年々増加する夏の猛暑日。記録的な暑さが次々と更新されていくさまを目の当たりにすると、私たちの生活に地球温暖化の影響が迫っていることを実感します。
このような環境にあって、ヒトの身体は気温の急上昇に耐えられず、時として様々な不調に襲われることも少なくありません。
そこで今回は、夏の暑さが引き起こす『暑気あたり』『夏バテ』について、その内容を対策法とともにご紹介したいと思います。
暑気あたり(熱中症)とは
「暑気あたり」とは夏の暑さのために体調を崩すことをいい、医学的には「熱中症」のことを指しているといわれます。
つまり、気温や湿度が高い環境下で身体に熱がたまり、体温の調整機能が崩れてしまうこと、また、過剰な発汗により脱水状態になることで発症する病気です。
熱中症は、主に「高体温」と「脱水」の症状を示し、重症になるにつれてⅠ度(現場での応急処置で対応できる軽症)、Ⅱ度(病院への搬送を必要とする中等症)、Ⅲ度(入院して集中治療の必要性のある重症)と区別されます。重症度ごとの症状は以下の通りです。
熱中症を発症した場合は、重症度に関係なく、まず涼しい場所へ移動し、太い血管がある首や足の付け根を冷やし、水分補給を行うなどの対処が大切になります。
加えて「漢方薬」を用いることで症状の緩和を図っていくこともできますが、漢方薬で対応できる「暑気あたり」とは、熱中症の中でも現場で対処可能な軽症(Ⅰ度)の段階か、あるいは予防的処置が中心になるといえます。
夏バテとは
さて、この暑気あたりが慢性的に続くと、身体に食欲不振や倦怠感などいわゆる「夏バテ」の症状が起こるようになります。
特に、エアコンが普及した近年では、涼しい室温に調節された室内と、灼熱の屋外との気温差がより顕著となり、その結果生じる「自律神経の乱れ」が胃腸症状や全身症状を引き起こす夏バテの原因となっています。
さらには、夏場に冷たい飲み物やアイスなどを摂りすぎることで胃腸機能が低下し、食事からの栄養吸収が弱まってしまうこと、また暑い夜の寝苦しさで睡眠不足に陥り、体力が低下することも相まって、夏バテを悪化させていきます。
日常生活での対策
●暑気あたりの対策
熱中症の初期段階である暑気あたりの予防には、体温調整や脱水状態の改善が基本です。熱中症と言えば、日差しのある屋外で起こるイメージがありますが、実は「屋内」で起こす人もかなりの頻度でいることが分かっています。
そのため、屋内における対策としては、
・暑い日は我慢せず、エアコンで室温を調節する
・就寝中の熱中症を防ぐために夜間もエアコンを使用する
・こまめに水分補給する
と いった点を意識して生活することがまず大切です。
また、熱中症予防の4つのポイントの頭文字 (HealthCare:ヘルスケア Environment:環境 Alert:熱中症警戒アラート Treatment:治療) をまとめた「HEAT(ヒート)」という言葉もあるので、併せて対策の参考にしてみてください。
もし、熱中症の疑いがある人を発見した場合、まず優先すべきは意識の有無の確認です。声かけに反応が無いときはすぐに救急搬送の手配をしましょう。
意識がある場合は、涼しい場所に寝かせ、太い血管を冷やしたり、水分をこまめに摂取させて安静にします。しかし、このような対処をしても症状が改善しないようであれば、医療機関を受診し、点滴治療などを行う必要があります。
さらに、暑気あたりが長引いてしまい夏バテになった際の対策としては以下のようなものがあります。
●夏バテの対策
①食欲が湧かなくても食事を摂る
暑さを感じると、つい冷たいものを摂りすぎてしまい、胃腸を冷やしてしまいます。しかし、胃腸が弱っていてはしっかり栄養を摂れず、いつまでも疲れを引きずってしまいます。
そこで、食欲がない時であれば、少量をちょっとずつ食べる、香辛料で食欲を湧かすなどして、食事を十分に摂ることが夏バテ改善のために必要になってきます。
②しっかりと睡眠をとる
十分な睡眠をとり体力を十分に回復させることも、夏バテを解消するうえで重要です。
特に、夏の夜は暑さで寝苦しく、睡眠の質が悪くなりやすいため、エアコンをつけて寝る、寝る前にスマホをいじらない、寝る3時間ほど前には食事を済ますなど、良質な睡眠が得られるように意識してみると良いでしょう。夜に十分に寝られないようであれば、20分ほどの昼寝をすることも効果的です。
③定期的に運動を行う
健康を維持していく体力をつけるために、軽い運動を生活の中に取り入れることもオススメです。運動のメリットは体力向上だけでなく、心地よい疲労感による快眠もあります。
昼間の激しい運動は熱中症リスクもあるため、朝や夕方の涼しい時間帯にウォーキングやジョギングなどを軽く行うと良いでしょう。
剤盛堂薬品による対策
弊社製品には、暑気あたりや夏バテなどの夏場の不調に対応できるお薬として「スイギャクEP錠」「フラーリンA錠・粒」「パナパール」「パナパール錠」があります。
暑気あたりには…
●スイギャクEP錠
暑気あたりは、こまめに水分補給を行うことで、予防または症状の緩和が期待できます。
「スイギャクEP錠」は体内の水分代謝を整え、必要な水分を全身に巡らせる働きがあることから、セルフケア可能な軽度の暑気あたり(めまいや頭痛など)に有効です。
効能・効果
体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔
構成生薬
●フラーリンA錠・粒
「フラーリンA錠・粒」はスイギャクEP錠に共通する水分代謝を整える生薬に、さらに胃腸を補養する生薬を組み合わせた漢方製剤です。
そのため暑気あたりの中でも、特に吐き気などの胃腸症状が前面に現れているような時にオススメです。
効能・効果
体力中等度で、水様性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴うものの次の諸症:食あたり、暑気あたり、冷え腹、急性胃腸炎、腹痛
構成生薬
夏バテには…
●パナパール・パナパール錠
「パナパール」(カプセルタイプ)「パナパール錠」(錠剤タイプ)は、病気を治す時に必要な身体の自然治癒力を高めることで、全身に力をつけつつ、病気の治りを早めてくれるオリジナルの生薬製剤です。
効能・効果(パナパール)
次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振
効能・効果(パナパール錠)
次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期
構成生薬
パナパール・パナパール錠は、身体に力をつける滋養強壮の生薬や、胃腸を補養する生薬、そして血行・ホルモンバランスを整える生薬を組み合わせています。
そのため、夏バテによって身体の倦怠感や疲労感を訴えているとき、また胃腸が弱って食欲不振に陥っているときなどに特に効果的に働くお薬といえます。
これらのお薬は、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。
お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、どのようなお薬が適しているのか、お近くのホノミ漢方会会員の薬局・薬店で詳しくご相談下さい。
スイギャクEP錠、フラーリンA錠・粒、パナパール、パナパール錠を試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。