高血圧の合併症(動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞)

日本で最も多い生活習慣病は「高血圧症」です。その数、4300万人にも上るといわれていますが、きちんと病院を受診している人はそのうちの約半数しかいないとか…。

自覚症状がないからといって安易に考えていてはいけません。高血圧症は「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれ、治療せずにそのまま放っておくと、知らぬ間に症状が進行し、重篤な合併症を引き起こす危険な病気です。

そこで今回は、高血圧を放置しておくとどのような危険があるのか、高血圧の合併症についてお話しすることにしましょう。

血圧:血液が血管に及ぼす力

血圧とは、全身を流れる血液が血管の壁を押す圧力のことです。

私たちは普段、血圧計の数値でしか血圧を認識することがありません。身体の中で血圧が上がったとしても、自覚症状として実感することはほとんどなく、私たちが気付かない間に上昇・下降を繰り返しています。

 

では、血液が血管に及ぼす力というのは、一体どれほどのものでしょうか?

例えば、重症の高血圧症の人の血圧は180mmHg(最高血圧)にも達します。これは、水より13.6倍も重い水銀を180mm噴き上げることのできる力に相当します。

これを水に置き換えると2448mm、なんと

2.5mもの高さまで噴き上げるだけの力になります。

高血圧症の人は、毎日これだけ強い力が血管に加わり続けているのです。

「高血圧」の詳しい内容はこちら

 

動脈硬化

血圧の高い状態が続いて血管の壁に強い力が加わり続けると、どのようなことが起こるのでしょうか?

高血圧の状態が続くと、次第に血管の柔軟性が失われ、硬くもろくなっていきます。もろくなった血管の内皮細胞に傷が付くと、そこから血液中のコレステロールなどが入り込みます。

そうすると、アテロームと呼ばれる柔らかい塊を作って血管の壁がこぶのように膨らみ、血管の内側が狭くなっていきます。このように、血管自体がもろくなったり、血管内が狭くなるような状態を「動脈硬化」と呼びます。

動脈硬化が起こると、そこで血液の流れが悪くなってしまうので、血栓(血液の塊)が出来やすくなります。

 

脳卒中・心筋梗塞

このような動脈硬化は、身体の一部の血管だけに出来るものではなく、全身の血管で同じような状態が起こります。つまり、高血圧が続くと、脳の血管心臓を取り巻く血管(冠動脈)も次第にもろくなり、血栓が出来やすい状態になってしまいます。

 

脳卒中

脳卒中の原因の大部分を占めるのが高血圧です。

脳出血
くも膜下出血

状態 動脈硬化でもろくなった脳の血管が破れて出血する「脳出血」や、脳の血管に出来たこぶが破裂して出血する「くも膜下出血」があります。
症状 出血した血液が脳内の神経を圧迫するため、後遺症として左右どちらか一方の顔や手足などに麻痺やしびれが残ります。また、くも膜下出血では突然激しい頭痛も起こります。
脳梗塞 状態 動脈硬化が進行して狭くなった脳の血管に血栓が詰まり、血流が途絶えた部位の脳の神経細胞が死んでしまいます。
症状 脳梗塞を起こした部分の神経細胞が死んでしまい、脳出血と同じように、顔や手足の麻痺・しびれ、他にもろれつが回らない・言葉が出ないといった言語障害が現れます。

 

心筋梗塞

動脈硬化によって心臓の冠動脈の内側が狭くなると、血流が悪くなって一時的に心臓の筋肉が酸素不足に陥ってしまいます(狭心症)。これがさらに進行し、冠動脈に血栓が詰まって血液の流れが完全に途絶えてしまうと、その先の心臓の筋肉が栄養不足に陥って死んでしまいます。これが「心筋梗塞」です。

 

脳卒中と心筋梗塞は、ひとたび発作が起こると、緊急に治療が必要となる極めて危険な状態となります。

高血圧症は、このような非常に重篤な合併症のもととなる病気です。だからこそ、早めの対策が必要であり、普段から血圧のコントロールを意識することが大切となります

ホノミ漢方における対策

ホノミ漢方には、これらの合併症を防ぐために、血圧が高めの方にお使いいただけるお薬としてサイロ」 「サイロヤング錠があります。

 

サイロの構成生薬

サイロは、身体に合った血圧に調整するシャクナゲヨウ・ケツメイシ、弱った血管を強くするカイカ、さらに血圧が上昇しにくいように手助けするカノコソウ・センキュウを含めた、5種類の生薬で構成されています。

サイロヤング錠の構成生薬

サイロヤング錠は、チョウトウコウ・トウキ・センキュウ・シャクヤク・ジオウ・オウギ・オウバクを加え、血圧上昇に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重)を改善する7種類の生薬で構成されています。

これらのお薬は、体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、服用に際しては、ホノミ漢方のお薬をお取り扱いいただいている薬局・薬店の先生とよくご相談ください。

 

日常生活における注意

高血圧症の人は、生活習慣を改善するだけでも血圧を下げることができます。お薬の服用と併せて、日常生活の中では次のようなことに注意しましょう。

1)塩分を控える

食塩の中に含まれているナトリウムには血圧を上げる働きがあるため、食事の中で塩分を控える必要があります。

高血圧症の人は、1日当たりの食塩摂取量を6g未満に抑えるように推奨されています。味付けを薄味にしたり、汁物やスープの量を減らすなどして、減塩しましょう。

 

2)肥満に注意

肥満は血圧を上げる要因となり、心臓にも負担をかけてしまいます。体重を減らすことで血圧も下がるといわれていますので、腹八分目を心掛けて、カロリーをとりすぎないようにしましょう。

 

 


3)ストレスをため込まない

ストレスも血圧を上げる重大な要因となります。

ストレスを解消するには、趣味や娯楽の時間を作ったり、質の良い睡眠をとるようにしましょう。また、就寝と起床の時間を守った生活リズムを保つことも大切です。

 

4)適度に運動する

適度な運動は肥満解消やストレス軽減に役立ち、脳卒中や心筋梗塞の予防にもつながるといわれています。

運動は疲労を伴ったり興奮するような激しいものではなく、少し汗ばむ程度のウオーキングや、ラジオ体操などの有酸素運動が良いでしょう。