アレルギー性結膜炎

春先のスギやヒノキの花粉が飛散し始めるシーズンには、多くの人がくしゃみや鼻水、鼻づまりに悩まされます。一方で、花粉によるアレルギー反応は、鼻以外にも目の症状として現れることもあり、目薬が手放せない生活を送っている方も少なくありません。

そこで今回は、花粉症の時期に多いアレルギー性結膜炎をテーマに、お話しすることにしましょう。

 

結膜炎とは?

結膜は、目の構造の中で、両まぶたの裏側と白目の表面部分を覆っている粘膜です。結膜は粘液を分泌することで目に異物が入ったり、乾燥するのを防ぐ働きを担っています。

この結膜が何らかの原因で炎症を起こしている状態が「結膜炎」です。

結膜炎を起こす原因としては、①花粉やハウスダストなどアレルゲンが原因で起こる「アレルギー性結膜炎」や、②ウイルスや細菌感染による「感染性結膜炎」の大きく2種類に分類することができます。

アレルギー性結膜炎の中でも、季節性タイプは花粉などが飛散する特定の時期に発症するのに対し、通年性タイプはダニやハウスダストなどが原因となるため、季節に関係なく起こります。

一方、感染性結膜炎は、アデノウイルスやエンテロウイルスなどのウイルス、インフルエンザ菌や肺炎球菌などの細菌感染が原因となることから、人への感染リスクもあるため、感染を拡げない対策を講じるとともに専門の眼科での治療を優先するようにして下さい。

 

アレルギー性結膜炎の発症メカニズム

アレルギー性結膜炎は、人間の身体に備わっている免疫(体内の異物を排除する反応)が過剰に働いた結果、起きる病気です。その仕組みは…、

 

① 空気中の花粉(抗原)が目の粘膜に付着する。

② 目の粘膜に存在する肥満細胞上の抗体に花粉が結合し、化学伝達物質(ヒスタミンなど)が放出される。

③ ヒスタミンが目の血管や知覚神経を刺激する。

 

日常生活でのセルフケア

花粉が原因で結膜炎が起こっている時は、何よりも花粉をできるだけ避ける対策を行うことが大切です。

 

 

また、目のかゆみがどうしても我慢できない時、目をこすってしまうと結膜表面が傷つき、症状が悪化する可能性があります。そこで、かゆみがつらい時は、冷やしたタオルをまぶたに当てたり、人口涙液を点眼する対策法もあります。

 

西洋薬での治療

アレルギー性結膜炎に対して、西洋薬では主に次の成分が入った抗アレルギー点眼薬が使用されます。それぞれの働きと特徴は以下の通りです。

 

  • メディエーター遊離抑制薬

・アレルギー症状の原因となる、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されるのを防ぐ。

・効果が現れるまで時間がかかる。

 

  • ヒスタミンH1受容体拮抗薬

 ・ヒスタミンの作用を直接抑える。

 ・比較的、早い効果を実感できる。

 

花粉が飛散するよりも前から点眼薬を使い始めると、そのシーズンの発症を遅らせたり、花粉の飛散量が多くなった時に症状を軽くすることができ、有効とされています。

また、抗アレルギー点眼薬の使用で十分に症状が改善しない場合、ステロイド点眼薬が用いられることもありますが、眼圧上昇や感染症などの副作用に注意しながら使用する必要があります。

 

ホノミ漢方におけるアレルギー性結膜炎の対策法

漢方において、目の充血や涙目などの症状(眼疾)は、内臓機能の乱れが密接に関連しているとされ、特に胃に溜まった消化不良の水分が原因で起こるノボセ(気の上衝*)の症状の一つとして考えられています。そのため、目の症状は、胃に不良水分を溜めやすい胃弱者に起きやすく、内服薬で治療する方法がとられます。

 

*気の上衝は、眼疾以外にもめまいや耳なり、鼻炎、動悸など胃内停水を訴える人に起こる症状全般を指します。

 

気上錠

ホノミ漢方では、眼疾の原因となっている胃内の不良水分を取り除きながら、アレルギー性結膜炎に伴う目の症状を改善するオリジナルの生薬製剤として「気上錠」があります。

気上錠のポイントは、漢方の考えを活かして眼疾の原因(胃内停水)にアプローチする生薬を中心に、抗炎症作用のある生薬や胃腸機能を整える生薬を配合している点にあります。

 

特に、黄連や黄柏は、整腸殺菌作用で胃腸の調子を整えるとともに、抗炎症作用のある生薬成分を含んでおり、アレルギー性結膜炎の症状を鎮める上で重要な役割を担っています。

 

ホノビエン錠deux

花粉やハウスダストなどによるアレルギー症状が目だけではなく、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの鼻の症状がツライ場合は、「ホノビエン錠deux」という生薬中心の鼻炎薬もご用意しています。

これらのお薬は、ホノミ漢方会 会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

気上錠やホノビエン錠deuxを試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。