血糖値スパイク

秋の深まりとともに、食卓にはさつまいもや栗、秋刀魚などの秋の味覚が並び、寒さが増す冬にはお鍋や年末年始のごちそうが楽しみな季節になります。
ついつい食べすぎてしまうこの時期、気をつけたいのが「血糖値スパイク」。
放っておくと将来的に糖尿病や動脈硬化のリスクが高まることも…。

そこで今回は、健康診断でも見逃されがちな食後の高血糖
血糖値スパイクについて、その対策とともにご紹介しましょう。

血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、食後短時間で血糖値が急上昇・急降下を起こす状態のことを指し、頭痛や眠気、だるさ、集中力の低下、イライラ感などの症状が現れます。

健康な人では、食後に血糖値が上がり始めると、速やかに膵臓から血糖値を下げるインスリンというホルモンが分泌されるため、血糖値はさほど高くなりません。

しかし、インスリンの分泌がうまくいかなくなると、血糖値が急激に上がり、その後急激に下がるという「乱高下」が起こります。

このような状態を「血糖値スパイク」と呼び、棘のような形の血糖値推移になることから、この名前がつけられています。

 

こうした血糖値の急上昇は、身体を老化させる原因となる活性酸素などを多量に生成してしまうため、全身の血管が傷つき、動脈硬化が進みやすくなります。

 

血糖値スパイクは、食後の短い時間に起こるため、ちょっとした日常の不調として流されてしまい、自覚症状としてはっきり認識されにくいのが特徴です。

また、空腹時血糖値を測る健康診断では血糖値スパイクは発見できません。そのため、健康診断の数値は正常でも、実際は血糖値スパイクが起きている可能性があるのです。

血糖値スパイクが起こる原因

膵臓のインスリン分泌機能の低下

加齢や肥満により、インスリンを分泌する膵臓の機能が低下すると、インスリンの分泌量が減少したり、食後のインスリン分泌のタイミングが遅れてしまい、血中のブドウ糖が肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞内に取り込まれず、血糖値の急上昇が起こります。

 

他にも、血糖値の乱れは、生活習慣の影響を大きく受けます。

糖質中心の食生活

精製された白米やパン、麺類など糖質が多い食事ばかりを摂っていると、食後に血糖値が一気に上がりやすくなります。

 

不規則な食事や早食い

食事を抜いたり、早食いをすると、血糖値の上昇が急激になりやすく、血糖値スパイクの原因となります。

運動不足

日常的に運動が少ないと、糖をエネルギーとして消費しにくくなり、血糖値が上がりやすくなります。
また、内臓脂肪が溜まると、インスリンの働きが悪くなります。これは、インスリンが分泌されていても、細胞が糖をうまく取り込めなくなる「インスリン抵抗性」という状態で、さらに血糖値スパイクが起こりやすくなります。

 

 

血糖値スパイクを防ぐには

血糖値スパイクのような急激な血糖値変動を防ぐためには、生活習慣の見直しが大切です。
食事や運動、そしてストレス対策を行うことで、血糖値が安定しやすくなります。

食生活を見直す

食事における対策としては、糖質中心の食事などの「食事内容」を見直すことはもちろんですが、普段の「食べ方」にも注意しましょう。

●食事内容

血糖値が気になるとはいえ、糖質は脳の働きや全身の活動に欠かせないエネルギー源であるため、極端な糖質制限は避けましょう。
例えば、糖質は食後にエネルギーを消費しやすい朝食や昼食に摂り、夕食だけ糖質抜きにすることで糖質の摂りすぎを防ぐことができます。

また、糖質を摂るときは、精製された白米より食物繊維の多い玄米や大麦、全粒粉パンにすることで急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。

その他にも、蕎麦やナッツなどの血糖値を上げにくい食品「低GI食品」を取り入れるのもオススメです。

 

●食べ方

よく噛み、ゆっくり食事することを意識しましょう。
糖の吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇を抑えることができます。

丼ものは、ご飯が具材の汁を吸って柔らかくなるため、流動食のようにスルスルと食べられてしまいます。そのため、噛む回数が少なくなりがちで、つい早食いになってしまう傾向があります。早食いは満腹感を感じにくく、食べすぎや血糖値の急上昇を招きやすいため、おかずとご飯は別々に盛り付けるとよいでしょう。

 

運動習慣を取り入れる

血糖値を抑えるためには、「有酸素運動」と「レジスタンス運動」の両方を取り入れることが大切です。

●有酸素運動

有酸素運動とは、酸素を使ってエネルギーを生み出す運動のことで、ウォーキングや軽いジョギングなどが代表的です。
筋肉を動かすことで糖がエネルギーとして使われ、インスリンの働きも良くなるため、血糖値を下げる効果があります。
血糖値スパイクを予防するには、週3日~毎日、1日20~60分のウォーキングやジョギングが効果的です。

●レジスタンス運動

レジスタンス運動とは、ダンベル・ゴムバンド・自重(体重)などの「抵抗(レジスタンス)」を利用して筋肉に負荷をかける運動で、いわゆる「筋トレ」を指します。
筋トレをすると、筋細胞内でのインスリンに対する反応(感受性)が高まり、少ないインスリンでも効率よく糖を細胞へ取り込めるようになります。
これにより血糖コントロールが改善される他、基礎代謝の向上により内臓脂肪の減少にもつながります。
無理のない範囲で、週2~3回行うとよいでしょう。

 

 

ストレスをためない

ストレスがかかると交感神経が興奮し、コルチゾールなどの血糖値を上げるホルモンが分泌されるため、インスリンの働きが弱まってしまいます。

急激なストレスだけでなく、慢性的なストレスも血糖コントロールに悪影響を及ぼすため、日ごろからストレスをためすぎない工夫が大切です。

 

趣味に没頭する時間を作ったり、軽い運動を取り入れたりするなど、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけて、心と身体を上手にリセットしていきましょう。

ホノミ漢方で考えると?

ホノミ漢方には、高血糖対策のお薬としてシノミッテルカプセル(第2類医薬品)があります。

効能・効果
糖尿病、血糖増加による口渇

シノミッテルカプセルは、血糖値を上がりにくくしたり、
血糖上昇に伴う口渇(口の渇き)などの自覚症状を
改善する働きのお薬です。

 

こちらのお薬は、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。
お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、どのようなお薬が適しているのか、お近くのホノミ漢方会会員の薬局・薬店で詳しくご相談下さい。

 

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