女性の便秘

01毎日毎日食事をしているのに、何日たっても便が出ないと不安…。
こうした「便秘」の悩みは、右のグラフからも分かります通り、女性のほうが圧倒的に多く、男性の約2倍!

そこで今回は、なぜ便秘は女性に多いのかを踏まえながら、『女性の便秘』をテーマにお話していくことにしましょう。

女性が便秘に悩まされやすい理由とは?

なぜ女性は便秘に悩まされることが多いのか、まずはその要因 について見ていくことにしましょう。

02女性ホルモンの影響

女性ホルモンの「黄体ホルモン(プロゲステロン)」は、大腸の蠕動運動を抑える作用があります。そのため、黄体ホルモンの分泌が活発になる排卵~月経までの期間になると、便秘しやすくなります。

筋力不足

一般的に、男性に比べて女性の方が腹筋の力が弱いものです。腹筋は便を外に押し出すのに必要な筋肉で、その力が弱いため、便秘になりやすくなります。

ダイエットと水分不足

ダイエットに取り組む女性は多く、食事を制限することによって便のかさが減りますし、食物繊維や水分の摂取量も減るため、便が硬くなってしまい、出にくくなります。

また、便秘のタイプは、次のように大きく2つに分けられますが、②のタイプのように、子宮筋腫など女性に起こる病気が便秘の原因になっていることもあり、便秘以外に、月経痛がひどかったり経血量が多いといった症状がある場合には、医療機関を受診し、病気の治療を優先することが大切です。

①機能性便秘

最も多い便秘のタイプで、生活習慣やストレス、加齢などによって、腸の働きが鈍くなったり、けいれんするなどして腸の機能が悪くなって起こる。

②器質性便秘

腸で炎症性の病気(潰瘍性大腸炎やクローン病など)を起こしたり、腫瘍(ポリープなど)ができるなどして腸管内が狭くなり、便がスムーズに通過できないために起こる。
女性では、大腸の前に子宮があるため、子宮筋腫などがあると便の通り道が狭くなって、便秘が起こる。

便秘の原因は腸の働きが悪いから?

便秘の原因は「腸の働きが悪い」ことにあると思いがち…。
ところが、それだけはありません。
他にも、次のような原因が関係し、便秘の改善には、それらを踏まえた対策をとることが大切です。

image006胃の働きが悪い

胃酸の出が悪い場合は、食べた物がうまく消化されず、腸で異常発酵を起こして下痢になることがありますが、逆に胃酸が多い場合は、便秘を起こしやすくなります。

胆汁の生成や分泌が低下する

胆汁は肝臓で作られ、腸の中で食べ物の消化を促したり、大便の滑りを良くする潤滑油のような働きをしています。そのため、胆汁の生成や分泌が低下すると、便秘が起きやすくなるのです。

腹部の血行が悪い

腹部の血液の流れが悪くなると、腸に十分な栄養が行き渡らなくなり、腸の働きが低下してしまいます。
とくに女性の場合は、腹部に子宮や卵巣があり、これらの臓器に乱れが生じると、腹部で血行不良を起こしやすくなり、便秘の原因になります。

自律神経のバランスが乱れる

腸の運動は自律神経によって調節されています。そのため、精神的なストレスなどで自律神経のバランスが乱れると、腸がうまく働かなくなり、便の出が悪くなります。

ホノミ漢方の便秘対策は?

ホノミ漢方には、生薬の働きを活かし、先の便秘の原因を踏まえた対策がとれるお薬があります。

それはハニドールです。 

ハニドールを構成する成分をご紹介します。

原因に対する働き 構成成分
腸に適度な刺激を与え、大便を先に進める 大黄
大便の表面を軟らかくし、排便をスムーズにする ジオクチルソジウムスルホサクシネート
胃の調子を整える 牛胆・厚朴
胆汁の分泌を促す 牛胆
腹部の血行を良くする 芍薬
自律神経の働きを整え、腹部の張りを鎮める 枳実・厚朴

ハニドールは、単に腸を刺激して排便を促すお薬ではなく、便秘を起こす様々な原因を考えて作られたお薬です。

また、女性の場合は腹部の血行が悪くなりやすいものです。
そこで、血行を良くしていく生薬を中心にしたエッキ錠をうまく活用する方法もあります。

服用に際しては、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店にご相談下さい。

こうしたお薬の服用に加え、日頃の養生も便秘対策に必要です。
日常生活の中で、次のような養生法を心がけましょう。

 

便秘改善に必要な養生法は?

061)無理なダイエットはしない

ダイエットで食事を抜いたり、食事の量を極端に減らしたりすると、便の量が少なくなり、腸への刺激が弱くなってしまいます。
食事は1日3食、規則正しくきちんととるようにしましょう。

072)食物繊維を積極的にとる

食べ物に含まれる食物繊維は、胃や腸で消化・吸収されずに大腸へと進み、腸内の水分を集めて便の量を増やしたり、適度な軟らかさに保つ働きがあります。
食物繊維は野菜や豆類、海藻類に豊富に含まれていますので、積極的にとるようにしましょう。

083)適度に身体を動かす

身体を適度に動かすことによって、全身の血行が良くなり、腸の働きが活発になりますし、腹筋の力が高まってきて、排便しやすくなります。
また、運動は気分転換にもなるため、精神的ストレスを発散する上でも有効です。

加齢に伴う骨の病気

image001image002近年、急速な高齢化を背景に骨の病気が増えています。
中でも代表的なのが「骨粗鬆症」…
骨の中がスカスカになって、骨がもろくなるこの病気は、ちょっと転んだだけでも骨折を招いてしまい、不自由な生活を強いられることになりますので、軽く見てはいけない病気です。

そこで今回は、この『骨粗鬆症』についてお話しします。

骨の強さを決める要素とは?

骨の強さは、『骨密度』『骨質』の2つの要素によって決められます。

骨は一度作られたらそのままというわけではなく、古くなった骨は壊され、新しい骨が作られるという骨代謝を絶えず繰り返しています。
骨を破壊する働きは「破骨細胞」が、新しい骨を作る働きは「骨芽細胞」が担っており、これらの働きがバランスよく行われることで、「骨密度」は良い状態に保たれます。
一方、「骨質」は、骨の材料となるコラーゲンが関係していて、これら2つの要素が両方満たされてはじめて、丈夫な骨ができるというわけです。

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骨粗鬆症の原因は?

骨粗鬆症は、先程の骨の強度を決める「骨密度」と「骨質」の低下が原因で起こります。
では、なぜ骨密度や骨質が低下してしまうのか、その様々な要因について見ていくことにしましょう。

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骨密度は、20歳ごろにピークに達し、40歳代半ばごろまではその状態が維持されますが、その後、年齢とともに低下してきます。
年をとると、食事量が落ちてくるため、骨の材料になるカルシウムや、腸からのカルシウム吸収に必要なビタミンDの摂取量不足などが関係しています。


女性ホルモンの低下

骨粗鬆症は、女性に多く(男性の約3倍)、中でも50歳を超えると急激に増えるのですが、その背景に、女性ホルモンの低下があります。
女性ホルモンのエストロゲンには、骨を壊す破骨細胞の働きを抑える作用があるため、閉経を迎えエストロゲンの分泌が低下すると、バランスが骨を壊す方に傾き、骨密度が急に減少してくるのです。


生活習慣

骨粗鬆症は、“骨の生活習慣病”とも呼ばれるくらい、生活習慣と密接に関係しています。 

  • 偏食や無理なダイエット…骨に必要な栄養素(カルシウムやビタミンDなど)が不足します。
  • 運動不足運動不足…骨に十分な刺激が与えられないと、骨が弱くなります。
  • 喫煙…タバコはエストロゲンの作用を抑制するため、骨を壊す破骨細胞の働きが活発になります。
  • 飲み過ぎ過度の飲酒…アルコールを多量に摂取すると、骨を作る骨芽細胞の働きが抑えられ、骨の形成が不十分になります。

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とくにステロイド薬を長期に使用した場合に注意が必要です。
ステロイドは、新しい骨を形成する骨芽細胞の働きを邪魔したり、カルシウムやビタミンDの吸収を抑制する働きがあるためです。


病気

「関節リウマチ」や「糖尿病」などの生活習慣病が、骨粗鬆症を招くとされています。
関節リウマチでは、全身の関節に炎症が起こるため骨が弱くなり、糖尿病の場合は、骨芽細胞の働きが抑えられたり、体内に活性酸素が過剰にでき、その酸化ストレスによって骨質に異常が生じやすいと考えられています。

骨粗鬆症が招く病気は?

骨粗鬆症が進んで骨がもろくなると、身体の重みやちょっとした衝撃で背骨を「圧迫骨折」したり、転倒して、大腿骨の付け根や手首、腕の付け根などを骨折し、場合によっては入院や手術をしなくてはなりません。
圧迫骨折は、必ずしも痛みが現れるわけではありません。身長が縮んだり、背中や腰が曲がってきている場合には、気づかないうちに圧迫骨折を起こしている可能性があります。

この他にも、骨粗鬆症は、次のような病気に関係していることが知られています。

逆流性食道炎

背骨で圧迫骨折を起こして背中が曲がってしまうと、おなかの内圧が上がるため、胃液が逆流して食道に炎症を起こすことがあります。

動脈硬化

骨の主な材料である「カルシウム」は血液中にも存在し、心臓を動かす働きなどに関係しています。ところが、血液中のカルシウムが多すぎて血管壁に沈着すると、動脈硬化を引き起こしてしまいます。 例えば、ビタミンDが不足してカルシウムの吸収が不足した場合、身体はそれを補おうとして、骨から血液中にカルシウムがどんどん放出されます。すると、血液中のカルシウムが増えすぎてしまい、余った分が血管壁に沈着して動脈硬化を招くのです。

病院での対策は?

image008骨粗鬆症の治療は、「薬物療法」が中心です。

過去、大腿骨の付け根や背骨に、ちょっとした負荷がかかっただけで骨折(脆弱性骨折)を起こした経験がある人は、骨折を繰り返す可能性があるため、お薬が勧められます。

骨折経験がない場合は、若年成人の骨密度の平均値(YAM)を基準に、骨密度がその70%未満になると、骨粗鬆症と診断され、薬物療法が行われます。
また、YAMが70%以上80%未満でも、次の3つの条件のうち1つでも当てはまると、薬物療法が開始されます。

 ①大腿骨の付け根や背骨以外に、脆弱性の骨折がある
 ②大腿骨の付け根や骨折した親がいる(遺伝的な要因)
 ③WHO作成の骨折リスク評価値(FRAX)※の数値が15%以上

※今後10年間で骨折がどのくらいの確率で起こるかを評価するもの

骨粗鬆症に用いられる薬
代謝のバランスを整える薬 ビスホスホネート薬 骨を壊す「破骨細胞」の働きを抑える
SERM(サーム)
(選択的エストロゲン受容体調節薬)
エストロゲンと似た働きで、「破骨細胞」の働きを抑える
ビタミンK 骨を作る作用と、骨質をよくする作用がある
副甲状腺ホルモン薬(注射) 骨を作る「骨芽細胞」の働きを強める
骨に必要な栄養素を補う薬 カルシウム薬
活性型ビタミンD
骨の健康に必須の栄養素であるカルシウムやビタミンDを補う

ホノミ漢方における対策は?

パナパール パナパール錠
骨粗鬆症は、年を重ねるにつれて起こってくることから、闘病エネルギーを湧かせながら、胃腸機能を活発にすることでカルシウムの吸収能力を高め、加えて血行やホルモンバランスを整えることが大切になります。

そのために、ホノミ漢方には、
パナパール・パナパール錠というお薬があります。

パナパール、パナパール錠を構成する生薬は

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骨粗鬆症への効果に関する実験も行っていますので、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店の先生方にご相談下さい。

日常生活での対策は?

加齢とともに骨が弱くなることは避けられません。
しかし、日頃の生活で、骨質や骨密度の低下を抑える努力を続ければ、十分な「骨貯金」ができ、骨の健康を守ることが可能です。

1)骨に必要な栄養素を積極的に摂るimage016

丈夫な骨を作るため、次のような栄養素を毎日摂るようにしましょう。

  • 骨の材料 カルシウム…牛乳や乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)、骨ごと食べられる魚、大豆製品に多く含まれ、中でも乳製品は吸収率が高い
  • カルシウムの吸収を高める ビタミンD…さけ、うなぎ、さんまなどの魚類や干ししいたけに豊富
  • 骨作りを助ける ビタミンK…納豆や緑黄色野菜などに豊富
  • 骨や筋肉のもと たんぱく質…肉や魚、卵、大豆製品などに豊富
2)運動をするimage009
  • 骨にカルシウムを蓄えるためには、骨に体重をかけ、刺激を加えることが必要です。
  • お勧めは「ウォーキング」。のんびり歩くのではなく、姿勢をまっすぐに伸ばして、歩幅を広く、リズミカルに歩くことがポイントです。
  • 身体がふらついたり、足元が不安定な状態があると、ウォーキング中に転倒する恐れがあります。そのような場合、室内で安全な運動をするだけでも効果があります。
3)日光浴をするimage012
  • 食べ物から得たビタミンDは、活性化させることで、カルシウムの吸収を上げることができます。
  • その活性化を促すのが「日光浴」。夏は木陰で30分、冬は1時間、身体に日光を浴びることで、カルシウムを効率よく吸収できます。

アトピー性皮膚炎

image001「アトピー性皮膚炎」とは、皮膚に強いかゆみを伴う湿疹ができ、一般に症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な疾患です。
本来は乳幼児に起こる皮膚病の代表であり、以前は小学校の低学年でほとんど治ってしまう病気だとされていました。ところが最近では、20~30代の大人のアトピー性皮膚炎も珍しくなく、子供の頃から成人まで症状が続いている人や、また思春期を過ぎてから再発する人もいます。
そこで今回は、多くの人を悩ます慢性的な皮膚病『アトピー性皮膚炎』についてお話しすることにしましょう。

皮膚炎体質

アトピー性皮膚炎を起こす人というのは、もともと皮膚に炎症を起こしやすい体質的な素因「皮膚炎体質」を持っています。この皮膚炎体質には、次のように「アレルギー体質」と「ドライスキン」の2つが関係しています。

①アレルギー体質

アレルギー体質とは、ダニや花粉などの異物が体内に入ったときに、アレルギー反応の原因となる「IgE抗体」を作りやすい体質のことを言います。例えば、このアレルギー反応による症状が気管支に出やすい人は「ぜんそく」になったり、また鼻に出やすい人は「花粉症」を発症したりします。アトピー性皮膚炎の人は、皮膚にアレルギー症状が出やすいタイプであると言えます。

②ドライスキン

図『きょうの健康』より

図『きょうの健康』より

皮膚の表面を覆っている「角質層」には、皮膚の水分の蒸発や外部からの刺激を防ぐ「バリア機能」が備わっています。しかし、肌が著しく乾燥している「ドライスキン」では、角質層がはがれやすかったり、角質層の細胞間に隙間ができたりして、皮膚のバリア機能が低下しています。そうすると、外からアレルゲンなどさまざまな刺激物質が侵入して皮膚炎を起こしやすくなります。

アトピー性皮膚炎を悪化させる要因

アトピー性皮膚炎は、このような皮膚炎体質が元にあり、ここに次のような「悪化させる要因」が加わることで発症します。悪化要因の中でどれに反応するかは人によって異なりますが、皮膚炎を起こしている人は日頃の生活の中で考えられる要因を減らす工夫が大切になります。

皮膚炎を悪化させる要因
  • ストレス
  • 体調不良
  • 温度変化
  • 湿度(乾燥)
  • 紫外線
  • 発汗
  • 石鹸、シャンプー
  • 化粧品
  • 食べ物
  • ダニ、ホコリ
  • 衣服
  • 手でかくこと など

病院での治療

image003アトピー性皮膚炎に対する病院での治療は、主に「ステロイド外用薬」を使った症状を抑える対策が中心です。ステロイド外用薬は、皮膚の炎症を抑えかゆみを鎮めるのに適したお薬です。
ただ、「皮膚が薄くなる」「毛細血管が拡張する」などの副作用を心配して、使用することに抵抗を感じている人もいます。
また、そもそも病院での治療の目的とは、外用薬などを使って日常生活に影響しない程度に症状を抑え、病気とうまく付き合っていく方法を考えることにあり、アトピー性皮膚炎の完治を目指しているわけではありません。病院のステロイド外用薬を使い続けたとしても、皮膚炎を起こす体質が改善されるわけではないのです。

ホノミ漢方における対策

そこで、アトピー性皮膚炎など、皮膚炎を起こしやすい体質を改善するのであれば、漢方の考え方も取り入れた治療を行っていく必要があります。
ホノミ漢方には、かゆみや炎症を伴うようなアレルギー性の皮膚病の体質を改善するお薬として、
アクトマンがあります。
アクトマンは、アレルギー反応を抑制して皮膚の炎症やかゆみを鎮め、また血行を良くして皮膚炎や湿疹などの皮膚症状の回復を促してくれる働きがあります。

アクトマンアクトマンの構成生薬

  • 皮膚の炎症・かゆみを鎮める
    (オウレン・オウゴン・オウバク・サンシシ・サイコ)
  • 血行を良くする
    (トウキ・センキュウ・シャクヤク・ジオウ)
  • アレルギー反応を抑制する(カンゾウ)

治療効果を高めるスキンケア

アトピー性皮膚炎は長期に渡って治療が必要となりますが、これらの治療効果を高めるためには日頃のスキンケア対策がとても重要になります。そこで、アトピー性皮膚炎を治療する上で大切なスキンケアのポイントをいくつかご紹介しましょう。

1)正しい入浴法を身に付けましょう
  • image004入浴やシャワーで皮膚を清潔に保つことは大事ですが、体を洗うときにはゴシゴシこするのではなく、石鹸をよく泡立てて手の平などで優しく洗うようにしましょう。
  • 石鹸やシャンプーも洗浄力の強いものは避け、肌への刺激が少ないものを選ぶようにしましょう。洗った後も石鹸の成分が残らないように念入りにすすぎましょう。
2)入浴後の保湿を忘れずに
  • image005入浴後は皮膚が水分を吸収していますが、短時間で蒸発してしまいます。乾燥を防ぐために、できれば肌に潤いが残っている入浴後5分以内に保湿剤を塗るようにしましょう。
  • 保湿剤は1日に何回塗っても構いませんので、皮膚が乾燥してきたと感じるときに、たっぷりと(ベトベトした感じが残る程度に)塗りましょう。
3)ストレスにも注意
  • image006かゆみを我慢してストレスになったり、かゆみがひどくて夜に眠れなくなるのも良くありません。かゆみがひどいときには、かゆみ止め外用薬も使用してかゆみを抑えましょう。

花粉症と治療薬

image001今や国民病とも言える存在になった『花粉症』。 特に、スギ・ヒノキをはじめとする花粉が大量に飛散する春先は、花粉が原因となるアレルギー性鼻炎でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
近年では、医療用からシフトしたスイッチOTCと呼ばれる一般用医薬品として、 数々の鼻炎薬が登場し、テレビCMでも注目を集めています。 

そこで、今月は『花粉症と治療薬』についてお話しすることにしましょう。

花粉症の発症ステップと主な症状

花粉症は、特定の植物の花粉に繰り返し接触することで、その花粉を身体が異物(アレルゲン)と認識し、過剰な防御反応を引き起こすアレルギー疾患です。花粉症は、次のステップで発症します。

花粉症の発症ステップ

image002①身体が花粉を抗原と認識すると、花粉に対する抗体(IgE抗体)が作られる。

② IgE抗体が、鼻や目の粘膜にある肥満細胞に結合する。

③ 再び体内に侵入した花粉が、肥満細胞に結合したIgE抗体と結合すると、肥満細胞から化学伝達物質 (ヒスタミン等)が放出される。

④ 化学伝達物質が、花粉を身体から排除しようとして、花粉症の症状が起こる。

主な症状

花粉症では、代表的な次のアレルギー性鼻炎の症状の他、目の痒み、肌あれ、喉のイガイガ感等を起こすことがあります。

くしゃみ

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鼻水

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鼻づまり

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鼻粘膜には、自律神経交感神経副交感神経)が分布していて、血管に流れる血液の量を調節したり、鼻の分泌腺からの分泌を調節しています。鼻粘膜には知覚神経もあり、知覚神経が肥満細胞から出されるヒスタミンの刺激を受けると、くしゃみが起こります。また、このヒスタミンによる知覚神経への刺激が、分泌腺からの分泌をコントロールする副交感神経に及ぶと、分泌腺からの分泌が盛んになり鼻水が出る様になります。さらに、ヒスタミンは鼻粘膜の血管にも作用して、血管の拡張や血液の循環障害を起こすことで鼻粘膜を腫らすため、鼻づまりが起こります。肥満細胞から放出される化学伝達物質には、ロイコトリエン等もあり、これらも鼻水や鼻づまりを引き起こす原因になっています。

現代医学の治療は…

image006花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎の治療では、症状を軽減する対症療法として、抗ヒスタミン薬がよく使用されます。
抗ヒスタミン薬は、大きく次の様なタイプに分けられ、市販の鼻炎薬にも配合されています。

分類 第1世代 抗ヒスタミン薬 第2世代 抗ヒスタミン薬
主な成分
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩
  • クレマスチンフマル酸塩 等
  • 塩酸アゼラスチン
  • ケトチフェンフマル酸塩
  • エピナスチン塩酸塩
  • フェキソフェナジン塩酸塩
  • セチリジン塩酸塩 等
作用 肥満細胞から放出されたヒスタミンが神経や血管のヒスタミン受容体に結合しない様、先回りしてブロックするタイプです。 第1世代の抗ヒスタミン作用に加えて、主に肥満細胞の細胞膜を強くしてヒスタミン等を放出し難くする「抗アレルギー作用」を併せ持っています。
特徴
  • ヒスタミン受容体をブロックし、くしゃみ、鼻水に効果があります。
  • 第2世代より即効性が高い。
  • 眠気を感じることがあるため、車を運転する人は注意が必要です。
  • 放出された化学伝達物質をブロックするのではなく、放出そのものを抑えるため、予防的効果が期待できます。
  • 効果が長く持続します。
  • 第1世代に比べ、眠気の副作用が少ない。
  • 効果が出るまで時間がかかるため、花粉飛散の2週間前から服用を開始し、シーズン中は継続する必要があります。
  • 副作用に「肝機能障害」がある成分もあり、代謝機能が落ちた高齢者には注意

 

花粉症と治療薬 Check 市販の鼻炎薬に多いタイプは??

主な市販の鼻炎薬は、第1世代抗ヒスタミン薬に、血管を収縮させて鼻粘膜の腫れを緩和する交感神経刺激薬(プソイドエフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩等)と鼻水を止める副交感神経遮断薬(ベラドンナ総アルカロイド等)を組み合わせた鼻炎薬が一般的です。しかし、次の注意も知って、自分に合ったお薬を選ぶことが大切です。

交感神経刺激薬の注意
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副交感神経遮断薬の注意
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漢方では…

「花粉症」の効能があることから、花粉症の治療に小青竜湯が使われることがあります。
ところが、小青竜湯には、上記の「交感神経刺激薬」と同じ様に働くエフェドリンという成分を含む「麻黄」という生薬が配合されています。花粉症と治療薬

麻黄は、交感神経を刺激して、鼻水や鼻づまりを鎮める効果がありますが…、「心臓の弱い人、血圧が高い人、胃弱者、虚弱者」に注意が必要ということもお忘れなく!
小青竜湯は、胃・心臓等が弱い人に向かない漢方薬なのです。

ホノミ漢方では…

こうした一般の花粉症対策を踏まえ、より安心で即効性のあるアレルギー性鼻炎対策を考えますと…、漢方薬と西洋薬の利点を上手く取り入れる方法もあります。

ホノビエン錠deuxホノミ漢方には、アレルギー性鼻炎を改善するお薬として、
ホノビエン錠deux(ドゥ)」があります!

ホノビエン錠deuxは…

  • アレルギー反応を抑制する … サイシン、カンゾウ
  • 血行を盛んにして、鼻粘膜のうっ血や化膿からの症状を改善する … ケイガイ、ビャクシ
  • 鼻の塞がりを取る … シンイ
  • 自律神経の働きを盛んにする … ショウキョウ
  • アレルギー性鼻炎の原因となるヒスタミンを抑える … d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
    (抗ヒスタミン剤による眠気防止に、カフェインも配合しています)

の8種類の成分の働きを活かしたお薬です。

『花粉症』を予防するための養生法

1)アレルゲンとの接触を避けましょう!

・ アレルゲンとなる花粉を避ける日常生活を意識しましょう。

  • 外出時は…
    風邪2– 花粉飛散量が多い日の外出は控える。
    – 外出する前に、マスクやメガネを着用する。
    – 家に入る前に花粉を払い落す。
    – 帰宅後は、手洗い・洗顔・うがいを!
  • 屋内では…
    – 洗濯物は、なるべく屋内に干す。
    – 部屋を乾燥させない様にする。
image0132)鼻の粘膜の防御機能を下げない生活習慣を!
  • ストレスや睡眠不足は、身体が異物を取り除く防御機能を下げてしまいます。
  • 趣味を楽しみストレスを解消すること、十分な睡眠で体力を蓄えることが大切です。
image0143)胃をいたわる食習慣を!
  • 漢方の「 陰陽五行説(いんようごぎょうせつ) 」という考え方によりますと、鼻と胃は密接に関係していて、鼻の病気を治すためには、胃を整えることが大切とされています。
  • 暴飲暴食等、胃に負担がかかる食習慣は、避けましょう。

月経前症候群(PMS)

image006月経の前になると、イライラしたり、お腹や腰が痛くなったり、眠気が起きたり…。皆さんもこのような経験はありませんか?
月経前につらい症状が現れるのは当たり前だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのような月経前の心身の不調は「月経前(ぜん)症候群」という病気の1つとして捉えられています。
現在、月経前にこうしたさまざまな不調を訴える女性は非常に多く、ある調査によると、20~40代の女性の約9割もの人がこの月経前症候群を経験したことがあると答えているそうです。
そこで今回は、多くの女性を悩ます病気『月経前症候群』についてお話しすることにしましょう。

月経前症候群とは

月経前症候群とは、月経の3~10日前からさまざまな精神的、身体的症状が現れ、月経開始とともにこれらの症状が消えるような状態をいいます。英語では”PMS”(Premenstrual Syndrome)と呼ばれ、また以前は「月経前緊張症」という名前で呼ばれていました。
月経前症候群で見られる症状は多岐にわたりますが、主に次のような精神的症状、身体的症状が現れてきます。

精神的症状 身体的症状
  • イライラ感
  • 眠気や不眠
  • 集中力の低下
  • 気持ちがふさぐ
  • 情緒不安定
  • 不機嫌    など
  • 下腹部の痛みや膨満感
  • 乳房の張りや痛み
  • 脱力感
  • 腰痛
  • 頭痛
  • 肩こり
  • めまい
  • 耳なり
  • 食欲増進
  • 便秘・下痢
  • にきび・吹き出物
  • 手足のむくみ    など

このような症状を経験した女性のほとんどは月経前症候群に対してストレスを感じているようで、この影響から「人に不機嫌な態度を取ってしまった」「物や人にあたってしまった」「月経前症候群が原因で仕事を休みたいと思ったことがある」など、人間関係や社会生活にも影響が出ていると感じている女性も少なくないようです。

月経前症候群の原因

月経前症候群が起こる原因はまだはっきりと分かっていないのですが、次の2つの要因が関係しているのではないかと考えられています。

①ホルモン分泌の変化

症状が現れる月経の3~10日前というのは月経周期の中の高温期(黄体期)に当たり、この時期は女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が大きく変化する時期になります(右図参照)。このホルモン分泌の変動が心身に何らかの影響を与えているのではないかと考えられています。

②ストレスによる影響

もう一つの要因はストレスなどの精神的要素です。ストレスが加わると女性ホルモンの分泌が乱れるだけでなく、自律神経の働きにも影響します。自律神経は内臓や分泌腺など身体のさまざまな働きをコントロールしているので、自律神経が乱れることで心身にいろんな症状が現れてきます。

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病院での治療

image004このような月経前症候群の症状に対して、病院では主に「ホルモン療法」が行われます。これは、ピル(経口避妊薬)などを使用して月経前に変動するホルモン分泌を一定にコントロールするという治療法です。また、他にも精神的な症状の改善に「抗不安薬」や「抗うつ薬」が使用されることもあります。

しかし、これらの治療法はあくまで症状を緩和するだけの対症療法に過ぎません。現代医学では月経前症候群の原因自体がまだ明確でないため、残念ながら根本的に治療する方法は確立されていないようです。

ホノミ漢方における対策

現代医学では原因不明といわれるような病気であっても、漢方の考えに基づいた治療を行っていくことが可能です。特に、月経前症候群を含め女性に起こりやすいさまざまな病気「女性病」の改善には、広く漢方薬が活用されています。

月経前症候群は、漢方では血(血行・ホルモン)の乱れを中心に、気(神経の働き)の乱れ、水(水分代謝)の乱れが影響して起こっていると考えられています。 そこでホノミ漢方には、この中でも重要な「血の乱れ」、つまり血行不良やホルモンバランスの乱れを整えるための
“女性病のお薬”エッキ錠があります!

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生活習慣で気を付けること

月経前症候群は、生活習慣を改善することによっても症状を緩和させることができます。漢方の力で身体の中のホルモンバランスを整えながら、日頃の生活の中では次のようなことに気をつけておきましょう。

 image0061)カフェイン、塩分を控えましょう
  • カフェインには神経を興奮させる働きがあるので、月経前症候群の精神的症状を悪化させる可能性があります。コーヒーやチョコレートなど、カフェインを多く含む飲み物や食べ物はなるべく避けるようにしましょう。
  • 塩分を控えることで体内に溜まっている水分量が減るので、月経前症候群によるむくみを改善することができます。
image0072)カルシウム、ビタミンB6の摂取を増やす
  • カルシウムを十分に摂取することで、月経前症候群の身体的・精神的症状が軽減されます。
  • また、ビタミンB6も月経前症候群の症状を緩和させるといわれているので、摂取を増やすようにしましょう。
image0083)ストレスを解消しましょう
  • 月経前症候群は、ストレスなどの精神的な要因が大きく関係しています。あまり体調の細かな部分ばかりを気にしすぎず、趣味や好きなことに集中してストレスを解消することも大切です。
  • 適度に身体を動かすこともストレス発散につながるので、定期的に有酸素運動を行うのも良いでしょう。

糖尿病

かき・くり・新米、サンマにきのこ…季節は秋。食べ物がおいしい時期になりました!
食事の量もついつい増えて、「最近体重が…」「メタボ気味かも…」と心配されている方も多いかもしれません。
そこで今回は、生活習慣病の中でも特に肥満と関係の深い「糖尿病」について紹介しましょう。

血糖値が慢性的に高くなるのが「糖尿病」

糖尿病とは、血液中の糖濃度(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。症状が進行すると、尿の中にまで糖が漏れ出てくるため、「糖尿病」と言われています。

糖(ブドウ糖)は、私たちが身体を動かすために大切なエネルギー源であり、ごはんなどの炭水化物が消化分解されて作られます。
食後、糖の吸収によって血糖値が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、細胞への糖の取り込みを促進します。その結果、血液中の糖は減少し、血糖値は一定の範囲に調節されています。

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しかし何らかの理由でインスリンが上手く働かなくなると、糖は細胞に取り込まれにくくなり、血糖値は下がりにくくなって、糖尿病になってしまいます。

糖尿病が起こる理由

では、インスリンが働かなくなるのはどのような場合でしょうか?
大きく分けて二つのケースが知られています。

image0021)インスリン分泌の障害

膵臓からのインスリンの分泌が悪くなる場合です。
日本人は欧米人に比べインスリンの分泌量が少なく、糖尿病を起こしやすい体質であることが最近の研究で分かっています。
この状態に「食生活の乱れ」「運動不足」「ストレス」などが加わることで、さらにインスリンの分泌量が減ったり、糖の取り込みが悪くなってしまうために、肥満やメタボでない人でも糖尿病を発症してしまうことがあります。
家族に糖尿病の人がいる場合には特に注意が必要です。

image003 2)インスリン感受性の低下

インスリンはある程度分泌されているにもかかわらず、糖を取り込む細胞の感受性が低下している状態で、主に肥満によって起こります。
肥大した脂肪細胞は、インスリンの感受性を鈍くする物質を分泌するため、各細胞の糖の取り込みが悪くなり、高血糖状態が引き起こされてしまうのです。

血糖値が高いとなぜ悪いの?

image004血糖値が高い状態が慢性的に続くと、血管に大きな負担がかかり、血管がもろくなってしまいます。そのため、多くの血管が存在する眼や腎臓、さらに脳や心臓に合併症を起こし、最悪の場合には失明や透析、脳梗塞や心筋梗塞につながってしまいます。そのため、早い段階から生活習慣の改善や薬の活用によって血糖値を良好にコントロールする必要があるのです。

糖尿病の診断基準は?

糖尿病は、初期の段階では自覚症状がないため、定期的に病院での検査を受けることが大切です。 糖尿病の診断基準は2010年に改訂され、以下の項目を確認することと定められました。

検査Ⅰ:血糖値

血糖値の測定方法には、10時間以上の絶食の後に測定する「空腹時血糖値」と、一定量のブドウ糖を溶かした液体を服用して2時間後に測定する「ブドウ糖負荷後2時間後値」、さらに空腹かどうかを問わない「随時血糖値」があります。
これらの検査により、「正常型」「境界型(予備軍)」「糖尿病型」が判定されます。

検査Ⅱ:HbA1c(ヘモグロビンA1c)

HbA1cは、赤血球の成分であるヘモグロビンと、血液中の糖が結合した物質です。HbA1cは短期間では増減せず、過去1~2ヵ月の血糖値の平均を反映します。

HbA1cが6.1%以上(※)であると、「糖尿病型」と判断されます。
(※6.1%は日本独自の測定法による基準であり、国際的な測定法による値である6.5%に今後変更される予定になっています。)

糖尿病の診断では、以上2種類の検査を行い、血糖値とHbA1cの両方が「糖尿病型」であった場合に、「糖尿病」と診断されます。
また、血糖値のみ「糖尿病型」でも、糖尿病の典型症状や確実な糖尿病性網膜症があるときには「糖尿病」と診断されます。
血糖値とHbA1cのどちらか片方だけが「糖尿病型」であった場合には、一ヶ月以内に再検査が行われます。

現代医学での治療法は?

image006糖尿病治療の基本は、生活習慣の改善。食生活や運動療法などを行い、日々の生活習慣を見直すことが重要です。生活習慣の改善に取り組んでも改善が見られない時は、薬物療法が行われます。内服薬としては、以下のものがあります。
症状が重い時にはインスリンの自己注射などの治療も必要になります。

種類 作用
糖の吸収を遅くする薬 α-グルコシダーゼ阻害薬 小腸からの糖の吸収を遅らせる
インスリンの
分泌を促す薬
スルホニル尿素薬
速効型インスリン分泌促進薬
膵臓に作用して、インスリンの分泌を促す
インスリンの
働きを改善する薬
チアゾリジン薬
ビグアナイド薬
筋肉や肝臓に作用して、インスリンの働きを良くする
新しい働きの薬 インクレチン関連薬 糖が吸収されるとインスリンの分泌を促すために小腸から膵臓に送られるホルモン(インクレチン)の働きを高める

ホノミ漢方では…

シノミッテルカプセルシノミッテルカプセル画像糖尿病の改善に取り組む方のお薬として、
ホノミ漢方には、「シノミッテルカプセル」があります。

シノミッテルカプセルは、糖尿病や、糖尿病に伴う口渇(口の渇き)などの自覚症状を改善する働きのお薬です。

シノミッテルカプセルは、体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、服用に際しては、ホノミ漢方会会員の先生方とよくご相談ください。

生活習慣で気をつけること

糖尿病の予防・改善のためには、生活習慣の改善が最も大切です。そこで、生活習慣で気を付ける点について紹介しましょう。

適正摂取エネルギー量を守る

食べすぎは肥満や血糖値の上昇を招くため、腹八分目を心掛けることが大切です。
身長・体重から算出される適正摂取エネルギーを一つの目安に考えるのが良いでしょう。

糖尿病1

その他、ゆっくりよくかんで食事をする(満腹感が得られる)、 食物繊維を積極的に摂る(食後の血糖値の上昇を緩やかにする) なども重要です。
糖尿病の治療中の人は、担当医や管理栄養士に相談しながら、 栄養バランスのとれた食事で食生活の改善を図るようにしましょう。

適正摂取エネルギー

標準体重(kg) … 身長(m)×身長(m)×22

×

身体活動量(kcal) … 軽労作(デスクワークが主な人・主婦など)
普通の労作(立ち仕事が多い職業)
重い労作(力仕事が多い職業)
⇒25~30kcal
⇒30~35kcal
⇒35kcal~
ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動を取り入れる糖尿病2

ウォーキングやジョギング、水泳などの軽い有酸素運動 を1日合計30分行うようにしましょう。10分間×3回 のように、分けて行ってもかまいません。また、適度な 運動は継続することで蓄積した脂肪が減り、インスリン が効きやすい身体になってきます。一週間に3日~5日を目安に行うようにしましょう。

その他糖尿病3

節酒・禁煙・ストレス解消を心掛けます。
また、睡眠不足は血糖値上昇の引き金になるため、睡眠をしっかりとるようにしましょう。

歯周病

歯および歯の支持組織の疾患の総患者数
image001平成20年患者調査より

厚生労働省による平成20年の調査結果では、『歯および歯の支持組織の疾患』の総患者数は600万人以上、3年前に比べて6%増加しています。

近年、中高年の8割以上が歯周病を患っていると推測されているものの、早い段階では自覚症状が現れにくいため、進行を見逃してしまっていることも少なくありません。
そこで、今回は『歯周病』についてお話しすることにしましょう。

『歯周病』が起きるしくみ

歯は、歯肉、歯根(しこん)、歯を支える歯槽骨(しそうこつ)、歯と歯槽骨をつなぐ歯根膜(しこんまく)という4つの組織によって支えられています。歯周病は歯周病菌が原因で、この歯周組織に炎症が起こる病気で、次のような段階を踏んで徐々に症状が進行します。

① 歯周病の進行ステップ

  歯周病の進行ステップ ステップの特徴
歯肉炎 image002
  • プラーク(歯周病菌の集まり)が歯と歯肉の境目に付着したまま放置されると、歯肉に炎症が起こります。
  • 刺激時の出血、歯肉の赤み、腫れが見られますが、炎症は歯肉部分だけに起こっています。
歯周炎 ●軽度
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  • 炎症は歯槽骨など歯周組織全体に広がり、歯と歯肉の間の溝が深くなることで、隙間(歯周ポケット)ができるようになります。
  • 軽度では、歯周ポケットは3mm程度で、歯肉からの出血がみられます。
●中等度
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  • プラークが徐々に増え、歯槽骨の溶解が進むと、歯周ポケットはさらに深くなり、排膿が見られたり(歯槽膿漏(しそうのうろう))、歯肉の後退や歯のグラつきが起こり始めます。
  • 中等度では、歯周ポケットは4~6mmです。
●重度
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  • 歯槽骨が溶けてほとんど失われると、歯のグラつきが大きくなり、歯が抜けてしまうことがあります。
  • 重度になると歯周ポケットはさらに深くなり、6mm以上になります。

図『きょうの健康』より

② 歯周病をチェックするには?

歯周病は、自覚症状がないからといって放置しておくと、気付かないうちに進行してしまいます。
できるだけ早く歯周病に気付くために、次の項目に当てはまるかをチェックしてみましょう。

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これらのチェック項目の何れかに当てはまる場合は、歯周病の可能性が疑われます。
歯周病を進行させないためにも、定期的に歯科で状態をチェックしてもらうことが大切です。

③ 歯周病は全身に影響するの?

歯周病は、歯だけの問題と思われがちですが、最近の研究で全身に影響を及ぼす可能性があることも指摘されています。歯周病が関連してリスクが高まると考えられている病気には、次のようなものがあります。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん) 糖尿病 動脈硬化
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  • 食べ物や唾液が誤って気管に入った際、歯周病菌も入ることで、肺で炎症を起こすことがあります。
  • 飲み込む働きが低下しやすい高齢者では、とくに注意が必要です。
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  • 歯周病で増える炎症性の物質は、糖尿病を悪化させる可能性があることが判っています。
  • 慢性的に血糖値が高いと、免疫力も低下するため、歯周病も治りにくくなります。
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  • 動脈硬化は、血管が堅く、狭まり、脳卒中や心筋梗塞にも関連する病気です。
  • 歯周病菌が口の中から血液中に入ると、歯周病菌が影響して動脈硬化が進みやすいことも知られています。

こうした全身への影響を起こさないためにも、定期的に歯茎の状態をチェックし、歯周病による炎症が慢性化しないよう、気を付けましょう。

現代医学では…

歯周病の予防および治療の基本は、プラークを取り除く毎日のケアです。歯肉炎の段階なら、歯ブラシで歯の表面のプラークを取り除けば、健康状態に戻せます。また、歯科では歯周ポケットに入り込んだプラークや歯石をスケーラーという器具で取り除くケアを受けることができます。ただし、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなり、ケアが難しい場合は、手術が必要です。
歯周病は歯周病菌に感染する病気であるため、薬では抗生物質を使う治療を行うことがあります。

ホノミ漢方では…

ワグラスD錠ホノミ漢方には、歯周病における化膿・炎症疾患を改善するお薬として、
ワグラスD錠があります。

ワグラスD錠は…
●排膿を促し炎症を鎮める…キキョウ・キジツ・シャクヤク
●化膿や炎症疾患の回復を早める… タイソウ・ショウキョウ・カンゾウ
の生薬の働きを活かし、歯周病に伴う歯肉の炎症や歯槽膿漏(しそうのうろう)による化膿状態を改善します。

また、歯周病のリスクを高めないように、日頃から次のような『歯周病』を起こしにくくする養生法を取り入れてみましょう。

『歯周病』を予防するための養生法

image0101) 毎日の歯磨きは欠かさずに!
  • 歯周病の進行を防ぐには、毎日の歯磨きで歯に付いたプラークを取り除く必要があります。毎食後、とくに就寝前は丁寧に、歯ブラシで磨き残しがないように磨きましょう。
  • 時間とともに石灰化して歯石が歯に沈着すると、歯磨きでは落とせなくなるため、少なくとも半年に1回は歯科でプラークや歯石を取り除いてもらうのが理想的です。
2) 甘いものは控え、肥満や糖尿病などを招く生活習慣の見直しを!image011
  • 甘いものを摂りすぎる生活習慣は、歯周病菌を増えやすくするため、控えましょう。
  • また、肥満や糖尿病になると、歯周病菌に対する免疫力も低下して、歯周病を進行させやすくなります。
3) 喫煙は避けるようにしましょう!たばこは吸わないこと
  • タバコに含まれるニコチンは、歯肉の血流を悪くしてしまいます。
  • 歯周病の予防や悪化を防ぐためにも、喫煙習慣は見直しましょう。

たんぱく尿

image001尿の中にたんぱくが出てしまう「たんぱく尿」…
たんぱく質は、重要な栄養分であるため、本来は尿に排出されないものですが、腎臓の働きが悪くなると、外に漏れ出てしまいます。
近年、腎臓に悩みを抱える方が増えてきていますので、今回は、「たんぱく尿」の出る仕組みや腎臓病についてご紹介することにしましょう。

腎臓の構造と働き

腎臓は、握りこぶしほどの大きさで、背中側の腰辺りに左右1個ずつある臓器です。
腎臓は、次のような働きによって、身体機能の維持に重要な役割を果たしています。

image002① 血液中の老廃物を尿として排出する

血液をろ過するフィルターの役目をし、体内の老廃物を尿として排泄します。

② 体内の水分量や塩分・ミネラル濃度を調整する

体内の水分が多い時には尿量を増やして排出するなど、体内の水分量を一定に保ちます。
また、体内でのバランスが大切な塩分やミネラルの濃度の調整も行っています。

③ 血圧を維持する

血圧にかかわるホルモン(レニン)などを分泌し、血圧を調整します。

他にも、赤血球の産生を促すホルモン(エリスロポエチン)を分泌したり、骨を強くするのに必要な「ビタミンD」を活性化する働きもありますが、中でもとくに重要なのは、①の働きです。

①の血液をろ過するフィルターの役目を果たしているのが、「糸球体」
糸球体は腎臓の中にある糸玉のように見える毛細血管の固まりのことで、左右それぞれに何と約100万個ずつあります。
体内をめぐり腎臓に入ってきた血液は、栄養分(たんぱく質など)や老廃物が混在しています。
糸球体は、その血液をろ過することによって、栄養分は残し、老廃物は尿として排泄するといった分別を行うのです。

たんぱく尿はなぜ出るの?

糸球体にはろ過機能として、2種類のバリアがあり、それによって栄養分となるたんぱく質はフィルターを通らないようになっています。
2種類のバリアのうち、一つは”チャージバリア“と呼ばれる電気的なバリアで、もう一つは”サイズバリア“です。

チャージバリア 糸球体の膜は電気的にマイナスの状態になっており、血液中のたんぱく質もマイナスに帯電しているため、反発して通らない。
サイズバリア 糸球体の毛細血管の壁にある穴は小さいため、サイズの大きいたんぱく質はその穴を通過しない。

糸球体に障害が起こると、この2つのバリア機能が壊れてしまい、尿中にたんぱく質が出てきます。
その糸球体に障害を起こす病気として、代表的なのが「慢性腎臓病(CKD)」です。

慢性腎臓病とは?

従来は「慢性糸球体腎炎」や「糖尿病性腎症」など個別に呼ばれていましたが、慢性の腎臓病のことを知って早期発見・治療につなげられるよう、1つにまとめて「慢性腎臓病」と呼ばれるようになりました。
慢性腎臓病は、“成人の8人に1人”が抱える病気で、以前は小児や若者に多いといわれていましたが、最近では中高年での発症が増えています。それには、高血圧や糖尿病など生活習慣病の増加が関係していると考えられています。

慢性腎臓病とは、次のどちらか、もしくは両方が3カ月以上続く場合を言います。

  • 尿検査で、尿たんぱくが陽性(+)で、腎臓が障害されている可能性がある
  • 腎臓の機能(eGFR)が60未満※に低下している

※血液検査の結果から、糸球体のろ過量が計算され、腎機能の状態が分かるようになっています。
 60未満の場合は、中等度の腎機能低下~腎不全の状態です。

ステージ 重症度 糸球体ろ過量(eGFR)
1 90以上
2 60~89
3 30~59
4 15~29
5 腎不全 15未満

腎臓は細かい血管が多く集まっている臓器で、糖尿病や高血圧といった生活習慣病が続くと、血管の内壁が傷つけられ、動脈硬化が進行して、心筋梗塞や脳卒中を招く恐れもあります。
いかに早期に気づき、適切な対策をとるか、それが腎臓を守る上で重要なポイントなのです。

慢性腎臓病 特に注意が必要な人は?

腎臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるくらい、障害が起きても 初めのうちは自覚症状がなく、気付かないうちに病気が進行するケースが多いものです。
「むくみ」「だるさ」「吐き気」などの症状が出てきた時には、 腎機能はかなり低下しています。
尿検査能低下が進行して、腎機能が果たせなくなった状態を「腎不全」といい、末期の腎不全になると透析を受けなくてはなりません。

血液検査腎臓からの異常を知らせるサインに早く気付くため、年に1度は、 尿たんぱく検査血液(クレアチニン)検査を受けておくと良いでしょう。

そして、中でも次に当てはまる人は、慢性腎臓病にかかる可能性が高く、進行も早くなる傾向にありますので、とくに注意が必要です。

◎高血圧、糖尿病、脂質異常症、膠原病、肝炎、尿路の病気などの病気がある人
◎メタボリックシンドロームや肥満の人
◎消炎鎮痛薬を常用している人(腎臓の血流が悪くなるためです)
◎慢性腎臓病の家族がいる人
◎60歳以上の人(加齢とともに腎機能が低下するためです)

上記の人の場合は、半年に1度は検査を受けるようにしましょう。

自分でも尿チェック!

排尿後、水で流しても消えないほどの泡立ちがあれば、尿たんぱくの可能性も…
また、薬局などに行くと、尿検査用の試験紙が販売されていますので、それを使うのも良いでしょう。

病院における薬物療法は?

image001病院での薬物療法としては、高血圧や糖尿病といった慢性腎臓病の悪化の原因となる病気に対する治療が中心です。

①血圧をコントロールする

アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を使って血圧を調整します。
これらの薬には、たんぱく尿を抑える働きもあります。

image010②血糖をコントロールする

インスリン製剤や血糖降下薬を使って、血糖を調整します。

ホノミ漢方における対策は?

ジヨッキホノミ漢方には、生薬の働きを活かして、腎機能の改善を図るお薬があります。
それは、ジヨッキです。

ジヨッキは、腎機能を改善していくだけではなく、肝機能を整える働きもあります。

その理由は…
「排泄」を行う「腎臓」と、「代謝」を行う「肝臓」密接な関係にあります。
image011肝臓で代謝された後の老廃物は、腎臓から尿として排泄されますが、腎機能が低下すると、老廃物が排泄し切れなくなります。
すると、残った老廃物が肝臓に戻り、肝臓はさらなる代謝を強いられ、ダメージを受けるのです。ジヨッキは、この悪循環を断ち切る役目も果たしてくれます。

日常生活で気を付けることは?

慢性腎臓病の改善を図る上では、毎日の生活習慣が大切なポイントとなりますので、以下の点を意識した生活を送るようにしましょう。

1) たんぱく質を抑える

たんぱく質は代謝された際にさまざまな老廃物が出るため、摂り過ぎると血液中に老廃物が増えて、腎臓に大きな負担がかかってしまいます。
たんぱく質の摂取量は、1日に体重1㎏当たり0.6~0.8gとされていますが、たんぱく質の摂取を制限すると、かえってエネルギー不足になりますので、その分は、炭水化物や脂質で補うようにしましょう。
注意! たんぱく質の多い食品 ⇒ 肉、魚、大豆製品、牛乳など

2)塩分を控える

image012塩分の摂り過ぎは高血圧を引き起こし、慢性腎臓病を悪化させることになります。 塩分の摂取量は、1日6g未満が目標です。
減塩は、食事を味気なくさせてしまうものですが、酸味や辛味を付けたり、だしを効かせることを意識すると、減塩生活も習慣化できると思います。

3)摂取エネルギー量を適正にする

エネルギーを摂り過ぎると、体内の老廃物や水分を排出するのに、腎臓が過労を強いられるため、負担が大きくなります。
次の計算式に当てはめて、1日の適正摂取エネルギー量を知り、それを超えないよう意識した食生活を送りましょう。

例)60歳男性(平均身長165㎝)で、生活の大部分が座位の場合
  1.65×1.65×22×32≒1917 kcal

1日の適正摂取エネルギー量(kcal)=標準体重※1(kg)×身体活動量※2

※1 標準体重=身長(m)×身長(m)×22
※2 下の一覧から当てはまる数を使う 

身体活動量

  男性 女性
身体活動レベル
70歳以上 28 32 27 31
50~69歳 32 37 31 36
30~49歳 33 39 32 38
18~29歳 36 42 35 41

身体活動レベル

Ⅰ: 生活の大部分が座位で静かな活動が中心の場合
Ⅱ: 座位中心の仕事だが、立って仕事をすることもある、あるいは買い物、軽いスポーツを含む場合

(日本腎臓病学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2007年版」より)

4)カリウムの多い食品を控える

腎臓の障害が進むと、カリウムが排泄されにくくなるため、たくさん摂ると不整脈などを引き起こすことがあります。腎臓がかなり低下している場合、カリウムの摂取量は1日1500mg未満に抑える必要があります。
カリウムは水に溶けやすい成分ですので、カリウムの多い野菜などは水に浸したり、煮物にして煮汁に溶け出させるなど工夫すると、量を減らすことができます。
注意! カリウムの多い食品 ⇒ いも類、生野菜、果物、ナッツ類など

image0135)適度に運動する

血圧を下げたり、糖尿病につながる肥満を解消するために、適度に運動することも大切です。
ただし、長時間の運動や急激な運動は、腎臓への血流を悪化させることがあるため、注意しましょう。

アルコール性肝障害

image001暑い夏が始まると、冷たいビールのおいしい季節になってきます。暑気払いやお盆の行事、夏祭りなど、皆でお酒を飲む機会が多くなりがちですが、飲みすぎには充分ご注意を!

アルコールは「百薬の長」とも言われ、適量なら健康に良いという一面を持っているのですが、大量に摂取すると肝臓をはじめ膵臓やその他体中の多くの臓器に悪影響を及ぼしてしまいます。
そこで今回は、アルコールの摂りすぎによって起こる病気の一つである、『アルコール性肝障害』についてお話しすることにしましょう。

アルコールと肝臓の関係

image002皆さんご存知のように、お酒(アルコール)と関係の深い臓器は肝臓です。体内に入ったアルコールは胃や腸から吸収されて、そのほとんどが肝臓で処理されます。肝臓がアルコールを代謝・分解する時、肝臓の細胞(肝細胞)に形や働きの変化が起こりますが、肝臓は再生能力の高い臓器ですから、体内のアルコールがなくなると肝細胞は再び正常な状態に戻ることができます。
問題となるのは、大量のアルコールを長期間にわたって飲み続けた時です。肝細胞の変化が恒常的に続くと再生が追いつかなくなってしまい、細胞に炎症が起こったり、細胞が破壊されて代わりに線維の組織が増殖(線維化)したりすることで、肝臓の働きが衰えてくるようになります。

アルコール性肝障害とは?

今回のテーマであるアルコール性肝障害とは、アルコールの過剰摂取によって肝臓が障害されて、その働きが衰えてくる病気のことをいいます。アルコール性肝障害は下図に示したように、一般に「アルコール性脂肪肝」の状態から始まり、そのまま大量飲酒を続けていると「アルコール性肝炎」、「アルコール性肝線維症」へと進行し、最終的には「アルコール性肝硬変」になる危険性があります。

アルコール性脂肪肝
肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態

  • 肝臓には中性脂肪を蓄えて代謝させる働きがありますが、アルコールの処理を優先して脂肪の代謝が後回しになると、肝細胞に脂肪が蓄積するようになります。
  • 症状はほとんどなく、血液検査や腹部超音波検査などで発見されることが多い

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アルコール性肝炎

肝臓に炎症が起こって肝細胞が破壊された状態

  • 大量の飲酒が連続した時に起こります。
  • 症状の軽い人から、劇症肝炎のように重症になるケースもあります。

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アルコール性肝線維症

肝臓に線維組織が増殖(線維化)した状態

  • 日本では、このタイプの肝障害が多くなっています。
  • 線維が増殖してしまっても、軽症であれば禁酒することで組織に吸収されて改善していきます。

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アルコール性肝硬変

肝臓の線維化が進み肝臓全体が硬くなった状態

  • 過度の飲酒が原因で起こった肝臓病の終末像です。
  • 肝機能がかなり低下した状態であり、放置しておくと命にも関わります。

このようなアルコール性肝障害を持つ病人は全国で250万人いるとされています。発症には個人差がありますが、飲酒量の目安でいいますと、日本酒換算で毎日3合を5年以上飲み続けている人はアルコール性脂肪肝になる可能性が極めて高く、さらには毎日5合を10年以上飲み続けている場合ではアルコール性肝硬変の危険性が高くなると言われています。

国民栄養調査(平成21年)によると、毎日習慣的にアルコールを飲んでいる人の割合は、30歳以上の男性で見てみると35.3%(女性では6.5%)、つまり3人に1人は毎日お酒を飲む習慣があるという結果でした。
習慣のように毎日多量のお酒を飲んでいるという方。あなたの肝臓は問題ないでしょうか?

現代医学での治療

image003アルコール性肝障害の治療は「禁酒」が第一であり最も重要です。アルコールの摂取をやめて肝臓を休ませてあげることで、脂肪の代謝が改善したり、炎症によって破壊された肝細胞が再生していきます。よって、アルコール性脂肪肝や軽度のアルコール性肝炎、アルコール性肝線維症であれば、禁酒を続けるだけで治ることもあります。

現代医学では、肝臓が悪い時には肝臓だけに注目して治療や対策が行われますが、漢方では身体全体を見て肝臓と関わりのある臓器の状態も考えた治療を行います。肝臓の働きが悪い状態が長く続いている場合、実は知らず知らずのうちに腎臓のほうにも負担がかかっていることがあるものです。そこで、漢方による肝・腎対策も併せて行うことが大切です。

ホノミ漢方では ~肝・腎要のお薬~

昔から大切なことを「肝腎」と呼ぶように、肝臓も腎臓も身体にとって非常に大切な臓器です。そして、この肝臓と腎臓は互いに助け合って働いており、実はとても関係の深い臓器なのです。

image004アルコール性肝障害のように、肝臓に負担がかかって働きが悪くなると、肝臓で解毒できなかった有害物質が腎臓に回り、腎臓に対しても負担を与えてしまうことになります。
そして、腎臓の働きも悪くなってしまうと、今度は腎臓で排泄されなかった老廃物が肝臓へ回り、さらに肝臓にも負担がかかるという悪循環になります。
このように、肝臓と腎臓はどちらか一方が悪くなると、もう片方の臓器にも悪影響を与えてしまうので、肝臓の病気を治す時であっても、腎臓の働きも同時に高めておくことが大切なのです。

ジヨッキホノミ漢方には、肝臓と腎臓の両方をともに改善するお薬として、
“肝・腎要のお薬”『ジヨッキ』(錠剤タイプ)があります!

ジヨッキの特長

ジヨッキは肝臓と腎臓に働く生薬が両方とも配合された内容です。

  • 肝臓の機能を整える生薬
    柴胡(サイコ)・山梔子(サンシシ)・茵蔯蒿(インチンコウ)・決明子(ケツメイシ)
  • 腎臓の機能を整える生薬
    白朮(ビャクジュツ)・茯苓(ブクリョウ)・沢瀉(タクシャ)・猪苓(チョレイ)・桂皮(ケイヒ)

生活習慣で気を付けること

アルコール性肝障害を改善するためには、前述の通り禁酒を中心として生活習慣を見直すことが大切です。また、現在は肝臓に問題がないという方であっても、お酒と上手に付き合っていくために日頃の生活の中で次のようなことに気をつけましょう。

1)お酒を控えましょう!
  • image006アルコール性肝障害と診断を受けている場合、または飲酒が原因で肝機能の数値(GOT、GPTなど)が高い場合は、禁酒することが大原則となります。
  • 現在は肝機能が正常であったとしても、普段から大量に飲酒する習慣のある方は、できるだけ飲酒量を減らして節酒することが大切です。
  • 適量と言われる1日のアルコール量は、ビールに換算すると中瓶1本(500mL)、日本酒では1合(180mL)です。
  • また、肝臓をいたわるためにも1週間に少なくとも2日はお酒を全く飲まない休肝日を設けましょう。これだけでも肝臓の機能はかなり回復すると言われています。
image0072)食事にも気を付けましょう!
  • お酒には食欲を増進させる働きがあるため、おつまみや揚げ物などの食べすぎでエネルギー摂取が過剰にならないように気を付けましょう。
  • アルコールは体内のビタミンミネラルを壊してしまうので、野菜や果物などを多めに摂ってこれらの栄養素を補給するようにしましょう。
image0083)適度に運動を!
  • 余分なエネルギーを消費するために、適度に身体を動かすような軽い運動を心がけてください。

高血圧

image001厚生労働省の国民健康・栄養調査によりますと、成人の何と2人に1人が、高血圧もしくは高血圧予備軍と言われています。

寒さで身が縮むようなこの時期は、身体の熱が奪われないように血管が収縮するため、血圧は上がりやすくなります。
日頃から血圧が高い方は、この時期とくに注意が必要です。

そこで、今回は「高血圧」について、お話することにしましょう。

血圧とは…

血液は心臓のポンプ機能によって全身に届けられます。
この心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す圧力を「血圧」と言います。

「上の血圧」「下の血圧」とよく言いますが、上の血圧とは「収縮期血圧(最高血圧)」、下の血圧とは「拡張期血圧(最低血圧)」のことです。

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血圧の数値…どのくらいが高血圧?

では、血圧の数値がどのくらいになると、高血圧に分類されるのか見てみることにしましょう。

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油断大敵!正常高値血圧…

先の血圧の分類には、高血圧と診断されるほどではないものの、少し血圧が高めの「正常高値血圧」があります。
日本高血圧学会では、この「正常高値血圧」を「高血圧予備軍」ととらえ、高めの血圧に加えて、年齢(65歳以上)や喫煙、脂質異常症、腹部肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病など、危険因子が多くある場合には、治療の対象になるとしています。

血圧の数値が「正常高値血圧」の範囲に入る方も、油断はできません!

なぜよくない?高い血圧…

血圧の高い状態が続くと、次のような状態を引き起こします。
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このように、高血圧によって血管の壁に高い圧力がかかり続けると、動脈硬化が起きやすくなり、進行すると重い病気を招く可能性が高くなります。
また、動脈硬化によって血管の内腔が狭くなると、血液の流れが悪くなり、さらに血圧が上がるという悪循環に陥ってしまいます。

見逃されやすい“仮面高血圧”とは?

病院の血圧測定では正常の範囲内で問題ないと言われても、それ以外のときには血圧が高い…
これが「仮面高血圧」です。この「仮面高血圧」には次のようなタイプがあります。

早朝高血圧 モーニングサージ型 朝、目覚める前後に血圧が急に上がる
※高齢者や動脈硬化がある人に多い
夜間型 睡眠中から朝まで血圧が高い状態が続く
※心臓病や腎臓病、睡眠時無呼吸症候群のある人に多い
職場高血圧 仕事のストレスや疲労が原因で、職場でのみ血圧が高い

病院で処方される降圧薬は?

001高血圧を改善していく上で、最も大切とされるのは生活習慣の改善です。
しかし、一定期間生活習慣を改善しても血圧が下がらない場合には、降圧薬による治療が行われます。
病院からは次のようなお薬が処方されます。

降圧薬 働き
カルシウム拮抗薬 全身の血管を広げる
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 血管を収縮する作用を持つホルモンの働きを抑える
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
利尿薬 腎臓に働いてナトリウムや水分の排泄を促し血液の量を減らす
β遮断薬 心臓に働いて心拍出量を減らす

ホノミ漢方の高血圧のお薬は?

サイロ
サイロヤング錠
高血圧の改善を図っていくお薬として、
ホノミ漢方には、サイロサイロヤング錠があります。

サイロ、サイロヤング錠は、生薬のみから構成されており、高血圧や高血圧に伴って起こる随伴症状(肩こり、耳なり、頭痛など)を改善していくお薬です。

これらのお薬は、体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、服用に際しては、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店の先生方とよくご相談ください。

生活習慣で気を付けること

高血圧を改善する上では、日頃の養生は欠かせません。そこで、生活習慣で気を付けるポイントを紹介しましょう。

1)食事は塩分を控えめに…
  • image007食塩(塩化ナトリウム)を取りすぎると、血液中のナトリウム濃度が増え、その濃度を下げようと血液中の水分量が増えます。そのため、血液の量が多くなり、血圧が高くなります。
  • 目標とする食塩の摂取量は、「1日6g未満」とされています。日本人の平均摂取量は11gと言われていますので、少しずつ減塩に取り組んでいきましょう。
  • 塩分控えめの食事は、どうしても味気ないものになってしまいますので、柑橘系の酸味や、ニンニクやショウガなどの風味を利用してみるのも良いでしょう。
2)お酒はほどほどに…
  • 高血圧1 アルコールは、血管を拡げる作用があるため、お酒を飲んだ直後は血圧が下がるのですが、酔いがさめるころには、血管が収縮するため、血圧が上がってしまいます。
  • 高血圧に悪い影響を与えない適量は、アルコール量にして男性では1日30ml未満(ビールなら大瓶1本まで、日本酒なら1合まで)、女性ではその半分15ml未満であると言われています。
  • また、お酒を飲むときには、どうしても塩分の多い食べ物をとりがちになりますので、気を付けましょう。
3)身体を適度に動かしましょう!高血圧2
  • 適度な運動は、血液の流れを良くして、血圧を下げる効果につながります。
  • また、高血圧の要因となる肥満の解消にもなりますので、ウォーキングやジョギングなどによって身体を動かす習慣をつけましょう。