠
ホノマリア顆粒(分包)
例えば、膀胱炎などで膀胱が刺激されることによって、切迫性尿失禁を起こすような場合には、膀胱炎などによる頻尿の症状を改善するお薬として、

ホノマリア錠」

ホノマリア顆粒(分包)があります。

 

 

パナパール
また、尿もれの症状は40歳以上の女性に多く、加齢に伴って起こりやすくなります。さらに、寒冷刺激などで身体を冷やすと、尿意を催して尿もれを起こす原因となります。

このような場合には、滋養強壮の働きで年齢とともに衰える身体の新陳代謝機能を高め、また下腹部の血行を良くして身体を温める働きのあるお薬として、

パナパール錠

パナパールパナパール錠があります。

 

尿もれは、この他にもさまざまな原因で起こってくるため、当社ではその原因に対応したお薬をご用意しています。詳しくはホノミ漢方のお薬をお取り扱いいただいている薬局・薬店様でご相談ください。

 

日常生活における尿もれ対策

また日常生活の中では、頻尿や尿もれにつながる要素を取り除くために、次のようなことに注意しましょう。

図4
1)肥満を改善しましょう

肥満のある人は普段から骨盤底筋にかかる負担が大きいため、骨盤底筋が緩みやすくなります。腹圧性尿失禁の原因となる骨盤底筋の緩みを抑えるために、肥満のある人は改善するようにしましょう。

図5
2)便秘を改善しましょう

また、慢性の便秘がある人は排便時にトイレでいきむことが多く、骨盤底筋が緩みやすくなるので、便秘も改善するようにしましょう。

3)水分をとりすぎないようにしましょう

水分をとりすぎていると頻尿や尿もれにつながりやすいので、水分のとり方に注意しましょう。

4)カフェインやアルコールを控えましょう。

カフェインやアルコールには利尿作用があるので、頻尿の原因になります。カフェインを多く含むコーヒーや緑茶、さらにお酒の飲みすぎには注意しましょう。

図6

5)身体を冷やさないようにしましょう

身体を冷やすとトイレが近くなり尿もれにつながるので、身体(特に下腹部)を冷やさないように工夫しましょう。