蓄膿症(慢性副鼻腔炎)

鼻づまりが続く、黄色で粘っこい鼻汁が出る、頭重感・頭痛が起こる、においが分からなくなる…。

アレルギー性鼻炎と鼻かぜスギやヒノキといった樹木の花粉が飛散している中、花粉症の症状(くしゃみ、鼻水など)だけでなく、これらの症状も起きて困っている方は多いのではないでしょうか。
これらの症状は「蓄膿症(慢性副鼻腔炎)」で起こることが多く、現在、蓄膿症は花粉症の増加に伴い増えている病気です。
今回は、この「蓄膿症(慢性副鼻腔炎)」について、お話ししましょう。

蓄膿症とは…

image002副鼻腔に起こった炎症が治まりきらず、細菌感染を繰り返すために、副鼻腔内に膿が溜まっている状態です。
このことから、蓄膿症は慢性副鼻腔炎とも呼ばれています。
副鼻腔とは、眼球の入っている骨のくぼみをとり囲むようにある前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎洞の4つの空洞をさします。

蓄膿症の原因と実態

◆原因

蓄膿症の原因は「感染性」と「アレルギー性」に分かれます。

感染性

かぜを引いたときに、その細菌やウイルスが副鼻腔まで侵入し、粘膜に炎症が起きて、それが治りきらないまま放置して慢性化する場合です。

アレルギー性

ハウスダストやダニなどによるアレルギーで、副鼻腔に慢性的な炎症が起きてしまう場合です。

現在、アレルギーと慢性副鼻腔炎の合併は30~40%に見られるとの報告もあり、アレルギー性鼻炎が年々増加していることを考えますと、今後もますます増えていくと予想されます。

◆実態

蓄膿症のような副鼻腔疾患は増加しており、特に若年者は年々増加しています。(下図参照)

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蓄膿症の症状は…

鼻がつまる

粘膜が腫れることにより鼻がつまります。特に睡眠中に鼻づまりがひどくなるので、「寝ているときに口呼吸になる」ことが多いものです。

鼻汁がでる

鼻汁に膿が混じるため、ネバネバした黄色っぽい鼻汁がでたり、鼻汁がのどに下りたり(後鼻漏)します。

頭重・頭痛が起こる

副鼻腔の一つである前頭洞にまで広がってくると、ズキズキした痛みではなく、重苦しいような圧迫感になります。

においが分からなくなる

鼻がつまってにおいが分からなくなるだけでなく、においを感じる嗅細胞が変性して、においを感じられなくなることもあります。

現代医学での対策は

保存療法

ネブライザー(噴霧器)を使用して、鼻孔から副鼻腔内に抗生物質やステロイド剤など噴霧したり、抗生物質や抗炎症剤を服用したりします。

手術療法

副鼻腔の孔をふさいでいる粘膜を取り除く方法が主流のようです。

漢方では

漢方では鼻の病気は体表の苦情と捉え、体表の症状を改善する薬方を使用することが多いものです。

中でも有名な薬方が葛根湯です。

◆葛根湯
葛根湯には麻黄という生薬が配合されています。
この麻黄には「エフェドリン」という成分が含まれており、自律神経の一つである「交感神経」を興奮させます。
そのため次のような人には不向きな薬方です。 

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特に、漢方では「鼻の病気」は胃腸の働きを悪くすると良くならないと考えています。
胃弱者の多い現代人は、葛根湯の対象者が少ないと言えます。

ホノミ漢方では

麻黄という生薬を含まず、胃腸に負担をかけず、副鼻腔の炎症を鎮めて、溜まった鼻汁(膿汁)を排泄し、
蓄膿症を改善するお薬にホノミビスキンがあります。

ホノミ ビスキンホノミビスキンは…
◆キキョウ・キジツ・シャクヤク:
 鼻腔・副鼻腔内に溜まった膿汁を排泄する
◆ケイガイ・ビャクシ・シンイ:
 鼻に生じる不快な症状を改善する
◆レンギョウ・ジュウヤク・ソウジ・センキュウ:
 蓄膿症などの改善を早め、回復を手助けする

これらの生薬が働いて、蓄膿症を改善していきます。

胃食道逆流症

「食後や就寝中に胸焼け」「胃液がこみあげてきてすっぱく感じる」このような症状が頻繁に起こる人は、「胃食道逆流症」の可能性があります。

もともと高齢者や欧米でよく見られる病気でしたが、「高齢化」や「食の欧米化」によって、日本でも「胃食道逆流症」に悩む人が増えてきています。
そこで今回は、「胃食道逆流症」についてお話ししましょう。

胃と食道の仕組み

口の中に入った食べ物は、食道を通って、胃へと運ばれます。
胃の中では、胃酸や消化酵素などが分泌されており、これらをまとめて「胃液」と呼びます。この胃液によって、食べ物がある程度消化されます。
胃は、胃自身が消化されてしまわないように胃液から保護する仕組みを持っています。ところが、食べ物の通り道である食道にはその仕組みが備わっていません。
そのため、胃と食道の境目は、胃液が食道の方へ逆流してしまわないように“弁”として働く構造になっています。胃と食道の境目は下部食道括約筋という筋肉に締められて、普段は弁が閉じています。

胃食道逆流症とは?

「胃食道逆流症」は、胃液が胃から食道へ逆流し、胸やけなどの症状が起こる病気です。
この胃液の逆流がどのようにして起こるか、年代別に見てみましょう。

食道裂孔ヘルニア【高齢者の場合】
  • 年齢を重ねると、下部食道括約筋が緩んでくる
    ⇒胃液が食道に逆流しやすくなります
  • 食道(しょくどう)裂孔(れっこう)(食道が横隔膜を貫く孔(あな))が加齢にともなって大きくなり、胃の一部が横隔膜の上にはみ出す「食道裂孔ヘルニア」になる(右図)
    ⇒はみ出した部分の胃にたまった胃液が逆流しやすくなります。
胃食道逆流症【若い人の場合】
  • 食べすぎ・飲みすぎ
    ⇒胃が膨らんで胃と食道の境目が緩みやすくなり、胃液の逆流が頻繁に起こります。
  • 肥満
    ⇒胃の周りに脂肪がたまって胃が圧迫され、胃液の逆流が起こりやすくなります。

また、胃液の分泌量が多いことや、胃の内容物がスムーズに腸へと運ばれず、胃の中の圧力が高くなってしまうことも、胃液の逆流を起こす要因となります。

胃食道逆流症の症状

胃食道逆流症では、主に以下のような症状が起こります。image005

その他、「胸の痛み」「胃もたれ」「のどの不快感」や、「咳」など喘息のような症状が起こることもあります。

「胃食道逆流症」と「逆流性食道炎」

「逆流性食道炎」という病名を聞いたことがある人も少なくないかと思います。
「逆流性食道炎」は、逆流した胃液によって食道の粘膜に炎症が起こり、傷がついている状態を言います。
しかし、最近は、胸やけや胃液がこみあげる症状があっても、食道の粘膜に傷がないケースが多いことがわかってきました。そのため、食道粘膜に傷があるかないかは関係なく、胸やけなどの症状が起こる状態をまとめて「胃食道逆流症」ととらえるようになりました。

現代医学での治療法

胃食道逆流症の症状の改善には、胃酸の分泌を抑える「プロトンポンプ阻害薬」「H2ブロッカー」が使われます。
胃酸の分泌量が減ると、胃液が逆流しても食道粘膜への刺激が少なくなり、症状が起こりにくくなるのです。
ただし、胃食道逆流症は胃酸の分泌量以外の要因によって起こることもあり、その場合には、これらの薬が効かないこともあります。

ホノミ漢方の胃食道逆流症対策

胃食道逆流症の「胸やけ」などの不快な症状を鎮めるために、
ホノミ漢方には、「エスマーゲン錠deux」「エスマーゲンdeux」があります。

「エスマーゲン錠deux」「エスマーゲンdeux」は、胃液の状態を整える制酸成分や、胃腸の働きを強めて消化の手助けをする生薬などを配合した、総合胃腸薬です。

胃腸の働きと生薬・漢方薬

植物や動物などの一部を薬として使う「生薬」。生薬の中には、胃腸の働きを強めて消化の手助けをするものや、胃の機能異常から起こる症状を改善するものなどがあります。
この生薬を、一定の割合でいくつか組み合わせてできるのが、「漢方薬」です。
そして最近の研究では、胃腸に対して漢方薬が西洋薬にはみられない効果を発揮することが、科学的に証明されつつあります。

また、胃食道逆流症の改善には、日頃の生活習慣を見直すことがとても大切です。
そこで、次のようなことに気をつけましょう。

胃食道逆流症の養生法

<食生活>
  • 食べすぎ・飲みすぎに注意!
    食べすぎたり飲みすぎたりすると、胃酸の分泌が盛んになります。また、たくさんの食べ物が胃の中に入ると、中からの圧力で胃と食道の境目が緩みやすくなってしまいます。
  • 食べてすぐ横にならない
    胃液の逆流は食後に起こりやすいため、食後に横になると、逆流が起こりやすくなります。
    食後2~3時間は横になるのを避けましょう。
  • 逆流を起こしやすい食べ物を控える
    脂肪の多い食べ物、炭酸飲料やアルコール飲料、和菓子など甘い食べ物、かぼちゃ、さつまいもなどは、胃液の逆流を起こしやすいと言われています。
<寝るときの姿勢>
  • 上半身を高くする
    食道を胃より高い位置に保つと逆流が起こりにくくなります。枕を高めにし、座布団やバスタオルなどを背中の下に置いて上半身全体を高くすると良いでしょう。
  • 左側を下にする
    横向きに寝るときは、左側を下にした方が、逆流が起こりにくくなります。image006左側を下にする

便秘

便秘image002「回数が少ない」「残便感がある」
「スッキリと出ない」・・・。

こんな便秘でお悩みの方は多いのではないでしょうか。便秘は男性よりも女性に圧倒的に多く、その数は年々増加しています。ある調査によると女性の6割が便秘で悩んでいるとか。
そこで今回は便秘についてお話をしましょう。

便秘とは…

「便の量が少ない」「硬い」「排便しにくい」「回数が少ない」「残便感がある」など種々の訴えがありますが、医学的には、通常のその人の排便習慣より著しく排便回数が減少した状態と定義することが多いようです。

便秘の原因は…

大きく「器質性便秘」と「機能性便秘」の2つに分けられます。

器質性便秘

  • 大腸やその周辺に病気があるために起こるもので、例えば、大腸がんや潰瘍性大腸炎などによる便秘があります。

機能性便秘

  • 腸の働きが悪くなって起こる便秘を言います。この便秘には更に3つのタイプに分かれます。

弛緩性便秘

大腸の働きが鈍くなって起こります。

けいれん性便秘

大腸がけいれんのように無駄な動きをするために起こります。

直腸性便秘

大便が直腸に来ているのに、便意を感じず直腸に便がとどまって起こります。

現代医学の治療は…

便秘薬は大きく2種類に分かれます。

便を柔らかくする薬

  • 大腸の中で便に水分を含ませ、便を軟らかくします。
  • 酸化マグネシウム、硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネートなどがあります。

大腸を刺激する薬

  • 大腸を直接刺激して、動きを活発にして排便しやすくします。
  • ビサコジル、ピコスルファートナトリウム、センナなどがあります。

現代医学のお薬の中でも大腸を刺激するお薬は多く、単に大便を出せば良いとの思いで安易に連用すると、便秘薬による刺激がないと排便できない身体になってしまうことが多いものです。

ホノミ漢方では…

(1)便秘のタイプを下記の2つに分けて考えます。

image003体力のある便秘(実性便秘)

  • ガッチリ筋肉質型の比較的体力のある人。
  • 腸自体は強いので下剤を使用しても平気。
  • 2日も排便できないと強くのぼせたりする。

image004体力のない便秘(仮性便秘)

  • 腸が怠けて大便を送り出す力が弱っている。
  • 下剤などを使用すると腹痛がしたり、下痢になったりする。
  • 3~4日排便できなくてものぼせたりしない。

(2)便秘の原因を次の6つに分けて考えます。

  1. image005胃の働きが悪い
    ・胃酸が多すぎると便秘になりやすい。
  2. 腸の働きが悪い
    ・ 腸の働きが強すぎても、弱すぎても大便が上手く運ばれずに便秘になってしまいます。
  3. image006血液の巡りが悪い
    ・ 腹部の血行が悪いと栄養も運ばれず腸は充分に働くことができず大便は腸内に滞ってしまいます。
  4. image007胆汁が小腸に分泌されない
    ・食物の消化を手助けしたり腸の蠕動運動を促進させて、
     排便をスムーズにさせる胆汁が不足すると便秘になります。
  5. 肝臓が炎症を起こして胆汁分泌が困難
    ・胆汁を作り出す肝臓が炎症を起こすと、胆汁を充分に作り出すことができません。
  6. 精神的ストレス
    ・精神的なストレスが続いたりして、神経がいつも緊張していると
      胃腸の働きも緊張してギクシャクとした動きになり排便しにくくなります。

体力のある便秘(実性便秘)から体力のない便秘(仮性便秘)まで幅広く対応でき、便秘の原因に対応する薬味(厚朴、枳実、牛胆、芍薬、大黄、DSS)を配合した便秘改善薬が「ハニドール」です。

ハニドールは、単に腸を刺激して排便を促すのではなく、便秘の原因対策をとりながら、人間の持つ排便能力を上手く働かせるように生薬の働きを活かした便秘改善薬です。

ワンポイントアドバイス

お薬だけでなく、原因を考えた養生法を行うことが、つらい便秘を少しでも早く楽にする手助けになります。
便秘は圧倒的に女性に多い病気。女性は生理不順、生理痛、冷え、貧血などといった血行不良を持っていることが多いもの。
便秘の原因に「血行不良」があることを考えますと、女性に便秘が多いのもうなづけます。
そこで、血行を良くする養生が女性の便秘の手助けにつながります。

(1)お風呂にゆっくりと入り身体を温めて血行を良くしましょう!

シャワーよりも湯船につかるのが良く、お湯はぬるめ(38~40℃)で半身浴(腰湯)するのが良いでしょう。

(2)身体を適度に動かしましょう!

身体を動かすことによって血行が良くなると共に、運動することにより腸の運動リズムをつくり、腹筋を強くして大便を押し出す力をつけます。

(3)食事をしっかりと取りましょう!

ダイエットなどで食事を制限してしまうと、血行不良を起こすだけでなく、大便の量を減らして便秘を助長してしまいます。

ぜんそく

日本では、成人が「ぜんそく」を発症する割合が増加し、約50年前と比べると、3~4倍に…。
そして成人と小児を合計すると、何と約400万人~450万人もの人がぜんそくに悩んでいると言われています。
そこで、今回は「ぜんそく」についてお話しすることにしましょう。

ぜんそくが多い季節

厚生労働省の保健福祉動向調査を見ると、ぜんそくなど呼吸器のアレルギー症状は、とくに「春」や「春から夏にかけて」、そしてこれからの季節「秋から冬にかけて」起こりやすいことが分かります。呼吸器アレルギー症状の発症時季の割合

理由としては、次のようなことが考えられています。

春は…

さまざまな病原体などが活発になる

春から夏にかけては…

梅雨時に発生しやすいカビの影響を受ける

秋以降は…

  • 夏の暑い時期に布団などに繁殖したダニの死骸や排泄物を、秋になって吸い込む
  • 気候が変動して気圧が低くなる

ぜんそくの原因

ぜんそくの原因ぜんそくの原因の中で多いのが、ダニやほこり、ペットのフケなどのアレルギー物質(アレルゲン)です。
ただし、アレルゲンを吸い込んだからといって誰もが起こすわけではなく、アレルギーを起こしやすい体質なども関係しています。

そのほか、かぜの原因となる「ウイルス」や、「たばこの煙」「薬(アスピリンなど)」「大気中の汚染物質」などが原因になって起こることもあります。

ぜんそくの症状

ぜんそくの症状は夜間や早朝に起こりやすいのが特徴で、次のような症状が現れます。

せき・たん   発作が軽いときに現れる症状で、風邪と間違えてしまうケースもあります。
喘鳴(ぜんめい)  狭くなった気道を空気が通るため、呼吸に伴って「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がします。
息苦しい  空気が気道を通りにくくなって息苦しくなります。ひどい場合は、呼吸ができなくなることもあります。

ぜんそくと似た症状が起こっていても、それが別の病気から来ている症状の可能性もあります。
その場合には、その病気に適した治療が必要になりますので、参考にぜんそくと似た症状を起こす病気について紹介しておきましょう。

風邪、肺炎、結核など

ウイルスや細菌による感染によって、せきやたんなど呼吸器の症状が起こります。感染症は発熱を伴いますが、高齢者の場合は高熱が出ないことが多くあります。

副鼻腔気管支症候群

副鼻腔炎によって鼻汁がのどに流れて気管に入り、気管支炎を起こしてせきが出ることがあります。

逆流性食道炎

胃液が食道へ逆流してのどの方にまで上がってくることがあり、それが肺に入って、ぜんそくに似た症状を起こすことがあります。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

喫煙歴の長い人に起こりやすい病気で、気管支やその先の肺胞組織に病変が生じて、息切れやせき、たんなどの症状が現れます。

では、次にぜんそくはどのようにして起こるのかについて見てみましょう。

ぜんそくの起こり方

ぜんそくの起こり方右の図のように、気道は「上皮細胞」「基底膜」「粘膜下層」や、「平滑筋」という筋肉などによって取り囲まれています。
ぜんそくの人の場合は、次のように気道で慢性的に炎症が起き、内腔が狭くなっているため、症状が発作的に現れます。

ぜんそくの起こり方

この状態を繰り返すと、炎症が悪化して気道がますます過敏になり、悪循環を招きます。

現代医学の治療は

ぜんそくぜんそくの治療は薬物療法が中心で、気道における慢性的な炎症を抑える薬(吸入ステロイド薬)や、発作を抑える薬(気管支を拡張させるβ2刺激薬やテオフィリン)が用いられます。

ホノミ漢方では

 ぜんそくによる、つらいせき・たんなどの症状を鎮めるために、ホノミ漢方には、ヒューゲン錠deux・ヒューゲン顆粒deuxがあります。

 

  

ヒューゲン錠deux・ヒューゲン顆粒deuxは、次のような働きを持ったお薬です。
(1)杏仁・五味子・細辛・車前子・ノスカピンがせきの症状を鎮める
(2)甘草・車前子がたんの症状を取り除く
(3)蘇葉・甘草・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩が、せき・たんの原因となるアレルギー症状を鎮める

 

病気を治療する上では、加えて日頃の養生も大切です。
最後にぜんそくを悪化させないために、日常生活で気を付けるポイントを紹介しましょう。

ぜんそく時…日常生活で気をつけること

1)アレルギー物質(アレルゲン)を除去する。
  • ダニやほこり、ペットのフケなど、アレルギーの原因となる物質が分かる場合は、それらをできるだけ避けるため、こまめに掃除をするなどしましょう。
2)刺激になるものは控えましょう。
  • タバコの煙や冷たい風などは、刺激になってせきを誘発させることがあり、とくにタバコの煙は、気道の炎症を悪化させると言われています。本人だけではなく、家族も禁煙することが大切です。
  • コショウなどの香辛料も、気道を刺激してせきを起こす可能性がありますので控えた方が良いでしょう。
3)食べ過ぎは禁物!
  • 食べ過ぎると、胃が膨らんで横隔膜を押し上げ、気管や気管支、肺などの臓器の働きを悪くしてしまいます。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

近頃、テレビのコマーシャルなどでも取り上げられている「COPD」…
話題にはなっているものの、ローマ字表記で「いったいどのような病気なのだろう?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はこの「COPD」について、お話しすることにしましょう。

COPDとは?

COPDとは?COPDとは一つの病気ではなく、「慢性気管支炎」や「肺気腫」など、気管支や肺(肺胞)に炎症が起き、慢性的に気道が狭くなってしまう病気の総称です。
このCOPDでは、次のような症状が現れます。

咳・痰

痰を伴った咳が出ます。
風邪の場合は、3~4日すれば症状が軽くなってきますが、COPDの場合には、咳や痰が長期間続き、なかなか治まりません。 

咳・痰が出る仕組み

空気の通り道である「気管支」に慢性的な炎症が起きると、 気管支の壁がはがれたり壊れたりして痰が大量に出ます。
そして、その痰を外に出そうとして咳が出るのです。

息切れ

COPDの初期の場合は、階段や坂道を上ったときに息切れを感じる程度で、「年のせいかな?」と思う人も少なくないようです。
しかし、進行すると、日常生活で少し身体を動かすだけでも息切れを起こすようになって、呼吸がしづらくなります。

=息切れが起こる仕組み=息切れが起こる仕組み

気管支の末端には「肺胞」という小さな球形の袋がブドウの房のようについていて、酸素と二酸化炭素の交換が行われています。
この肺胞が炎症を起こして壊れると、小さな袋同士がつながって 大きくなり、弾力性も失われてしまうため、呼吸が十分にできず、息切れを起こします。

COPDの原因は?

COPDの原因は?COPDの原因の90%以上は「喫煙」です。また、たばこを吸わなくても、誰かが吸っているたばこの煙を吸い込む “受動喫煙”が原因となる可能性もあると言われています。 

他に、仕事などでチリやホコリ、化学物質を長期間吸うような場合に、 COPDを起こすことがあります。

COPDの治療法は?

COPDの原因の90%以上は「喫煙」であり、COPDの治療において重要になるのは、「禁煙」です。
肺の機能は、年とともに誰でも低下するものですが、たばこを吸う人は、吸わない人に比べて低下のスピードが速くなります。
たばこを吸う45歳位の人の肺の機能は、吸わない人の70歳位の肺機能と同程度とのデータもありますので、禁煙は不可欠です。

また、次のような薬を用いて症状を抑え、悪化しないようにします。

薬剤 働き
気管支拡張薬 気管支を広げて空気の通りを良くする
ステロイド薬 炎症を抑える
去痰薬 痰の粘り気を低下させたり、痰を溶かして出しやすくする
抗菌薬 気道の細菌を殺して細菌感染が進行しないようにする

ホノミ漢方の咳・痰のお薬は?

COPDの主な症状である「咳・痰」の改善を図ることのできるお薬として、 ホノミ漢方には、ヒューゲン錠deux」「ヒューゲン顆粒deuxがあります。
ヒューゲン錠deux・ヒューゲン顆粒deuxは、咳や痰を効果的に鎮める生薬を中心に、 素早く咳を鎮めるノスカピンをはじめとした洋薬の成分も配合 したお薬です。

COPDは、咳・痰だけでなく、長引く症状によって体力が低下し、ますます治りにくくなることがあります。
適したお薬は、体質や現在の病状を踏まえて選ぶことが大切です。 まずはホノミ漢方会会員の薬局・薬店の先生方によくご相談の上、あなたに合ったお薬を服用してください。

 

日常生活で気を付けたいことは?

COPDの症状を和らげたり悪化しないようにするために、日常生活の中で、次のような点に気を付け、意識を継続することが大切です。

たばこは吸わないこと1)たばこは吸わないこと

先の原因や治療のところで説明した通り、たばこはCOPDの大きな原因ですので、禁煙が第一です。たばこは止めるようにしましょう。

2)呼吸のしかたを工夫する

COPDでは、肺にたまった空気をうまく吐き出せないため、 吐く息を長くする呼吸法がポイントとなります。以下のような呼吸を意識的に行いましょう。

  1. 口すぼめ呼吸
    鼻から息を吸い、口笛を吹くときのように口をすぼめ、吸う時間の2倍位の時間をかけてゆっくりと空気を吐き出します。
  2. 腹式呼吸
    息を吸うときにお腹を膨らませ、ゆっくりとお腹をへこませながら空気を吐き出し、深い呼吸をします。
3)栄養を補う

栄養を補うCOPDが進むと、やせてくる傾向があり、栄養不足から体力が低下して風邪などを引きやすくなります。高たんぱく・高エネルギーのものを食べて、エネルギーを補うことを心がけましょう。
ただ、食べ過ぎると、膨らんだお腹が胸を圧迫して息苦しさが悪化しますので、少しずつ回数を多く食べる方法をとりましょう。

4)適度に身体を動かす

適度に身体を動かすCOPDの人は、息切れがするため身体を動かさないようになり、筋肉や関節が硬くなりがちです。
激しい運動は禁物ですが、適度に運動して身体をほぐすことも必要です。 おすすめは「ウオーキング」で、1日20~30分程度、無理のない範囲で行いましょう。