肝臓の検査値(AST, ALT, γ-GTP)

AST、ALT、γ-GTP、などなど…
会社の健康診断や人間ドックの検査で、肝機能の数値に異常が…

何の自覚症状もなく、どこも悪い所がないと思っていたのに、検査結果を見ると、「大丈夫だろうか…」と心配になってしまいます。

長期間お酒を摂取すると肝臓に悪影響を及ぼすことは知られていますが、それ以外に、アルコールに関係しない肝臓病も存在します。

そこで今回は、肝機能悪化の早期発見に必要不可欠な肝臓の検査値について、その対策とともにご紹介しましょう。

 

肝臓の働き

肝臓の主な働きとして、次の3つがあります。

解毒

アルコールやアンモニアなどの身体にとって有害な物質や老廃物を、無害な物質や水に溶けやすいものに変えます。

栄養素の加工・貯蔵

身体のエネルギー源となるグルコースをグリコーゲンに加工して、肝臓内に貯蔵し、体内でエネルギーが必要になった時に、再びグルコースに変換して血中に戻します。

他にも、アミノ酸からタンパク質、脂質からコレステロールを作ったりします。

消化を助ける

肝臓は、食べ物の消化に必要な胆汁を1日に700~1,000mL作って分泌します。この胆汁に含まれる胆汁酸は、脂質を溶けやすい形にして、消化・吸収を助けます。

 

このように、肝臓は解毒や栄養素の加工・貯蔵、消化のサポートなど、身体の健康にとって重要な役割を担っているため、身体の中の‟化学工場“と呼ばれています。

しかし、アルコールや肥満、肝炎ウイルス感染などの原因により、肝臓に負担がかかって肝機能が低下すると、身体に必要な栄養素が合成されなくなったり、不要な物質がたまってしまいます。

肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、何らかの異常があっても自覚症状が現れないことがほとんどです。

気づかないまま肝機能の低下を放置しておくと、最終的には肝硬変や肝がんなどに進行し、治療が困難になります。そのため、定期的に検査を受け、早い段階で肝機能の低下を見つけることが大切です。

 

肝機能を調べる検査値

それでは、肝機能の指標となる代表的な検査値AST、ALT、γ-GTPについて見ていきましょう。

これらは、すべて肝臓の細胞で作られる酵素で、肝細胞が壊れると血液中に流出します。そのため、血液検査から血中のAST、ALT、γ-GTP濃度を調べることで、肝臓の状態を把握することができます。

AST

AST(GOT)は、肝細胞の他にも、心臓の筋肉や骨格筋などの身体の様々な場所の細胞に存在します。このことから、ASTが高値になっても肝臓に由来するものかどうかということは判断できないため、通常はALTも一緒に調べます。

 

 

 

ALT

ALT(GPT)はASTと異なり、肝臓に特異的な酵素です。心臓や筋肉などの障害は関係せず、肝臓に問題が生じると、ALTの値が高くなります。

 

 

 

ASTもALTも高値であった場合、どちらの値のほうが高いのかということから、肝臓の原因疾患を推測することができます

  原因疾患
ASTのほうが高い場合 アルコール性肝炎、
肝硬変、
肝がんなど
ALTのほうが高い場合 急性肝炎、
慢性肝炎、
ウイルス性肝炎など

γ-GTP

γ-GTPは、肝臓でのアルコールなどの解毒に関係します。γ-GTPが高値であると、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝や、胆石による胆道の閉塞などが考えられます。

脂肪肝の場合、断酒や生活習慣の改善を行えば、健康な肝臓に比較的戻りやすいため、γ-GTPの値がどのくらいなのかということにも注目しましょう。

 

 

 

 

肝臓を労る対策

肝機能の悪化を防ぐためには、普段の生活での対策が欠かせません。

お酒は控えめに

お酒の飲みすぎが原因で肝臓の機能が落ちている場合、お酒をやめるのが原則です。いきなりの断酒が難しい場合は「週2日の休肝日を設ける」など、無理のない範囲で少しずつ飲酒量を減らしていきます。

 

 

 

食事

①食事は腹八分目まで

食べすぎると、胃腸だけでなく肝臓にも負担がかかってしまいます。腹八分目を意識することで、食べたものが効率よくエネルギーとして使われるため、肝臓に脂肪がたまりにくくなります。

1日3食を守り、適切な量の栄養バランスのよい食事を心がけましょう。夜に食事を多くとると、食べ物のエネルギーを消費しきれず、肝臓に脂肪がたまりやすくなるため、朝食・昼食にしっかり食べ、夕食は控えめにし、就寝2時間前までに食事を済ませます。

 

 

 


②糖質や脂質は控える

糖質や脂質をとりすぎると肝臓の負担になってしまいます。肝機能を維持するため、以下のような糖質や脂質が多いものは控えます。

③肝臓に必要な食べ物

肝臓での代謝に必要なビタミン・ミネラルなどを多く含む緑黄色野菜や海藻、そして肝細胞の修復や機能回復に必要なタンパク質を含んでいる青魚や鶏ささみ、豆腐などを積極的にとりましょう。

運動

①有酸素運動

有酸素運動を日常的に続けることで、肝臓への脂肪の蓄積が改善されることが報告されています。ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を40分間、週に3~4回取り入れることが大切です。

運動習慣のない場合は、1日1回「通勤や買い物などで階段を下りる」「家の周りを一周する」など自分の行いやすい運動から始め、慣れてきたら少しずつ運動量を増やすようにすると良いでしょう。

 

 

 

 

②筋力トレーニング

筋肉は「第二の肝臓」ともいわれ、糖質やアミノ酸の代謝促進や、アンモニアの分解など、肝臓と同じような働きをします。筋トレで筋肉量を増やすことで肝臓の機能の一部が補われることになるため、肝臓内の脂肪の処理もスムーズになります。自身の身体の状態に合わせて、筋トレを行いましょう。

 

 

 

 

肝臓と腎臓の関係

肝臓では、体内でできた有害物質などの解毒や代謝が行われていますが、解毒した老廃物などのろ過や排出は腎臓が行っています。

つまり、肝臓と腎臓は互いに協力し合って、身体にとって有害な物質や不要な物質を除去しているのです。

そのため、肝臓の機能が落ちた際には腎臓にも、また、腎臓の機能が落ちた際には肝臓にも負担がかかることになります。

このことから、漢方においては、肝臓と腎臓どちらか片方の臓器の機能が低下した場合であっても、肝腎両方のサポートを行い、機能の回復を促すことが、健康を維持するうえで大切だと考えられています。

 

ホノミ漢方での肝臓対策

ホノミ漢方には、肝臓の働きを整えるお薬としてジヨッキ(錠剤タイプ)があります。

ジヨッキには、肝臓に働く生薬とともに腎臓に働く生薬も含まれているため、効果的に肝腎の両方の対策を図ることができます。

効能・効果

水分を好むとか、嘔気a)のするとかの小便の出方の充分でない次の諸症:

肝臓機能障害、腎炎、ネフローゼb)、浮腫c)、カタル性黄疸d)、暑気あたり

a)嘔気:はきけのことを示します。
b)ネフローゼ:多量の蛋白尿やむくみなどの症状を示します。
c)浮腫:むくみのことを示します。
d)カタル性黄疸:炎症性の黄疸のことを示します。

 構成生薬

ジヨッキは、肝臓の機能を整える生薬に、腎臓の機能を整える生薬を加えた、計9生薬で構成されています。

このジヨッキは、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、どのようなお薬が適しているのか、お近くのホノミ漢方会会員の薬局・薬店で詳しくご相談下さい。

 

ジヨッキを試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社 お問い合わせ窓口 剤盛堂薬品 学術部 までご相談下さい。