乳腺炎

妊娠・出産という大仕事を終えたお母さん。

やっと体調が安定してきたかな…と思ったら、今度はおっぱいの痛み、腫れ、しこり…。赤ちゃんに母乳をあげるのも、痛くてつらい…。

このような「乳腺炎」にかかるお母さんは、およそ3~20%と言われていますが、授乳中は油断すると誰でも発症する可能性がありますので注意が必要です。

そこで今回は、産後ママのつらいおっぱいの痛み乳腺炎についてお話しすることにしましょう。

乳腺炎の種類と特徴

「乳腺炎」とは、乳汁を分泌する乳腺で炎症を起こす病気です。

この乳腺炎は、炎症を起こす原因によって、乳腺の中に乳汁が溜まって(うっ滞して)起こる「うっ滞性乳腺炎」と、乳腺や乳管(乳汁の通り道)に細菌が感染して起こる「化膿性乳腺炎」の2種類があります。

 

  うっ滞性乳腺炎 化膿性乳腺炎
タイプ 乳汁が溜まって起こる乳腺炎 細菌が感染して起こる乳腺炎
原因 乳管が十分に開いていない、赤ちゃん が母乳を飲む力が弱い等の理由から、乳汁が溜まりがちになる 授乳中の赤ちゃんによる噛み傷等、乳房に出来た小さな傷から細菌(黄色ブドウ球菌等)が感染して化膿する
症状 ・乳房が赤く腫れて、硬くなり、押すとみがある
(授乳中も痛みを伴う)
・乳房は熱感(微熱)を伴う
・突然の悪寒、ふるえを伴う38℃以上の高熱(全身の発熱)
・乳房はくなって大きく腫れ、激しい痛み熱感が著しい
特徴 ・細菌感染を起こしていない乳腺炎
(細菌が感染すると化膿性乳腺炎に発展する)
・ほとんどは、うっ滞性乳腺炎が誘因となって起こる
・皮膚で起こる感染症の中では、最も症状の激しい病気

 

 

このように乳腺炎は、乳汁のうっ滞によって発症する「うっ滞性乳腺炎」から細菌感染を起こすと「化膿性乳腺炎」へ、さらに治り切らずに慢性化すると「慢性乳腺炎」へと移行していきます。

もし、おっぱいがパンパンに張っている授乳する時に痛みがあるような場合は、乳腺炎の可能性がありますので、悪化させない為にも早めの対処が必要です。

うっ滞性乳腺炎の治療法・予防法

適切な授乳法

うっ滞性乳腺炎の治療では、まず溜まっている乳汁を除去する必要がありますので、次のような授乳法を心がけましょう。

正しい授乳間隔

授乳の間隔が3時間以上空いてしまうと、作られた乳汁がうっ滞して、乳腺炎を起こしやすくなります。

前の授乳から3時間以内を目安に、こまめに授乳するようにしましょう。回数を多く授乳している内に治る場合もあります。

抱き方を変える

いつも同じ抱き方で授乳していると、赤ちゃんは毎回同じ部位(乳腺)の母乳ばかり飲むことになり、飲んでもらえない部分の乳汁がうっ滞しやすくなります。

一般的な横抱きから縦抱きに変えてみたり、同じ抱き方でも角度を少し変えることで、飲み残しを防ぐことができます。

マッサージしながら授乳

乳房でしこりのある部位や詰まっている部位を手で圧迫して、乳頭の方向へ動かすようにゆっくりとマッサージしながら授乳することで、乳汁のつまりが取れることがあります。

左右の乳房をまんべんなく飲ませる

左右の乳房で授乳時間が偏らないように、長くても左右それぞれ10分程度、偏りなく飲ませるようにしましょう。

左右の乳房で母乳の出方が異なる場合には、母乳の出にくい乳房や詰まっている方の乳房を頻繁に長く吸わせるのも効果的です。

余った乳汁は搾乳する

赤ちゃんが飲み切らずに余ってしまったら、搾乳器を使って残った乳汁を取り除き、乳房の中に乳汁が溜まらないようにしておきましょう。

 

乳腺炎の予防法

うっ滞性乳腺炎を悪化させないように、また一度治った乳腺炎を再発させないように、次のような予防法についても心がけておきましょう。

乳首を清潔に保つ

赤ちゃんの噛み傷等から細菌が感染して化膿性乳腺炎を起こさないように、授乳の前には手指をよく洗い、授乳後も乳首を拭いて清潔に保つことが大切です。

バランスの良い食事を

特定の食事内容が乳腺炎の原因になるということはありませんが、食べ過ぎて高カロリー・高脂肪の栄養過多になると、乳汁が過剰に作られてしまう可能性があります。

食べ過ぎには注意し、栄養が偏らないようにバランスの良い食事を心がけましょう。

締め付けのきつい下着は避ける

母乳は血液から作られている為、血流が悪いと乳汁の流れも悪くなり、乳腺炎を起こしやすくなります

ワイヤー入りのブラジャーなどで乳房が圧迫されると、血流が悪くなって乳汁がうっ滞しやすくなる為、締め付けのきつい下着は避けるようにしましょう。

ぐっすり眠って身体を休める

ストレス、疲労、睡眠不足でも血液の循環が悪くなり、乳腺炎を起こす誘因となる為、周りの家族の援助も得ながら、ぐっすりと眠って十分な休息をとるようにしましょう。

 

化膿性乳腺炎の薬物療法

うっ滞性乳腺炎から細菌感染を起こして、高熱や乳房の激しい痛みを伴う場合には、早めに病院を受診するようにしましょう。

病院で化膿性乳腺炎と診断された場合、ただちに有効な抗生物質が投与され、解熱鎮痛薬で痛みや炎症を抑えるような治療が行われます。

 

乳腺炎とホノミ漢方

ホノミ漢方には、炎症や化膿状態を改善する働きがあり「乳腺炎」に効果のあるお薬としてワグラスD錠があります。

 

効能・効果

化膿性疾患(フルンケル、カルブンケル、腫物、るいれき、リンパ腺炎、蓄膿症、歯槽膿漏、中耳炎、乳腺炎)の改善又は回復促進

 

構成生薬

ワグラスD錠は、溜まった膿を排出するキキョウ・キジツ・シャクヤク、炎症を鎮めるカンゾウ、さらに自然治癒力を高めるタイソウ・ショウキョウを加えた、6種類の生薬で構成されています。

また、産後のお母さんは、この乳腺炎の他にも、ホルモンバランスの急激な変化から、様々な身体の不調を起こすことがあります。

このような産後の不調には、血行・ホルモンバランスの乱れを整える働きのある女性病薬として「エッキ錠」もご用意しています。

これらのお薬は、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

また、お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、服用に際しては、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店で一度詳しくご相談下さい!

後鼻漏

のどに鼻水が流れ、気になって仕方がない・・・
そんなあなたは「後鼻漏」の可能性があります。
あまり知られていない症状ですが、鼻の病気に悩む方に、発症しやすいため要注意!
そこで今回は「後鼻漏」についてお話していきましょう。

 

鼻水の流れと働き

鼻腔、副鼻腔から分泌される鼻水は一日に2~4リットルと言われており、分泌される鼻水は通常では違和感なくのどに流れていきます。また、鼻腔内には「線毛機能」があり、粘液に付着した異物(花粉、ハウスダスト、細菌、ウイルス等)を排除する働きがあります。ところが、鼻腔内の粘液が少なく乾燥したり、線毛機能が低下すると、細菌やウイルス感染を起こしやすくなるため、花粉に対しても過敏になってしまうのです。

 

 

後鼻漏とは・・・

後鼻漏とは鼻の病気が原因となり鼻水の量の増加粘りのある鼻水が溜まる等の症状により、のどに鼻水が流れる時に違和感を来す症状です。鼻の病気が進行すると、鼻腔内粘膜の腫れが強くなり、鼻をかんでも鼻水が出にくく、のどに流れ込んで口から吐き出すか、飲みこみ続けるしかありません。

後鼻漏は鼻の不快感を生じさせるだけでなく、咳・痰の原因や睡眠の妨げになってしまい、生活に支障をきたすこともあります。

 

 

後鼻漏をきたす主な病気

 後鼻漏は下記の通り、主に鼻腔・副鼻腔の病気によって起こってきます。

慢性副鼻腔炎

慢性化膿性
副鼻腔炎
(蓄膿症)

後鼻漏は主要症状の一つであり、他にも化膿し色のついた鼻水、鼻づまり、頭重、頬部の痛みがなどの症状が現れます。風邪やインフルエンザをきっかけに発症することが多いため、特に免疫の低下する寒い時期は注意が必要です。

好酸球性
副鼻腔炎

好酸球は白血球の一種で、アレルギーを起こした際に増える細胞です。好酸球性副鼻腔炎は、この好酸球が副鼻腔に集まって起きる疾患で、2015年には指定難病となっています。症状としては糊のような粘りのある鼻水や目の奥の痛みがあり、鼻茸(鼻ポリープ)が出来やすく嗅覚障害を引き起こします。
アレルギー性鼻炎

多くはハウスダストや花粉などに過敏に反応して、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状が現れます。水様性の鼻水の分泌量が増加することにより、後鼻漏を起こしやすくなってしまいます。

血管運動性鼻炎 温かい食べ物を食べている時や気温の寒暖差で鼻の自律神経に異常が起こり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状が現れます。

 


この他、加齢に伴って起こる後鼻漏もあります。これは歳とともに鼻腔内の粘膜が乾燥しやすく、線毛機能が衰えるため、粘性の高くなった鼻水がのどの辺りに付着することで起こるもので、高齢者に多い後鼻漏です。このような場合、加湿器を使って湿度を高めることが有効な対策とされています。

 

病院での治療法

後鼻漏の治療としては、原因となる鼻の疾患に対する治療が中心となります。
治療は、あくまでも症状を緩和し、鼻の通りをよくするものであり、症状の再燃が見られる場合もあります。

 

  • 薬物療法
     炎症やアレルギーを抑える目的で抗生剤、ステロイド薬、抗アレルギー薬を服用します。

 

  • 局所療法
     鼻腔・副鼻腔内を洗浄し、抗生剤やステロイド薬を吸入します。

 

  • 手術
     鼻腔内に鼻茸がある場合に検討され、内視鏡を用いて鼻茸や粘膜を切除する手術や、
     鼻腔と副鼻腔をつなぐ孔を広くする手術があります。

 

ホノミ漢方における対策

 ホノミ漢方には、後鼻漏の症状をはじめ、原因となる鼻の病気を改善する薬に「ホノミビスキン」「ホノビエン錠deux」があります。

ホノミビスキンの構成生薬

 ホノミビスキンは、鼻腔内アレルギーを鎮め、排膿を促し、副鼻腔炎に伴う随伴症状(鼻水・鼻づまり、頭痛・頭重)を改善する10種類の生薬で構成されています。
 主に慢性副鼻腔炎に使うお薬です。

ホノビエン錠deuxの構成生薬

 ホノビエン錠deuxは、アレルギーを起こす体質を改善する生薬成分6種類に加え、アレルギー症状を抑える西洋薬成分を配合したお薬です。
 主にアレルギー性鼻炎の改善に使います。

 

これらのお薬は、体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、服用に際しては、ホノミ漢方のお薬をお取り扱いいただいている薬局・薬店の先生とよくご相談ください。

 

日常生活における注意

後鼻漏の原因となる鼻の病気は生活習慣と密接な関係があるため、日常生活の中での養生が大切になります。お薬の服用と併せて、次のようなことに注意しましょう。

 

 

1)花粉・ハウスダスト対策

花粉やハウスダストはアレルギー性鼻炎の原因になるため、外出時はマスクやメガネを着けて花粉症対策をしましょう。また、ダニやホコリといったハウスダストを溜めないよう、こまめな掃除や空気清浄器を活用することも有効です。

 

2)胃腸を大切にバランスの良い食事を

漢方の考え方の一つ「陰陽五行説」では、鼻と胃は深い関係があるとされています。そのため暴飲暴食や冷たい物の摂りすぎは禁物です。

 

3)ストレスを溜めない

鼻の病気にはストレスも重大な要因となります。ストレスを解消するには、趣味や娯楽の時間を作ったり、質の良い睡眠をとるようにしましょう。また、就寝と起床の時間を守った生活リズムを保つことも大切です。

 

4)適度に運動する

鼻閉はアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎により、鼻粘膜がうっ血し、腫れている時に起こります。適度に身体を動かすことで、身体全体の血行が良くなり、鼻づまりの改善に効果があります。

いぼ(首いぼ、顔いぼ、老人性いぼ)

「いつの間にか、首がザラザラしている・・・」
「年をとってから、身体に黒いブツブツが・・・」

顔や首など身体の目立つ場所にいぼが出来ると気になってしまい、なかなか治らず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか・・・?
そこで今回は、いぼをテーマに、いぼの出来る仕組みとその対策についてお話しすることにしましょう。

いぼの種類

「いぼ」とは、皮膚が盛り上がった「できもの」のことで、別名「疣贅(ゆうぜい)」と呼びます。皮膚は数種類の細胞で構成されていますが、「いぼ」はこのうち角化細胞(皮膚の表面にある角層をつくる細胞)が増殖して出来たものです。

「いぼ」には、ウイルス感染による「ウイルス性」と、加齢や紫外線によって生じる「老人性」の2つのタイプがあり、それぞれに次のような種類のいぼがあります。

いぼが出来る仕組み

1.ウイルス性

ウイルス性のいぼは、次のような仕組みで起こります。

①皮膚表面に傷口があると、そこからウイルスが侵入する。
②基底細胞に感染すると、そこで作られる角化細胞が活性化して増殖する。
③皮膚の細胞が表面に向かって押し上げられ、病変(いぼ)を形作る。

※ウイルス性のいぼは、傷だけでなく、肌荒れやアトピー性皮膚炎、ひげそり跡など、皮膚のバリア機能が低下している人に多く見られます。

2.老人性

太陽光から発せられる紫外線を浴びると、表皮の基底細胞にあるメラノサイトによってメラニンが生成されます。これはメラニン色素を含む表皮細胞でバリアを形成し、皮膚細胞が紫外線のダメージを受けないようにするためです。こうすることで、紫外線によるDNAの破壊を未然に防いでいるのです。

つまり、メラニン色素は肌トラブルや病気を防ぐために無くてはならないものといえます。

しかし、新陳代謝が低下するにつれ、このメラニンの排泄がうまくいかなくなると、老人性のいぼが出来てしまいます。

病院での治療

最も一般的な治療法は、「凍結療法」です。これは液体窒素を含ませた綿棒をいぼに当て、凍らせて落とす方法です。

 

ただ、治療時間も5分程度と気軽に受けられる反面、色素沈着を起こすケースもあり、顔などの目立つ部位のいぼの除去には向かないこともあるようです。

また根本治療ではないため再発のリスクがあります。

その他の治療として、「レーザー治療」や「サリチル酸の塗り薬などもあります。

 

ホノミ漢方における対策

いぼは、古くからハトムギを使って治療が行われてきました。

ホノミ漢方には、このハトムギの種子を使った生薬「薏苡仁(ヨクイニン)」を中心に炎症を鎮める甘草を加えたコイクラセリド錠があります。

 

薏苡仁(ヨクイニン)

肌の新陳代謝を良くして、いぼを治す

甘草(カンゾウ)

患部の炎症を鎮める

コイクラセリド錠は、いぼの他に、肌荒れも改善してくれます。

コイクラセリド錠をのんで、肌がきれいになれば、その名のとおりして暮らせる自信がつきます!

 

このお薬は、体質や病状を考えて正しく服用することが大切です。薏苡仁はウイルス性のイボを中心に用いられますので、服用に際しては、コイクラセリド錠など、ホノミ漢方のお薬をお取り扱いいただいている薬局・薬店の先生とよくご相談ください。

日常生活における注意

いぼを治すためには、お薬の服用と併せて、日常生活の中で次のようなことに注意しましょう。

1)皮膚の保湿

皮膚のバリア機能が低下すると、ウイルスに感染しやすくなります。
傷や肌荒れ、ひげそり跡、アトピー性皮膚炎などがあると、バリア機能が低下するので、普段から保湿して肌を守りましょう。

2)日焼けに注意

老人性いぼは紫外線が原因となって起こります。
外出するときは、日傘をさす、こまめに日焼け止めを塗るなどして、紫外線によるダメージを減らしましょう。

 

3)ストレスをため込まない

ストレスは身体の免疫力を低下させます。免疫が下がれば、皮膚のバリア機能も落ちるため、ストレスをためこまないことが大切です。趣味の時間適度な運動など自分に合った気分転換法を生活の中に取り入れてみましょう。

4)睡眠の質を上げる

睡眠不足は肌のターンオーバーを乱す原因となります。仕事や家事で忙しくて睡眠時間を確保できないと悩んでいる方には、ぬるめのお風呂にゆっくりつかる就寝1時間前にはテレビやパソコンを見ないなど、少ない時間でも良質な睡眠を得る工夫が必要です。

ビリビリ、ジンジン、チクチク「神経障害性疼痛」

ビリビリと電気が走るような痛み…
ジンジンと痺れるような痛み…
チクチクと針で刺すような痛み…

 

怪我をしたわけでもないのに
ふとした瞬間痛みが走る。
このような症状、身に覚えはありませんか?

 

日本で慢性疼痛(まんせいとうつう)を感じている人は約2500万人。そのうち痛みがうまく緩和されない人の割合は約75%と考えられています。

この慢性疼痛を引き起こす疾患の一つに、神経が障害されて起こる神経障害性疼痛があります。

そこで今回は、この慢性疼痛の原因ともなる『神経障害性疼痛』についてお話ししましょう。

 

神経障害性疼痛とは

痛みの伝達

通常、痛みというのは右図のような経路をたどり、私たちに認識されます。怪我などで細胞が傷つくと、痛みを感じる物質(発痛物質)が放出され、神経を刺激します。この刺激は脊髄や脳の視床という部位を通り、最終的には大脳にまで伝えられ、そこで私たちは痛みを感じます。

神経からくる痛み

しかし、傷や怪我、病気は治ったにもかかわらず、また、怪我をしていないのに、神経が障害されていることで痛みが生じる場合があります。これが神経障害性疼痛です。この場合、痛みを伝える経路のどこかの神経が障害されることによって痛みが生じます。

神経が障害される主な原因には以下のようなものがあります。

このようなことから神経は脳に痛みの信号を送り、私たちは痛みを感じることになります。

 

神経障害性疼痛を引き起こす病気

それでは具体的にはどのような病気によって神経障害性疼痛が引き起こされるのかをご紹介しましょう。

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は体内に潜伏している水ぼうそうのウイルスが免疫力の低下により再び活性化することで生じます。そして、帯状疱疹の皮膚の症状が治まった後も持続する痛みが帯状疱疹後神経痛です。これは、ウイルスによって神経が傷つけられたために起こると考えられています。

糖尿病性末梢神経障害

高血糖状態が続くと末梢神経が障害され、痛みしびれが生じます。神経が障害される理由はまだ詳しくは解明されていませんが、血流が悪くなり神経に栄養が行かなくなるため障害されたり、神経を障害する物質がたまったりといったことが考えられています。

脊柱管狭窄症

脊柱管とは神経が通るトンネルのようなもので、背骨に沿って存在しています。脊柱管狭窄とは、このトンネルの空洞が狭くなっている状態です。トンネルが狭まり、中の神経が圧迫されて痛みが生じる疾患を脊柱管狭窄症と呼びます。

椎間板ヘルニア

背骨は24個の骨が積み重なって出来ており、それぞれの間には椎間板というクッションのようなものが挟まっています。椎間板ヘルニアになると、この椎間板がもとの位置から飛び出してしまい、背骨に沿って存在する脊柱管の中の神経を圧迫するために痛みが生じます。

神経障害性疼痛の治療

神経障害性疼痛の場合、市販の鎮痛薬ではあまり効果が得られないとされています。そこで、病院では神経障害性疼痛に対してどのような薬が出されるのか、その種類と簡単な作用について以下の表にまとめました。

神経障害性疼痛に用いられる薬

疼痛治療薬

・痛みを伝える物質の放出を抑える

抗うつ薬

・痛みを感じにくくする経路を活性化する

抗てんかん薬

・神経細胞の異常な興奮を抑える

医療用麻薬

・脊髄から脳への痛みの伝達を抑える

局所麻酔薬

・神経の近くに注射することで痛みの伝達を抑える

 

ホノミ漢方での対策は?

漢方では私たちの健康は「(き)」「(けつ)」「(すい)」という3つの要素のバランスによって成り立っていると考えられています。そして、「気・血・水」の3要素のバランスが崩れると、身体にも不調が出てくるといわれています。

痛みの症状はこの「気・血・水」の3つの要素の乱れから起きるものだとされているため、痛みを取り除くためには、この3要素のバランスを整えなくてはなりません。

ホノミ漢方には、この「気・血・水」の乱れを整えて痛みを改善する製品としてロイルック錠(錠剤タイプ)とロイルック(カプセルタイプ)があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常でできる養生法

神経障害性疼痛は普段の生活からも予防・改善することができます。
そこで、日常生活で気を付けておきたい点をいくつか挙げましたのでご覧ください。

1)ストレスを減らす

ストレスがあったり、また不安悲しみといった負の感情があったりすると、痛みを抑え感じにくくする仕組みがうまく働かなくなります。なるべくマイナス思考にならないようにして、趣味の時間を設けるなど精神的な負荷を減らしていきましょう。

2)適度な運動をする

筋肉を動かさずにいると、筋肉が緊張し、血行が悪くなり、痛みを起こす物質が発生します。筋肉を動かすことで血流が良くなり、痛みを起こす物質も取り除くことができるので、無理のない範囲で身体を動かしましょう。

3)身体を温める

身体を温めることで、血流が良くなり、痛みの原因物質を取り除くことができます。また、患部の炎症が治まっている慢性痛の場合は、患部を温めると痛みが和らぐことがあります。

胃もたれ・胃痛・胸やけ(機能性ディスペプシア)

「少し食べただけで、すぐにお腹がいっぱいになる…」
「食後に必ず胃が重苦しくなる…」
「キリキリ、シクシク胃が痛む…

「胃の症状はあるのに、検査をしても異常なし…」

そんなあなたは『機能性ディスペプシア』と呼ばれる状態かもしれません。なんと日本人の4人に1人が、この機能性ディスペプシアに悩んでいると言われています。
そこで今回は、多くの人を悩ませる「機能性ディスペプシア」についてお話ししましょう。

機能性ディスペプシアとは

ディスペプシアとは、「早期膨満感」「胃痛」「胃もたれ」といった、みぞおちを中心とするさまざまな症状のことを指します。

つまり、機能性ディスペプシアとは、詳しい検査をしても原因となる病気が見つからないにもかかわらず胃の機能に異常が生じて、みぞおちを中心とするこれらの症状が週に数回以上、慢性的に現れる病気です。これまでは、「慢性胃炎」「神経性胃炎」と呼ばれていたもので、2013年に「機能性ディスペプシア」という概念が導入されました。

さて、これらの症状は、どのような胃の機能異常によって起こるのでしょうか。健康な胃の働きとともに見ていきましょう。

胃の働きと、機能性ディスペプシア

食べ物が胃に入ってくると胃の上部が膨らみます。
ここで胃の上部が十分広がらないと、少し食べただけでお腹がいっぱいになります。(早期膨満感)
             
次に、胃の壁から胃酸が分泌されます。
通常、胃酸が分泌されても胃部に痛みは感じません。しかし、胃酸に対して敏感な知覚過敏の状態になると、みぞおちに痛みが出たり、焼けるような感じが出ます。(胃痛)
なお、胃酸が多く分泌されるのは食後ですが、胃酸は空腹時でも分泌されているため、食後だけでなく空腹時に胃痛が起こることもあります。
              
続いて胃は、「蠕動運動」(ぜんどううんどう)と呼ばれる、波打つような動きをして胃から十二指腸へ食べ物を送ります。
この蠕動運動が弱く食べ物を送り出せないと、いつまでも胃に食べ物が残ったままになり、胃もたれやお腹の張りにつながります。(胃もたれ)

機能性ディスペプシアの原因

さて、原因となる病気がないにもかかわらず、どうして胃の機能は乱れるのでしょうか。
胃の異常の多くは「ストレス」が原因で、このストレスによって胃の働きを制御している自律神経に乱れが生じて起こるとされています。
ストレスの他に、「睡眠不足」「食生活の乱れ」「喫煙」「ピロリ菌の感染」なども胃の働きに関係していると考えられています。

病院での治療法

病院では、症状や原因によって次のようにお薬を使い分けます。

薬物 特徴
胃の動きを良くする薬 早期膨満感や胃もたれなど、胃の運動が低下して起こる症状に用いられます
胃酸の分泌を抑える薬 胃が知覚過敏状態になり、胃酸に敏感に反応して痛みが生じているときに使われます
抗不安薬 ストレスが強い場合に用いられます

ホノミ漢方における対策

ホノミ漢方には、人間が本来もつ自然治癒力を高めながら乱れた胃腸機能を整え、機能性ディスペプシアの不快な症状を改善するお薬としてエスマーゲン錠deux、エスマーゲンdeux』があります。

エスマーゲン錠deux、エスマーゲンdeuxの構成薬物

「エスマーゲン錠deux、エスマーゲンdeux」は…
胃腸の働きを活発にするカンゾウ、ニンジン
胃酸の出すぎを抑えるオウレン、ギュウタン、チンピ、ビャクジュツ、ボレイ、その他3種類の制酸剤
自律神経の働きを整えるコウボク、ショウキョウ
といった、9種類の生薬を中心3種類の制酸剤を配合したお薬で、胃の働きが衰えている状態から、逆に働きすぎている状態まで、幅広い胃腸症状の改善に役立つ内容です。

   

日常生活で気を付けたいこと

胃の働きが乱れているときは、胃にやさしい生活を送ることも大切です。次の4つのポイントに気を付けましょう。

1)ストレスをためない

ストレスは胃腸の働きを乱す大きな原因です。身体を動かしたり音楽を聴いたりと、気分転換をしてストレスの軽減に努めましょう。

 

2)食習慣を見直す

●食事をとると胃に過剰な負担がかかるため、規則正しく食事をとります。
●食べ物を消化するため、胃は食後に動きます。そのときに運動をすると、胃の働きが弱くなってしまうため、食後30分は休憩しましょう。
●口の中で細かくしておくと、胃での消化の負担が少なくなります。 食べ物は30回以上噛むようにしましょう。
●食べすぎると胃に負担となるため、食事は腹八分目にしましょう。

 

3)十分な睡眠をとる

十分な睡眠をとることで胃の働きを司る自律神経の乱れが整い、胃の機能が回復します。

 

4)禁煙する

喫煙は胃の血流を悪化させ、働きも低下させてしまいます。
つまり、禁煙することで胃への負担を減らすことができるのです。

高血圧の合併症(動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞)

日本で最も多い生活習慣病は「高血圧症」です。その数、4300万人にも上るといわれていますが、きちんと病院を受診している人はそのうちの約半数しかいないとか…。

自覚症状がないからといって安易に考えていてはいけません。高血圧症は「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれ、治療せずにそのまま放っておくと、知らぬ間に症状が進行し、重篤な合併症を引き起こす危険な病気です。

そこで今回は、高血圧を放置しておくとどのような危険があるのか、高血圧の合併症についてお話しすることにしましょう。

血圧:血液が血管に及ぼす力

血圧とは、全身を流れる血液が血管の壁を押す圧力のことです。

私たちは普段、血圧計の数値でしか血圧を認識することがありません。身体の中で血圧が上がったとしても、自覚症状として実感することはほとんどなく、私たちが気付かない間に上昇・下降を繰り返しています。

 

では、血液が血管に及ぼす力というのは、一体どれほどのものでしょうか?

例えば、重症の高血圧症の人の血圧は180mmHg(最高血圧)にも達します。これは、水より13.6倍も重い水銀を180mm噴き上げることのできる力に相当します。

これを水に置き換えると2448mm、なんと

2.5mもの高さまで噴き上げるだけの力になります。

高血圧症の人は、毎日これだけ強い力が血管に加わり続けているのです。

「高血圧」の詳しい内容はこちら

 

動脈硬化

血圧の高い状態が続いて血管の壁に強い力が加わり続けると、どのようなことが起こるのでしょうか?

高血圧の状態が続くと、次第に血管の柔軟性が失われ、硬くもろくなっていきます。もろくなった血管の内皮細胞に傷が付くと、そこから血液中のコレステロールなどが入り込みます。

そうすると、アテロームと呼ばれる柔らかい塊を作って血管の壁がこぶのように膨らみ、血管の内側が狭くなっていきます。このように、血管自体がもろくなったり、血管内が狭くなるような状態を「動脈硬化」と呼びます。

動脈硬化が起こると、そこで血液の流れが悪くなってしまうので、血栓(血液の塊)が出来やすくなります。

 

脳卒中・心筋梗塞

このような動脈硬化は、身体の一部の血管だけに出来るものではなく、全身の血管で同じような状態が起こります。つまり、高血圧が続くと、脳の血管心臓を取り巻く血管(冠動脈)も次第にもろくなり、血栓が出来やすい状態になってしまいます。

 

脳卒中

脳卒中の原因の大部分を占めるのが高血圧です。

脳出血
くも膜下出血

状態 動脈硬化でもろくなった脳の血管が破れて出血する「脳出血」や、脳の血管に出来たこぶが破裂して出血する「くも膜下出血」があります。
症状 出血した血液が脳内の神経を圧迫するため、後遺症として左右どちらか一方の顔や手足などに麻痺やしびれが残ります。また、くも膜下出血では突然激しい頭痛も起こります。
脳梗塞 状態 動脈硬化が進行して狭くなった脳の血管に血栓が詰まり、血流が途絶えた部位の脳の神経細胞が死んでしまいます。
症状 脳梗塞を起こした部分の神経細胞が死んでしまい、脳出血と同じように、顔や手足の麻痺・しびれ、他にもろれつが回らない・言葉が出ないといった言語障害が現れます。

 

心筋梗塞

動脈硬化によって心臓の冠動脈の内側が狭くなると、血流が悪くなって一時的に心臓の筋肉が酸素不足に陥ってしまいます(狭心症)。これがさらに進行し、冠動脈に血栓が詰まって血液の流れが完全に途絶えてしまうと、その先の心臓の筋肉が栄養不足に陥って死んでしまいます。これが「心筋梗塞」です。

 

脳卒中と心筋梗塞は、ひとたび発作が起こると、緊急に治療が必要となる極めて危険な状態となります。

高血圧症は、このような非常に重篤な合併症のもととなる病気です。だからこそ、早めの対策が必要であり、普段から血圧のコントロールを意識することが大切となります

ホノミ漢方における対策

ホノミ漢方には、これらの合併症を防ぐために、血圧が高めの方にお使いいただけるお薬としてサイロ」 「サイロヤング錠があります。

 

サイロの構成生薬

サイロは、身体に合った血圧に調整するシャクナゲヨウ・ケツメイシ、弱った血管を強くするカイカ、さらに血圧が上昇しにくいように手助けするカノコソウ・センキュウを含めた、5種類の生薬で構成されています。

サイロヤング錠の構成生薬

サイロヤング錠は、チョウトウコウ・トウキ・センキュウ・シャクヤク・ジオウ・オウギ・オウバクを加え、血圧上昇に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重)を改善する7種類の生薬で構成されています。

これらのお薬は、体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、服用に際しては、ホノミ漢方のお薬をお取り扱いいただいている薬局・薬店の先生とよくご相談ください。

 

日常生活における注意

高血圧症の人は、生活習慣を改善するだけでも血圧を下げることができます。お薬の服用と併せて、日常生活の中では次のようなことに注意しましょう。

1)塩分を控える

食塩の中に含まれているナトリウムには血圧を上げる働きがあるため、食事の中で塩分を控える必要があります。

高血圧症の人は、1日当たりの食塩摂取量を6g未満に抑えるように推奨されています。味付けを薄味にしたり、汁物やスープの量を減らすなどして、減塩しましょう。

 

2)肥満に注意

肥満は血圧を上げる要因となり、心臓にも負担をかけてしまいます。体重を減らすことで血圧も下がるといわれていますので、腹八分目を心掛けて、カロリーをとりすぎないようにしましょう。

 

 


3)ストレスをため込まない

ストレスも血圧を上げる重大な要因となります。

ストレスを解消するには、趣味や娯楽の時間を作ったり、質の良い睡眠をとるようにしましょう。また、就寝と起床の時間を守った生活リズムを保つことも大切です。

 

4)適度に運動する

適度な運動は肥満解消やストレス軽減に役立ち、脳卒中や心筋梗塞の予防にもつながるといわれています。

運動は疲労を伴ったり興奮するような激しいものではなく、少し汗ばむ程度のウオーキングや、ラジオ体操などの有酸素運動が良いでしょう。

 

NASH(お酒を飲まなくても起こる脂肪肝炎)

図1

「肝臓を悪くするのはお酒をたくさん飲んでいる人」
「私は普段めったにお酒を飲むことはないから、大丈夫」
…と思っている人、多いのでは?

 

しかし最近では、お酒をあまり飲まないにもかかわらず発症する肝臓の病気「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」が増えてきています。

脂肪肝炎が過剰な飲酒によって起こるというのは以前からいわれていましたが、実はそのほとんどがアルコールなしで発症しているのです。

そこで今回は、『NASH(ナッシュ)』についてお話ししましょう。

NASHとは

私たちはアルコールを飲むと、その代謝の過程で中性脂肪が生じ、それが肝臓にたまっていきます。この脂肪が肝臓全体の3割以上を占めるようになると「脂肪肝」といわれるようになります。

図2しかし、アルコールを飲まない場合でも、食べすぎや運動不足などの生活習慣の乱れによって、肝臓では脂肪がたまっていきます。

このように、アルコール以外の原因で脂肪肝が進行して炎症を起こしたものが「NASH」です。

肝臓は沈黙の臓器ともいわれており、NASHは初期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断などで指摘されて見つかる場合が多いようです。

NASHに至るまでの経過

健康な肝臓がNASHになるまでには次の2つの段階があります。

図3第1段階 脂肪肝

肝臓には、食生活の乱れ運動不足などの不摂生によって、すぐに脂肪がたまってしまいます。そのため、生活習慣の乱れが原因となって起こる肥満や糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を持っている人は脂肪肝になるリスクが高いといえます。

第2段階 NASH

内臓脂肪が体内に蓄積すると、エネルギーを作るときに大量の脂肪が肝臓へと運ばれます。この脂肪が肝臓で代謝される際に活性酸素が生じて肝臓を傷つけ、炎症を起こします。

また、が肝臓にたくさん蓄積すると肝臓の炎症や線維化を進める原因になります。女性の場合は閉経すると鉄が肝臓にたまりやすくなるので注意が必要です。

●もしもNASHこのまま進行したら…

NASHになると、肝臓での炎症が続き、線維化が起こります。これが進行すると、肝臓が硬くなり機能が低下する肝硬変になり、そのうち一部は肝がんへと進行します。NASHが進行すると、約10年で3割前後が肝硬変や肝がんに至るといわれているので、早めの対策が必要です。

NASHの治療

図4病院でのNASHの 治療の基本は、原因となる肥満や生活習慣の改善です。バランスの良い食事や運動法といった生活指導の他に、生活習慣病のある人はその病気に対する薬物治療も行われます。また、生活習慣病のない人は肝臓の炎症や線維化を抑える薬物治療が行われます。

 

NASHの人に用いられる薬 

生活習慣病のある人
 NASHがある人には生活習慣病に用いられる薬の中でも、肝機能を改善させる効果もあるとされる薬が選ばれます。

糖尿病がある人 ・インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン)
脂質異常症がある人

・コレステロール合成阻害薬(スタチン系)

・コレステロール吸収阻害薬(エゼミチブ)

高血圧症がある人 ・降圧剤(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)

 

○生活習慣病のない人

ビタミンE ビタミンEには、強力な抗酸化作用があるため、活性酸素の除去に効果があります。また、肝組織も改善させます。

 

ホノミ漢方での対策は?

ホノミ漢方には、生薬の働きを活かしてNASHなどで負担がかかっている肝臓の働きをサポートするお薬として、ジヨッキがあります。

このジョッキには肝臓だけでなく腎臓にも働く生薬が含まれています。

昔から大切なことを「肝腎」というように、肝臓と腎臓は身体にとって大切な臓器であり、互いに助け合って働いている、関係の深い臓器なのです。

体内に入った有害物質は肝臓で代謝・解毒され、腎臓でろ過・排出されます。肝臓の機能が低下すると、有害物質は解毒されないまま腎臓へと送られてしまい、腎臓に負担がかかり、腎機能の低下を招いてしまいます。このように、肝臓と腎臓は密接に関係しているため、肝臓が悪いときには、肝臓の機能を整えるとともに、腎臓の機能もサポートしなくてはなりません。

ジヨッキには、肝機能だけではなく腎機能をサポートする生薬も含まれているため、肝臓・腎臓両方の対策を取ることができます。

 

ジヨッキは以下の全9種類の生薬から構成されています。

図6

14-l

 

 

 

 

 

気を付けたい生活習慣

NASHの予防や改善には普段の生活習慣が大きく関わっています。
そこで、日常生活で気を付けておきたい点をいくつか挙げましたのでご覧ください。

1)食生活の乱れ

図7甘いもの脂肪分のとりすぎは肝臓に脂肪をためる原因となります。

特に、果糖は中性脂肪となって肝臓に蓄積されやすいといわれているため、果糖を多く含む清涼飲料水や果物のとりすぎには注意し、バランスの良い食事を心掛けましょう。

 

2)早食い・まとめ食い・間食

図8早食いをすると、脳が満腹を感じる前に食べすぎてしまい、肝臓に脂肪がたまる原因となります。

また、人の身体は食事を抜いた後に栄養をためやすくなっています。そんな状態でまとめ食いをすると脂肪の蓄積につながります。

間食も1回の量は少ないかもしれませんが、繰り返すことで脂質や糖質のとりすぎにつながります。

 

図9

3)過度のダイエット

脂肪は肝臓で作られ、全身に送られてエネルギーとして使われます。しかし、ダイエットなどで過度の食事制限を行うと、脂肪を運ぶのに必要なタンパク質が不足することになり、脂肪がそのまま肝臓にたまってしまいます。

 

4)運動不足

図10運動をしないと肝臓にある脂肪を消費することができず、どんどん脂肪がたまっていきます。

そのため運動、特にウオーキングのような有酸素運動を行うのが効果的だとされています。

 

疲れと不眠症

「今日こそ眠れるかな…」
「朝までぐっすり眠って、気持ちの良い朝を迎えたい…」

睡眠の悩みをもつ日本人は10人に1人。

図1

日中活動して疲れているにもかかわらず、眠りにつけなかったり、眠れてもすぐに目が覚めてしまったり…。疲れがとれないまま朝を迎える日が続くと非常につらいものです。

そこで今回は『疲れと不眠症』についてお話ししましょう。

不眠症とは

「不眠症」とは何らかの原因で十分な睡眠がとれず、日中倦怠感疲労感集中力の低下が起こり日常生活に悪影響を及ぼす状態です。必要な睡眠時間は人によって異なるため、眠っている時間が短くても日中元気に活動できていれば、不眠症ではありません。

不眠症は大きく4つのタイプに分けられ、それぞれ特徴と好発年齢は次のとおりです。

 

特徴

好発年齢

入眠障害

寝床に入ってもなかなか寝つけない

年齢による差はない

中途覚醒

夜中に何度も目が覚める

高齢者に多く、
年齢が上がるほど増加

早朝覚醒

起きる予定時刻より2時間以上早く目が覚め、
その後寝つけない

熟眠障害

睡眠時間は比較的とれているが、
ぐっすり眠った気がしない

年齢による差はない

不眠症の原因

このような不眠はどうして起こるのでしょうか?
まずは、不眠の原因を考えるにあたって大切な「睡眠の周期」と「体内時計」について説明しましょう。

睡眠の周期

睡眠には「レム睡眠」「ノンレム睡眠」があり、眠っている間はおよそ90分周期でレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されています。

図2

体内時計

人間の脳には1日の身体の活動や、休息のリズムを調節する「体内時計」があります。体内時計のサイクルは1日約25時間なので、放っておくと毎日1時間ずつずれて就寝時間も遅くなっていきます。このずれをリセットするために大切なのが朝日です。私たちは朝日を浴びると体内時計がリセットされ、約15時間後に眠くなる仕組みになっています。
このように太陽の光は、体内時計や、体内時計に基づく睡眠と密接に関係しているのです。

 それでは、ここから不眠の原因を紹介していきます。原因はいくか知られていますが、若年者と高齢者に分けて、それぞれ不眠のきっかけとなりやすいものを見ていきましょう。

若年者に多い不眠の原因

①精神的なストレス、不安、心配

図3仕事での緊張感が夜まで持続したり、悩み心配で神経が高ぶると寝つけなくなります。そして一度うまく寝つけないと「また眠れないかもしれない」と不安になり、ますます寝つけなくなってしまいます(不眠恐怖)。
またストレスなどがかかると、ノンレム睡眠が減りレム睡眠が増えてしまうため、睡眠の途中で目が覚めることも多くなります。

②夜更かし、生活リズムの乱れ

夜更かしを続けると、体内時計が乱れて夜遅くにならないと眠れなくなります。すると、朝起きられなくなったり、起きたとしてもやる気がでなかったりします。

高齢者に多い不眠の原因

①加齢に伴う自然現象

図4図5年をとると体内時計の周期が短くなるため、体内時計が前にずれて早朝に目が覚めやすくなります。さらに、成長に関わるノンレム睡眠が減り、浅い眠りであるレム睡眠が増えるため、中途覚醒も起こりやすくなります。

 

②心理的・身体的な要因

腰や背中の痛み、皮膚のかゆみ、前立腺肥大による夜間頻尿などで中途覚醒が起こることも多くなります。また、このような身体の不調を気にしすぎると、さらに不眠になります。

 

③昼夜のメリハリがなくなった

仕事や子育てから解放されると日中の活動量が減ったり光を浴びる機会が少なくなりがちなことから、1日の中で昼夜のメリハリがなくなって眠りの質が変わります。

その他

眠るためにも体力は必要で、虚弱体質の人や、神経が細い人が心身ともに疲れると眠れなくなってしまいます。そして、不眠が続くとさらに疲れがたまり、ますます眠れなくなる悪循環に陥ってしまうのです。

病院における不眠の薬物療法

病院では、睡眠の悩みに対する治療薬として、主に次の薬物が使われています。

治療薬

特徴

ベンゾジアゼピン受容体作動薬

脳全体の活動を鎮め、眠りをもたらす働きがあります。非常に多く使われています。

メラトニン受容体作動薬

体内時計に働きかけ、身体を夜の休息状態にする働きがあります。夜型の人や、睡眠時間のずれが治らない人によく使用されます。

オレキシン受容体拮抗薬

脳内にある覚醒のスイッチを切ることで眠りをもたらします。2014年から使われるようになった新しい薬です。

図6
このような薬は即効性があるため、のんだ直後にふらつきが起こることがあり、特に高齢者では転倒による骨折のリスクが高まるので注意が必要です。また、翌日の日中まで強い眠気が続くといった副作用で、仕事などの能率が落ちてしまうこともあります。

ホノミ漢方における不眠対策

ホノミ漢方には不眠対策のお薬として『コンレス錠』があります。

コンレス錠は次の生薬から構成され、睡眠を妨げる自律神経やホルモンの乱れを正すことで、現代人に多い虚弱体質の人が、心身ともに疲れているにもかかわらず眠れないものを改善していきます。

 

自分でできる不眠対策

1)適度な運動をする

図7昼間は積極的に活動して、太陽の光を浴びるようにします。活動することで適度な疲労感が得られる上に、日中(特に午前中)太陽の光を浴びることで、夕方以降に睡眠物質(メラトニン)が多く分泌されるので、眠りにつきやすくなります。

2)午後3時以降に昼寝をしない

午後3時以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼすといわれています。昼寝をする場合は、午後3時より早い時間に15~20分程度にします。

3)眠くなるまで寝室に行かない

眠れなかったらどうしようという不眠恐怖によって眠れない人は、「寝室は眠れず苦しい場所」というイメージにとらわれています。このイメージを払拭するためにも、眠くなってから寝室に行くようにします。また、20分以上眠れないときは一度寝室を離れ、眠気が訪れるまでリラックスして過ごしましょう。

4)夜型の人は、ひとまず起きて朝日を浴びる

夜遅い時間にならないと眠れない人は、眠くても早く起きて朝日を浴びましょう。体内時計を元に戻すことができます。このとき、毎日同じ時間に起きることが大切です。

女性の更年期障害

図1

40代半ば頃から、なんとなく体調がすぐれない、イライラすることが増えた、急にのぼせたり汗が出る、頭痛や肩こりが治らない…。
“もしかして更年期…?”と思いながら、このようなつらい症状を打ち明けられずに一人で悩んでいる女性はいませんか?
実は、更年期の不調は約80%の女性が経験するといわれているのです。
そこで今回は、多くの女性が経験する『更年期障害』についてお話しすることにしましょう。

更年期・更年期障害とは…?

更年期」とは、閉経の前後5年間くらいの期間を指します。多くの女性は、50歳くらいで閉経を迎えることから、だいたい45~55歳頃が更年期に当たると考えてよいでしょう。そして、この更年期に現れる心と身体のさまざまな不調が「更年期障害」です。
更年期の症状は下に示すように多種多様で、200種類以上にわたるといわれています。
よく知られているのぼせ発汗など、いわゆるホットフラッシュと呼ばれるこれらの症状は、日本人女性では現れない人も多く、一方でもの忘れ不眠など一見すると更年期とは結び付きにくい症状を訴える人も多くいます。

図2

※男性の更年期障害?

女性だけでなく、男性にも更年期障害があり、「LOH(ロウ)症候群」と呼ばれています。最大の要因は加齢による男性ホルモンの低下ですが、ストレスも関係するといわれています。40~60代の男性に起こりやすく、身体症状(筋力低下・骨粗しょう症)、精神症(記憶力低下・意欲の低下)、性機能症状(勃起障害・性欲の低下)が現れます。

更年期障害の要因と発症メカニズム

では、更年期には女性の身体の中でどのような変化が起こっているのでしょうか?

卵巣機能の低下

◆更年期には、卵巣の機能が低下し、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が急激に減少し、ホルモンバランスの乱れが起こります。
◆これに反応して、エストロゲンの分泌を調節している脳の視床下部は、エストロゲンを分泌するよう卵巣を刺激します。ところが、機能が低下した卵巣はその刺激に反応できません。このような状態を繰り返すうちに、視床下部は混乱状態に…。
◆さらに視床下部は、身体のさまざまな機能を調節する自律神経の指令室でもあるため、この混乱が自律神経にも伝わり、自律神経のバランスも乱れてしまいます。その結果、心と身体にさまざまな症状が現れてしまうのです。

図3

周囲の環境や性格による影響

更年期は、子供の独立親の介護夫の定年退職など女性を取り巻く環境が大きく変化する時期でもあります。このような環境変化によるストレスも更年期の症状に関係しています。また、「完璧主義」「責任感が強い」「几帳面」「ものごとを真面目にとらえやすい」といった性格の人は、ストレスの影響を受けやすく、更年期の症状が出やすいといわれています。

病院での薬物療法

更年期障害に対する薬物療法は、ホルモン補充療法漢方薬向精神薬の主に3種類があります。

 

薬物療法 特徴(注意点)
 ホルモン補充療法  減少した女性ホルモン(エストロゲン)をホルモン剤によって補う方法です。エストロゲンの低下は更年期の症状を引き起こす大きな要因であるため、理にはかなっていますが、長期使用による乳がんリスクの上昇不正出血血栓が出来やすくなるといった注意が必要な場合もあります。
 漢方薬  「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」「当帰芍薬散」が婦人科の三大漢方薬としてよく使われます。その人の体質に合わせて処方されますが、体力がない人胃が弱い人には負担になることもあります。
 向精神薬 更年期による心の症状が強い時に、抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬などが用いられます。

また、薬物療法とは別に、心理療法カウンセリングが行われることもあります。

 

ホノミ漢方での対策

一方ホノミ漢方には、胃がお弱い方でも安心して服用でき、体力のある方から虚弱な方まで幅広くお使いいただける、更年期対策のお薬として『エッキ錠』があります。
エッキ錠は、血行やホルモンバランスの乱れを整えながら、更年期に起こるさまざまな症状を改善していくように働きます。

 ◆エッキ錠の構成生薬

血行やホルモンバランスの乱れを整える

トウキ・センキュウ・シャクヤク・ジオウ

胃腸機能を高める

 ニンジン・カンゾウ

 

エッキ錠の詳しい内容はこちら

更年期以降を快適に過ごすためのポイント

図4

1)食事や運動を見直す

更年期以降は女性ホルモンの分泌低下にともない、肥満や骨粗しょう症、動脈硬化、脂質異常症などが起こりやすくなります。そのため、栄養バランスのとれた食事と適度な運動を心掛けましょう。

図5

2)ストレスをためないようにする

更年期障害によるストレスを和らげるために、自分に合ったストレス解消法を生活の中に取り入れることが大切です。音楽鑑賞やアロマテラピーなどで心身をリラックスさせたり、気の合う人と食事をすることで気分転換をはかりましょう。また、趣味や運動、学習など、これまでやりたくてもできなかったことに挑戦してみるのもよいでしょう。

図6

3)身体を温める

冷たい飲み物や冷房の効かせすぎ、締め付けるような衣服・下着は、冷えや血行不良を引き起こす原因になるため注意しましょう。入浴はシャワーだけで済ますのではなく、40℃くらいのぬるめのお湯に長くつかると、身体の表面だけでなく芯までしっかりと温めることができます。

糖尿病と付随するさまざまな病気

図1
厚生労働省の調査によると、現在日本の糖尿病患者数は約950万人で、その予備軍を含めると2000万人を超すといわれています。このような現状の中、最近では積極的に糖尿病の治療に取り組む人が増えています。しかし、長い間自覚症状がほとんどない疾患であるため、放置してしまう人が多いのもまた現実です。
糖尿病は、放っておくとさまざまな合併症のリスクが高まりますが、病気をよく理解し、治療を行うことで合併症を防ぐことが可能です。

そこで今回は、糖尿病により高血糖状態が続くと身体にどのような影響を及ぼすのか、また合併症を防ぐにはどのような対策を行うとよいのかお話ししましょう。

糖尿病とはどんな病気?

糖尿病とは、血液中にブドウ糖(血糖)の量が多い状態が慢性的に続く病気です。図2
食事をすると血糖値は上がりますが、健康な人ではすい臓から血糖値を下げるインスリンというホルモンが分泌され、血糖値は一定の範囲で調節されます。しかし、糖尿病ではこのインスリンの分泌が不足したり、分泌されてもうまく作用しなかったり(インスリン抵抗性)するため、慢性的に血糖値が高くなってしまいます。
そして、この糖尿病を治療せず放っておくと、血液中に異常に増えたブドウ糖により全身の血管壁が傷付けられたり、動脈硬化を引き起こしたりします。その結果、さまざまな合併症が起こってしまうのです。

このような特徴をもつ糖尿病ですが、血液検査の値によってさまざまな段階に分類され、駅に例えると「正常駅」「予備群駅」「糖尿病駅」「合併症駅」となります。合併症の初期までの各段階では血糖値をコントロールしておけば前の駅に戻ることができますが、気を抜くと再び次の駅に進んでしまうため注意が必要です。
なお、合併症が進行してしまうと元には戻れなくなります。このことから、その境界点は『ポイント・オブ・ノーリターン』と呼ばれています。

つまり、糖尿病と診断された直後から血糖値のコントロールを行うことや、合併症の初期症状に気付きその進行を食い止めることが大切なのです。

糖尿病の合併症とは?

では、血糖値をきちんとコントロールしておかないと具体的にどういった病気を併発してしまうのか、またそれらを早期発見するにはどのようなことに気を付けるとよいのか見ていきましょう。

身体の中には細い血管と太い血管があり、当然どちらも傷付けられることとなります。さらに、血糖値が高いと血管壁にコレステロールがたまりやすくなるため、太い血管では動脈硬化も進行していきます。
その結果、次のような合併症を引き起こしてしまうのです。

図4

この他にも、認知症やがんといった病気を起こすリスクが上がったり、免疫の働きが低下して、肺炎やインフルエンザなどの感染症を起こしやすくなるといわれています。 

糖尿病の三大合併症

神経障害網膜症腎症は糖尿病の三大合併症と呼ばれます。これは、神経、目、腎臓には細小血管が多く集まっており、特に障害を受けやすいためです。
これら三大合併症は糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症の順番で、高血糖の状態が5年から15年くらい続くと現れてくるといわれています。しかし、いずれの疾患も糖尿病そのものを適切に管理することで、進行をかなり抑えることができるため、早期発見のポイントを正しく理解することが大切です。

1.糖尿病神経障害

図5神経障害は全身に張り巡らされている末梢の神経が壊れていく病気で、足裏や足指にしびれ、痛み、感覚麻痺などが起こってきます。進行すると手にも足と同じ症状が出たり、目の神経が障害され眼球が一方に寄る、顔面神経が障害され口がゆがむといった症状が現れることもあります。
なお、糖尿病神経障害の手足のしびれなどは、足から始まることが多く、手だけに症状が出ることはありません。また、左右対称に症状が出ることがほとんどです。
この神経障害を食い止めるには、血糖値を十分に下げることが大切ですが、お酒やたばこが症状を悪化させる原因になるのでやめましょう。

2.糖尿病網膜症

図6目の網膜の血管が障害される病気です。網膜は眼球の一番奥にあり、物を見るのに必要な神経が広がっているため、糖尿病網膜症が進行すると視力障害が起こってきます。
しかし、明らかな視力低下が起こるまで自覚症状としては気付かないため、早期発見には眼底検査を受ける必要があります。糖尿病と診断された段階で年に1回は眼科を受診するようにしましょう。

3.糖尿病腎症

図7腎臓にある細い血管が障害されることで、腎臓の働きが徐々に低下していく病気です。進行がかなり進み、腎臓の働きが失われると透析治療が必要となり、現在1年間で約1万7000人が糖尿病腎症で透析治療に至っています。
ところが糖尿病腎症は長期にわたり自覚症状はほとんどなく、かなり進行してから手や足、まぶたにむくみなどの症状が現れます。そのため、腎臓の機能を知るために必要な尿検査(尿たんぱく)・血液検査(血清クレアチニン)とともに、さらに早期の腎症の発見が可能となる微量アルブミン尿検査を定期的に受けることが大切です。なお、微量アルブミン尿が出た段階で治療をすれば、症状が良くなる可能性があるとされています。

現代医学における糖尿病の治療とは?

糖尿病の治療では、食事療法と運動療法が基本となりますが、それで十分効果が得られない場合には、次のような薬が使用されます。

剤形 主な作用による分類 分類名


インスリンの分泌を促す薬

・スルホニル尿素薬(SU薬)
・速効型インスリン分泌促進薬
・DDP-4阻害薬

インスリン抵抗性を改善する薬

・ビグアナイド薬
・チアゾリジン薬

糖の吸収や排泄を調節する薬

・α-グルコシダーゼ阻害薬
・SGLT2阻害薬

不足しているインスリンを補う薬

・インスリン製剤

インスリンの分泌を促す薬

・GLP-1受容体作動薬

ホノミ漢方における血糖対策

ホノミ漢方には血糖対策のお薬として『シノミッテルカプセル』があります。

シノミッテルカプセルは…
血糖降下作用のあるエゾノレンリソウ人参(ニンジン)

○血糖値上昇による口渇・多尿などの自覚症状を改善する葛根(カッコン)・瓜呂根(カロコン)

自律神経の亢進を鎮める黄連(オウレン)

ホルモン分泌を整える地黄(ジオウ)・茯苓(ブクリョウ)・五味子(ゴミシ)

○その他、当帰(トウキ)・麦門冬(バクモンドウ)・甘草(カンゾウ)

といった生薬から構成され、血糖値をコントロールしながら血糖値上昇によって起こる自覚症状を改善したり、血糖値が上がりにくいように助けてくれるお薬となっています。

生活習慣で気を付けること

1.運動をする

運動をすると次のような理由で血糖値が下がるといわれています。

   ○血液中の糖は筋肉を動かすためのエネルギーとして利用されるため、身体を動かすことで血糖値が下がります。

   ○肥満が解消されることでインスリンが働きやすい体質になり、血糖値が下がります。

 

身体の中で一番大きい筋肉が太ももの筋肉(大腿四頭筋)で、この筋肉を鍛えることで効率的に糖を消費することができます。大腿四頭筋はウオーキングで手軽に鍛えられるので、日々の生活で歩くことを意識するとよいでしょう。
なお、ウオーキングは1週間あたり150分以上を目標に行うとよいといわれています。しかし、時間がとれない人は、次のようにこまめに動くことも心掛けるとよいでしょう。 

   ○会社編
      ・エレベーターではなく階段を使う
      ・トイレは別の階に行く
      図8・遠くの店にランチに行く   など

   ○家庭編
      ・床掃除・お風呂掃除・庭仕事を行う
      ・洗車を行う
      ・子供と公園で遊ぶ      など

 

2.食事に気を付ける

◆食べすぎない

食べすぎると肥満を招き、インスリンの働きが悪くなります。1日に必要なエネルギー量(適正摂取エネルギー)を知り、それを一つの目安に、食べすぎないようにするとよいでしょう。

 ○1日の適正摂取エネルギー量(kcal/日)= 標準体重 × 身体活動量

   ・標準体重:身長(m)× 身長(m)× 22

   ・身体活動量:軽労働(デスクワーク中心の仕事・主婦)→ 25~30

              普通の労働(立ち仕事が多い職業)→ 30~35

          重労働(力仕事が多い職業)→ 35以上

 

例えば、身長170cmでデスクワーク中心の人は…

    ・標準体重:1.7(m)× 1.7(m)× 22 = 63.5kg

    ・身体活動量:25~30

1日の適正摂取エネルギー量:63.5kg × 25(~30)= 1590(~1910)kcal/日となります。 

◆野菜(食物繊維)を積極的に食べる

図9食事の初めに野菜をたくさん食べることで、野菜に含まれる食物繊維が糖の吸収を遅らせるので、食後の血糖値の急上昇を防ぐことができます。さらに、満腹感が得られ総エネルギー量を減らすことにもつながります。
また、きのこ海藻しらたきこんにゃくなども、食物繊維を多く含むため積極的にとるとよいでしょう。