学術部/研究職

髙木 宏起Hiroki Takagi

2017年4月 入社

京都薬科大学 薬学部 卒業

この会社に決めた理由は何ですか?

 大学の病院実習において、薬の副作用で苦しむ人を見た経験から、深刻な病気になるよりも早期に患者さんにアプローチする方法はないかと考え、当時興味のあった漢方薬に目を向けました。漢方薬には「個々に合わせたオーダーメイド処方で病気になりやすい体質自体を改善する」という考えがあり、病気の治療だけでなく、予防的側面を含んでいることからも、漢方薬を通じて慢性疾患に悩む人々の健康に寄与したいと考えるようになりました。 そこで、就職活動をする中で剤盛堂薬品(株)に出会い、独自の生薬製剤を製造していること、病人様のことを第一に考えた誠実な姿勢に魅力を感じました。加えて、メーカーの立場でありながら、電話を通じてお客様のお身体の相談に乗ることができ、大学で学んだ薬学の知識も活かせると考え、入社を希望しました。

入社前と入社後で印象の違いはありますか?

 私が剤盛堂薬品に入社前、説明会や面接で抱いた印象は「自社製品にブレない自信と誇りを持っている会社」です。この印象は、入社した現在も変わっておりません。私自身、これだけ多くの特長ある製品を製造しているメーカーで働けていることを嬉しく思います。 また、学術部の仕事に関しては、文章を書く仕事の性質上、想像していた以上に文系寄りであることにギャップを感じました。臨床現場で求められる能力とは、全く違うことに戸惑いを感じることはありますが、読み手を意識した客観的視点や論理的な文章構成力など、自分に足りない能力を伸ばせる環境に巡り合えて、幸運であると感じています。

上司・先輩はどのような人ですか?

 和歌山という土地柄もあってか非常に穏やかな人が多いと感じます。その上、みなさん非常に優しく、私が仕事がうまくできず悩んでいる時にも相談に乗って頂くなど、安心して働くことができる環境です。また、何よりも人生経験豊富な方が多い為、人として大切なことは何かなど仕事以外の面でも勉強になることが多いです。

入社してからの失敗はありますか?

 学術部では、消費者や薬局・薬店の先生方からの問い合わせを受けています。身体の相談だけでなく、製品の使用上の注意や有害事象報告、疾患調査の依頼など幅広い対応が求められます。その中で、製品や漢方に関する知識が不十分で自信なさ気に対応してしまい「本当に大丈夫なんですか?」と不信感を与えてしまったことがありました。医薬品を取り扱う以上半端な知識ではいけないと反省し、自身でまとめ資料を作成したり、次にどう活かすかを考えるように心掛けています。また、電話でのコミュニケーションは声の高さ・トーン・速さ等に依存しますので、相談業務において「しっかり聞いてくれている」と感じてもらうにはどうしたらよいか、先輩からアドバイスを受けつつ実践しています。

入社してから一番嬉しかったことは何ですか?

 弊社には、病院での治療が困難であったり、体質から治したいと思う 方が、口コミやネットをみて、電話をしてこられます。以前、認知症の 母親をもつ女性から「認知症に効く漢方があると聞いたのですが、どういう ものですか?」と問い合わせを受けたことがあります。弊社が独自に行った 認知症モデルマウスにおける薬理実験や過去の改善例、考えられる作用を お伝えすると「詳しく調べてくれてありがとう。よくわかりました」という お言葉を頂き、商品を購入したいとのことで薬局紹介に繋がりました。 エビデンスに基づいた西洋薬が主流の現代では、経験的処方と考えられる漢方薬は敬遠されがちですが、西洋薬治療を諦めて漢方薬を飲み始める方も多いと思います。そういった方が少しでも安心して服用し、効果を実感して頂けることが、私のやりがいです。