起立性調節障害

「朝なかなか起きられない・・・」
「急に立つとふらふらする・・・」

近年、そんな悩みを持つ思春期の子供が増えています。

これらの症状は「起立性調節障害」に多く見られるもので、自律神経の乱れから脳や全身の血流不足が起こり、さまざまな身体の不調を引き起こします。

起立性調節障害は朝起きられなかったり、午前中に身体的な不調が出てきやすく、遅刻が増えて、不登校の引き金になったりと日常生活に支障をきたす一方で、夕方以降は元気になる特徴から別名「ふくろう症候群」とも呼ばれます。

そこで今回はそんな起立性調節障害をテーマに、そのメカニズムや養生法についてご紹介いたします。

 

起立性調節障害のメカニズム

起立性調節障害のつらい症状は自律神経の乱れからくるものですが、自律神経が乱れているとき、身体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか?

普段、私たちが横になった状態から起き上がるとき、血液は重力に従って下半身のほうへ流れるため、血圧は一旦下がります。しかし、身体の恒常性を保とうとする自律神経の働きで、下半身の血管が収縮することで正常な血圧まで上昇します。

一方で、自律神経が乱れていると、起き上がっても血圧が下がったままの状態になり、めまいやたちくらみをはじめとする、さまざまな不調が出てしまうのです。


起立性調節障害の代表的な症状には「朝起きられない」また「立ち上がったときのめまい、ふらつき」などがありますが、人によって症状の出方は多種多様で、腹痛など一見関連のなさそうに見える症状があらわれることもあります。

 


このような症状は10~16歳の思春期頃に好発しますが、年齢とともに改善し、成人期まで持ち越すことはあまり多くありません。日常生活に支障がない程度の軽症ならば、適切な治療を受けることで2~3ヵ月で改善も見込めます。

ただし、長期に及ぶ不登校やひきこもりを伴う重症の場合には、その後の社会復帰に時間がかかることもあり、劣等感から抑うつ的になり、将来に悲観的になったり、就職・就学への意欲が持てないなど、その後の生活で大きな支障となってしまうこともあるため、周囲の理解、適切なサポートが必要です。

 

悪化の要因

思春期は身体が急速に成長することで、自律神経のバランスを崩しやすく、同時に悩みやストレスを感じやすい時期・環境にあるため、起立性調節障害が起こりやすいといわれています。

「朝起きられない」「夕方以降は元気に活動できる」というのは「怠けているだけなのではないか」と誤解されてしまうこともありますが、症状に苦しんでいる本人にとって、単なる「怠け」だと疑われてしまうのは大きなストレスになり、より症状を悪化させてしまいます。
このようなストレスはもちろん、その他にも起立性調節障害を悪化させる要因があります。

 

心理社会的ストレス

心理社会的ストレスとは学校や家庭内でのストレスのことを指します。
起立性調節障害の原因となる自律神経の乱れは、ストレスに大きく影響されるものです。
身体症状がつらいにもかかわらず、無理にでも登校しなければというプレッシャーなどはさらに病状を悪化させてしまうため、まず目標とするのは「登校すること」ではなく「身体症状の改善」です。
本人のつらい気持ちに寄り添い、見守ることが重要です。

水分の摂取不足

水分不足は血流量の減少につながるため、より一層、血圧を保つのが難しくなってしまいます。血圧保持のために十分な血液量を保つことは大変重要ですので、1日1.5~2ℓくらいの水分摂取を心掛けましょう。
また睡眠時には頭を20度上げるようにすると、眠っている間の水分や塩分の消失を防ぐことができ、症状の緩和に有効といわれています。

日常の活動量低下

日中に倦怠感が強いからといって寝続けるような生活は、血液のポンプ機能を持つ下肢の筋力の低下をまねき、下半身に血液が溜まりやすくなるため、さらに血圧を保ちにくくなり、脳・全身への血流が不足しやすくなる…という悪循環に陥ります。
可能ならば30分程度の散歩など適度な運動を心掛け、身体を起こすのがつらい場合でも腹筋や背筋、下半身の筋力トレーニングなどを行いましょう。

 

 

日常生活で気をつけるべきこと

起立性調節障害は規則正しい生活を続けることで症状が軽快することもあるため、診断後すぐに薬物治療が始まるわけではなく、生活習慣を整えるための「非薬物療法」を試していくことが多いものです。
自分で気をつけることができる習慣・養生をいくつかご紹介しますので、起立性調節障害の症状がつらい人は一つずつからでも生活に取り入れてみましょう。

 

ホノミ漢方における対策法

漢方の考え方では、「気(神経の働き)」「血(血行・ホルモンバランス)」「水(水分代謝)」の3つの要素がバランスよく全身を巡ることで、健康な身体を保つことができると考えられています。

起立性調節障害の症状で特に多く見られるめまい・たちくらみの症状は「水(水分代謝)」の乱れである「水毒(身体の水の巡りが悪い)」が深く関わっているとされ、症状の改善には水の巡りを整えてあげることが重要です。

一般漢方処方としては、水分代謝を調節する「苓桂朮甘湯」などが用いられますが、ホノミ漢方ではこの処方をベースに、より現代人の体質に合うよう構成生薬を工夫した気上錠をご活用いただけます。

気上錠(第2類医薬品)

効能・効果

眼科疾患、結膜炎、心臓衰弱、心悸亢進a)、神経衰弱、めまい、耳なり、胃下垂、胃アトニーb)

a)心悸亢進:動悸(どうき)のことを示します。
b)胃アトニー:胃の緊張や運動能力が低下した状態を示します。

生薬構成

 

漢方の考えでは、胃弱で水分代謝の悪い人は胃の中に不良水分を溜めてしまい、胃より上でのぼせが起こり、さまざまな不快な症状を引き起こすとされています。

気上錠は身体の水分代謝不良を整えるビャクジュツ、ブクリョウなどの生薬を中心に、胃腸機能を整えるオウレン、オウバク、ニンジン、サンシシを加えた構成となっており、身体の水分代謝と胃腸の働き両方を整えていくことでつらい症状を改善していきます。

また、症状としてだるさ・倦怠感が強く、疲れやすさが気になる場合には、虚弱な人の闘病力を高め、全身の力をつけていくお薬もご用意しています。

 

パナパール(第3類医薬品)・パナパール錠(第3類医薬品)

パナパール」(カプセルタイプ)「パナパール錠」(錠剤タイプ)は、病気を治すときに必要な身体の自然治癒力を高めることで、全身に力をつけつつ、病気の治りを早めてくれるオリジナルの生薬製剤です。

 

効能・効果(パナパール)

次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振

効能・効果(パナパール錠)

次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期

生薬構成

どんな病気も薬をのめば治るというわけではなく、まず自分自身の治癒力をつけなければいけません。

パナパールパナパール錠は身体の自然治癒力を高める滋養強壮の働きをする生薬に加え、胃腸を補養する生薬、血行・ホルモンバランスを整えていく生薬を含み、病気を治していくための力をつけるお薬で、身体の弱い子供だけでなく、病中病後、シニア世代の健康維持など幅広い方に活用できます。

 

起立性調節障害に悩む人にとって、周囲に理解してもらえないのは、つらく悲しいものです。全国のホノミ漢方会 会員の薬局・薬店であれば、つらい症状を聴きとったうえで貴方に適したお薬を選んで頂くことができます。まずは一度相談するところから始めましょう!

気上錠、またはパナパール・パナパール錠を試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。

 

チクチク、ヒリヒリ、イガイガ…「のどの痛み」

「のどがチクチク、ヒリヒリ、イガイガ…」

秋~冬は乾いた空気がのどの粘膜を乾燥させ、同時に活発になっている細菌やウイルスがのどに感染しやすくなることから、一年の中で特にのどを痛めやすい季節です。

この時季、のどが痛くて中々治まらないといった方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はのどの痛みをテーマに、その原因や対策についてお話しすることにしましょう。

「のどの痛み(リンパ腺炎)」に効果のあるお薬はこちら

 

のどの痛みが起こる原因は?

空気中には多種多様なウイルスや細菌などの病原体、ホコリなどの細かい粒子が存在しており、のどは常にこれらの異物に晒されています。

しかし、こうした異物を体内に侵入させないために、のどには防御機能が備わっています。

のどの表面は、繊毛粘膜で覆われており、病原体やホコリなどの異物が侵入すると、粘膜がこれらを絡み取り、繊毛によって外に押し出すように働きます。これによって、のどからの異物の侵入を防ぐことができます。

しかし、乾いた空気に長時間触れ、粘膜が乾燥してしまうと繊毛の働きが低下し、侵入した異物を絡み取ってうまく排除することができなくなり、のどの組織が炎症を起こすことで、のどの痛みを招いてしまいます。また、のどへの細菌やウイルス感染を防ぐことができなくなる為、様々な病気の発症にも繋がります。

そのため、のどに違和感を覚えた場合は、早めの対策が必要になります。

 

のどの乾燥によって起こりやすい病気

○扁桃炎・リンパ腺炎

のどの奥には扁桃腺(扁桃)と呼ばれるリンパ組織の一種があり、ウイルスや細菌などが身体に侵入しないよう防ぐ役割を担っています。のどが乾燥すると、扁桃腺の免疫力が低下し、ウイルス等の感染によって、扁桃腺が炎症を起こします。

また、扁桃腺の炎症は首のリンパ腺(リンパ節)にも波及して、リンパ腺炎を引き起こし、のどの痛みや首の腫れを起こすことがあります。

 

○急性上気道炎

いわゆる「風邪症候群」のことを指します。のどが乾燥すると、侵入してきたウイルスを上手く排除できず、感染しやすくなります。上気道炎はのどの痛みだけでなく、咳、鼻水、発熱など全身症状(いわゆる風邪症状)に発展するため、早めの対策が重要です。

 

のどを痛めやすい環境と習慣

のどの痛みは、秋や冬といった空気が乾いた季節の他、さまざまな環境や生活習慣が原因となる場合もあります。

のどを痛めやすい環境・生活習慣

 

のどの養生法

前述のように、のどを痛めやすい原因は、「空気の乾燥」、「ホコリなどの異物」、「タバコやアルコール」という3点が大きいと言えます。

そのため、これらに対する養生を心がけることがのどの痛みの予防に繋がります。

 

 

ホノミ漢方におけるのどの痛み・風邪対策

ワグラスD錠

ホノミ漢方では、リンパ腺炎などによるのどの痛みのお薬として「ワグラスD錠」あります。

効能・効果

化膿性疾患(フルンケル、カルブンケル、腫物、るいれき、リンパ腺炎、蓄膿症、歯槽膿漏、中耳炎、乳腺炎)の改善又は回復促進

構成生薬

ワグラスD錠は、6種類の生薬で構成された弊社オリジナルのお薬で、リンパ腺炎に伴うのどの炎症の他、皮膚の炎症化膿した症状も改善できるのが特長です。

ワグラスD錠の構成生薬

 

 

ホノピレチンEP錠・ホノピレチン

また、のどの痛みだけでなく、発熱や咳、鼻水といった風邪の症状が見られる場合は、生薬中心の風邪薬「ホノピレチンEP錠(錠剤タイプ)」「ホノピレチン(カプセルタイプ)」があります。

 

効能・効果

かぜの諸症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの痛み、せき、たん、悪寒(発熱によるさむけ)、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

 

構成成分

 

このようにホノピレチンEP錠・ホノピレチンは、風邪の諸症状を改善する西洋薬成分として、熱を下げる成分(解熱鎮痛薬)、咳を鎮める成分(鎮咳去痰薬)、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を鎮める成分だけでなく、生薬も豊富に配合しています。

 

製品の特長

○風邪を胃腸機能から改善する構成

ホノピレチンEP錠・ホノピレチンに配合している生薬は胃腸機能を整える働きが中心です。一般的な風邪薬は、症状を抑えることが主な働きですが、風邪そのものを治すのは、その人が持つ自然治癒力であり、風邪の症状を和らげるだけでなく、風邪を治すための自然治癒力を湧かせることも考えて創られたという特長を持った風邪薬です。

 

 

 

これらのお薬は、ホノミ漢方会 会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

ワグラスD錠、ホノピレチンEP錠・ホノピレチンを試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談

下さい。

肝臓の検査値(AST, ALT, γ-GTP)

AST、ALT、γ-GTP、などなど…
会社の健康診断や人間ドックの検査で、肝機能の数値に異常が…

何の自覚症状もなく、どこも悪い所がないと思っていたのに、検査結果を見ると、「大丈夫だろうか…」と心配になってしまいます。

長期間お酒を摂取すると肝臓に悪影響を及ぼすことは知られていますが、それ以外に、アルコールに関係しない肝臓病も存在します。

そこで今回は、肝機能悪化の早期発見に必要不可欠な肝臓の検査値について、その対策とともにご紹介しましょう。

 

肝臓の働き

肝臓の主な働きとして、次の3つがあります。

解毒

アルコールやアンモニアなどの身体にとって有害な物質や老廃物を、無害な物質や水に溶けやすいものに変えます。

栄養素の加工・貯蔵

身体のエネルギー源となるグルコースをグリコーゲンに加工して、肝臓内に貯蔵し、体内でエネルギーが必要になった時に、再びグルコースに変換して血中に戻します。

他にも、アミノ酸からタンパク質、脂質からコレステロールを作ったりします。

消化を助ける

肝臓は、食べ物の消化に必要な胆汁を1日に700~1,000mL作って分泌します。この胆汁に含まれる胆汁酸は、脂質を溶けやすい形にして、消化・吸収を助けます。

 

このように、肝臓は解毒や栄養素の加工・貯蔵、消化のサポートなど、身体の健康にとって重要な役割を担っているため、身体の中の‟化学工場“と呼ばれています。

しかし、アルコールや肥満、肝炎ウイルス感染などの原因により、肝臓に負担がかかって肝機能が低下すると、身体に必要な栄養素が合成されなくなったり、不要な物質がたまってしまいます。

肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、何らかの異常があっても自覚症状が現れないことがほとんどです。

気づかないまま肝機能の低下を放置しておくと、最終的には肝硬変や肝がんなどに進行し、治療が困難になります。そのため、定期的に検査を受け、早い段階で肝機能の低下を見つけることが大切です。

 

肝機能を調べる検査値

それでは、肝機能の指標となる代表的な検査値AST、ALT、γ-GTPについて見ていきましょう。

これらは、すべて肝臓の細胞で作られる酵素で、肝細胞が壊れると血液中に流出します。そのため、血液検査から血中のAST、ALT、γ-GTP濃度を調べることで、肝臓の状態を把握することができます。

AST

AST(GOT)は、肝細胞の他にも、心臓の筋肉や骨格筋などの身体の様々な場所の細胞に存在します。このことから、ASTが高値になっても肝臓に由来するものかどうかということは判断できないため、通常はALTも一緒に調べます。

 

 

 

ALT

ALT(GPT)はASTと異なり、肝臓に特異的な酵素です。心臓や筋肉などの障害は関係せず、肝臓に問題が生じると、ALTの値が高くなります。

 

 

 

ASTもALTも高値であった場合、どちらの値のほうが高いのかということから、肝臓の原因疾患を推測することができます

  原因疾患
ASTのほうが高い場合 アルコール性肝炎、
肝硬変、
肝がんなど
ALTのほうが高い場合 急性肝炎、
慢性肝炎、
ウイルス性肝炎など

γ-GTP

γ-GTPは、肝臓でのアルコールなどの解毒に関係します。γ-GTPが高値であると、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝や、胆石による胆道の閉塞などが考えられます。

脂肪肝の場合、断酒や生活習慣の改善を行えば、健康な肝臓に比較的戻りやすいため、γ-GTPの値がどのくらいなのかということにも注目しましょう。

 

 

 

 

肝臓を労る対策

肝機能の悪化を防ぐためには、普段の生活での対策が欠かせません。

お酒は控えめに

お酒の飲みすぎが原因で肝臓の機能が落ちている場合、お酒をやめるのが原則です。いきなりの断酒が難しい場合は「週2日の休肝日を設ける」など、無理のない範囲で少しずつ飲酒量を減らしていきます。

 

 

 

食事

①食事は腹八分目まで

食べすぎると、胃腸だけでなく肝臓にも負担がかかってしまいます。腹八分目を意識することで、食べたものが効率よくエネルギーとして使われるため、肝臓に脂肪がたまりにくくなります。

1日3食を守り、適切な量の栄養バランスのよい食事を心がけましょう。夜に食事を多くとると、食べ物のエネルギーを消費しきれず、肝臓に脂肪がたまりやすくなるため、朝食・昼食にしっかり食べ、夕食は控えめにし、就寝2時間前までに食事を済ませます。

 

 

 


②糖質や脂質は控える

糖質や脂質をとりすぎると肝臓の負担になってしまいます。肝機能を維持するため、以下のような糖質や脂質が多いものは控えます。

③肝臓に必要な食べ物

肝臓での代謝に必要なビタミン・ミネラルなどを多く含む緑黄色野菜や海藻、そして肝細胞の修復や機能回復に必要なタンパク質を含んでいる青魚や鶏ささみ、豆腐などを積極的にとりましょう。

運動

①有酸素運動

有酸素運動を日常的に続けることで、肝臓への脂肪の蓄積が改善されることが報告されています。ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を40分間、週に3~4回取り入れることが大切です。

運動習慣のない場合は、1日1回「通勤や買い物などで階段を下りる」「家の周りを一周する」など自分の行いやすい運動から始め、慣れてきたら少しずつ運動量を増やすようにすると良いでしょう。

 

 

 

 

②筋力トレーニング

筋肉は「第二の肝臓」ともいわれ、糖質やアミノ酸の代謝促進や、アンモニアの分解など、肝臓と同じような働きをします。筋トレで筋肉量を増やすことで肝臓の機能の一部が補われることになるため、肝臓内の脂肪の処理もスムーズになります。自身の身体の状態に合わせて、筋トレを行いましょう。

 

 

 

 

肝臓と腎臓の関係

肝臓では、体内でできた有害物質などの解毒や代謝が行われていますが、解毒した老廃物などのろ過や排出は腎臓が行っています。

つまり、肝臓と腎臓は互いに協力し合って、身体にとって有害な物質や不要な物質を除去しているのです。

そのため、肝臓の機能が落ちた際には腎臓にも、また、腎臓の機能が落ちた際には肝臓にも負担がかかることになります。

このことから、漢方においては、肝臓と腎臓どちらか片方の臓器の機能が低下した場合であっても、肝腎両方のサポートを行い、機能の回復を促すことが、健康を維持するうえで大切だと考えられています。

 

ホノミ漢方での肝臓対策

ホノミ漢方には、肝臓の働きを整えるお薬としてジヨッキ(錠剤タイプ)があります。

ジヨッキには、肝臓に働く生薬とともに腎臓に働く生薬も含まれているため、効果的に肝腎の両方の対策を図ることができます。

効能・効果

水分を好むとか、嘔気a)のするとかの小便の出方の充分でない次の諸症:

肝臓機能障害、腎炎、ネフローゼb)、浮腫c)、カタル性黄疸d)、暑気あたり

a)嘔気:はきけのことを示します。
b)ネフローゼ:多量の蛋白尿やむくみなどの症状を示します。
c)浮腫:むくみのことを示します。
d)カタル性黄疸:炎症性の黄疸のことを示します。

 構成生薬

ジヨッキは、肝臓の機能を整える生薬に、腎臓の機能を整える生薬を加えた、計9生薬で構成されています。

このジヨッキは、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、どのようなお薬が適しているのか、お近くのホノミ漢方会会員の薬局・薬店で詳しくご相談下さい。

 

ジヨッキを試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社 お問い合わせ窓口 剤盛堂薬品 学術部 までご相談下さい。

こむら返り

運動の最中、また夜間寝ている時に突然起こる「ふくらはぎの痛み」。よくある症状である一方、あまりの痛さに動けなくなり、痛みが引くまでの数秒間でさえ永遠とも思えるような、意外とツライ悩みです。

そこで今回は、誰もが一度は経験したことのある、ふくらはぎの痛みこむら返りをテーマにお話しすることにしましょう。

 

「こむら返り」とは?

こむら返りは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)で異常な収縮が起こり痛みが出ている状態を指し、医学的には「有痛性筋けいれん」といいます。いわゆる「足がつる」と同じ状態で、持続時間は通常、数秒から数分程度とそこまで長くありません。

ただ、突発性の強い痛みにビックリして、どうやって対処したらいいか分からないままもがき苦しむ…、そのようなケースも少なくありません。

また、ふくらはぎ以外でも、足の指や裏、太ももなどでも、同様の症状が起こることもあり、これらも全て「こむら返り」と表現することがあります。

「こむら返り」の原因

こむら返りがなぜ起こるのか、詳細な理由は明らかになっていませんが、筋肉を正常に収縮・弛緩させる神経経路において、何らかの理由で異常をきたしている可能性が考えられています。例えば以下のようなものがあります。

① ミネラル(電解質)バランスの乱れ
カリウムやカルシウムなどのミネラルは、筋肉の収縮や神経伝達に関わるもので、極端な食事制限や水分不足による脱水などの影響でミネラルのバランスが崩れると、筋肉の異常収縮が起きます。特に、運動中や睡眠中は、発汗によって知らぬ間に脱水状態になることから、こむら返りが起きやすくなります。

② 下半身の冷え・血行不良
冷えると、ふくらはぎの筋肉も凝り固まり、収縮した状態が続きます。また、血流が滞ることで、筋肉の正常な収縮・弛緩に必要な栄養素なども届きにくくなり、こむら返りが起きやすくなります。

③ 神経障害を起こす病気

こむら返りは健康な人にも起こりますが、頻繁に起きるようになると、神経系に影響を及ぼす別の病気が背後に潜んでいる可能性があります。毎日何度も繰り返すようになった場合は、念のため医療機関を受診しましょう。

例)肝硬変、腎不全、糖尿病、甲状腺疾患、腰部脊柱管狭窄症など

 

  • こむら返りが起こりやすい「とき」「ひと」は?

「こむら返り」のセルフケア

こむら返りが起きてしまった時は、まずは落ち着いて、過剰に収縮したふくらはぎの筋肉を伸ばしてあげることが大切です。そのためのストレッチ法をご紹介します。

 

  • 痛みを和らげるストレッチ

膝を伸ばし、つま先を掴んでゆっくり手前に引き寄せます。
ふくらはぎが伸びているのを感じながら、その状態を数秒間保った後、ゆっくりと元に戻します。この動作を痛みが治まるまで繰り返します。

  • こむら返りを起こさないためのストレッチ

足を軽く開いて、両方の手のひらを壁につけながら、肘をゆっくり曲げていき、身体を壁側に傾けていきます。このとき、かかとは上げず、ふくらはぎの筋肉が伸びた状態を保ちます。これを1日数回行うことで、こむら返りの予防に繋がります。

ストレッチ以外にも、毎日の入浴で筋肉の緊張をほぐすことも、こむら返りを予防するうえで有効です。また運動後は発汗により、体内のミネラルバランスが崩れ、こむら返りが起きやすくなることから、ミネラルを含んだ麦茶やスポーツドリンクで水分補給を行うようにしましょう。

よく使われる漢方薬

こむら返りの発作時には筋肉のけいれんを素早く鎮める「芍薬甘草湯」という漢方薬がよく使われます。ただし、芍薬甘草湯は「甘草」という生薬を多量(1日量で3.0グラム~6.0グラム)に含有しているため、頓服での服用であれば問題ありませんが、何度もこむら返りを経験するうちに予防的に継続服用するようになると、甘草による偽アルドステロン症(手足のしびれ、むくみ、血圧上昇、倦怠感など)の副作用に注意が必要となります。

 

あくまでも、芍薬甘草湯は短期服用に留め、こむら返りが繰り返し起こる場合には別の対策を考えていくことも大切になってきます。

ホノミ漢方における「こむら返り」の対策法

ホノミ漢方では、こむら返りなどの筋肉のけいれん痛に活用できるお薬として、以下の3製品をご用意していますので、目的に応じて使い分けることができます。

繰り返すこむら返りをどうにかしたい…

こむら返りが何度も繰り返し起こる場合、知らず知らずのうちに痛みを起こしやすい体質に陥っている可能性があります。そんな時は、漢方で痛みの原因と考えられている「気(自律神経)」「血(血行・ホルモンバランス)」「水(水分代謝)」の3つの要素の働きを整えることで、身体の痛みやしびれを徐々に緩和していく生薬製剤「ロイルック錠」がオススメです。

 

ロイルック錠に含まれる甘草量は、芍薬甘草湯と比較しても1/3~1/6程度と少なく、繰り返し起こるこむら返りに対しても、継続的に服用しやすい内容となっています。

突発的なこむら返りに素早く対処したい…

夜間や運動中に突如起こるこむら返りは、一刻も早く痛みを抑えたいもの…、そんな時は、安全性の高い鎮痛成分「アセトアミノフェン」に痛みの緩和を手助けする3種類の生薬を合わせた「デプロキdeux」が活躍します。

デプロキdeuxは即効性が期待できる鎮痛薬であるため、どうしても痛みが我慢ならない時の応急策として頓服での服用を推奨しています。

 

痛み止めの塗り薬も準備しておきたい…

筋肉の収縮に伴って起こるこむら返りでは、患部の血流が滞っていることも原因の一つです。そんな時は、トウガラシチンキ配合の外用薬「デーチカ」を患部に塗布することで、血行を促すとともに、痛みを素早く鎮める方法もあります。

デーチカは、メントール・カンフル配合により爽快な使い心地を実現した外用薬で、ロイルック錠やデプロキdeuxなどの内服薬と併せて活用するとより効果的です。

 

これらのお薬は、ホノミ漢方会 会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

ロイルック錠やデプロキdeux、デーチカを試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。

生理痛・生理不順のお悩み

「月に一度、生理の時期は憂うつ・・・」

そんなお悩みを持つ女性は多いのではないでしょうか?

日本産婦人科医会が16~49歳の女性を対象に行った調査では、対象女性の77%が「生理痛を感じている」と回答しており、大多数の女性が生理にまつわる悩みを抱えています。

そこで今回は、多くの女性が向き合っている生理痛・生理不順をテーマに、お話しすることにしましょう。

 

生理のメカニズム

生理(月経)とはホルモンバランスの変化によって起こる、子宮内膜からの周期的な出血です。

子宮は妊娠中に胎児を育てる袋状の臓器で、その内側を子宮内膜という膜が覆っています。女性の体内ではエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が変化して、子宮の内膜は受精卵が着床しやすいように分厚くなって準備がなされます。着床が行われなかったときには、厚くなった内膜ははがれ落ち、膣から排出され、これが生理の出血になります。

生理は一般的に1回の周期が25~38日といわれており、初潮から閉経までの約40年間、このホルモンの変化と生理が繰り返され、生涯に450~500回の生理が起こります。

 

生理の際、ホルモンバランスの変化に伴って、女性の身体では様々な不調が引き起こされることがあります。代表的なものが生理痛、他にも月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)など生理の前後に起こる症状、また生理そのものの周期が乱れる生理不順などがあります。

 
これらの症状について、順に詳しく見ていきましょう。

生理痛

女性の身体では日々、体内のホルモンのバランスが変化していきます。この生理の前後に起こるホルモンバランスの変化によって引き起こされる、下腹部痛や腰痛、頭痛、胃痛など様々な不調のことを「生理痛」といいます。

 

生理痛の原因は大きく2種類に分けられ、機能性のものと器質性のものがあります。

機能性の生理痛は特定できる原因がない生理中の症状ですが、一説によると子宮を収縮させるプロスタグランジンの濃度が高くなることで子宮が収縮し、痛みが起こると考えられています。また運動不足や生理に対する不安などが症状を誘発することもあります。

一方、器質性の生理痛は子宮内膜症や子宮筋腫などの女性疾患が原因となって起こります。

 

 

月経前症候群(PMS)

生理が始まってからだけでなく、生理の前に心身の不調が現れることがあり、これを「月経前症候群(premenstrual syndrome, PMS)」といいます。

PMSの詳しい原因は未だ明らかになっていませんが、これも女性ホルモンのバランスの変化によるものであると考えられており、黄体期(排卵から生理までの期間)の後半にエストロゲンとプロゲステロンの量が急激に低下し、それに伴って起こる脳内の他のホルモンや神経伝達物質の乱れなどが複合的に関わっているとされています。

 

症状としては代表的なイライラや情緒不安定などの神経症状だけでなく、腹痛、頭痛などの身体的症状や食欲不振・過食、倦怠感など自律神経症状が出ることもありますが、これらの症状は生理が始まると軽快・消失していきます。

 

月経前不快気分障害(PMDD)

月経前不快気分障害(premenstrual dysphoric disorder, PMDD)」はPMSの重症型と考えられており、特に心の不安定さが際立ち、うつ病にも似たつらい神経症状が中心に現れます。

重い神経症状を中心に、食行動の変化や睡眠障害が重なり、社会活動や人間関係などの日常生活に影響が出てしまうこともあります。

 

 

生理不順

一般的に生理は25~38日とされており、これよりも短い周期で生理があったり、長い間生理が起こらないことを「生理不順」といいます。特に3ヵ月以上生理が来ない時には無月経といいます。

生理周期の乱れは、疲労や無理なダイエット、ストレスなどから起こりますが、子宮や卵巣、甲状腺などの病気が原因となっていることもあります。生理不順が慢性化している人は一度婦人科を受診して原因を探ることも大切です。

 

ホノミ漢方における女性病改善の対策法

漢方の考え方では、「気(神経の働き)」「血(血行・ホルモンバランス)」「水(水分代謝)」の3つの要素がバランスよく全身を巡ることで、健康な身体を保つことができると考えられています。

生理痛や生理不順などの女性のお悩みは、血液やホルモンバランスを示す「血」が密接に関連しており、この「血」が不足したり、滞ったりすると身体の不調が現れるため、この「血(血行・ホルモンバランス)」を適切な状態に調整することが女性のお悩みを解決していくカギになります。

 

エッキ錠(第3類医薬品)

ホノミ漢方では、生理トラブルなどの女性のお悩みの原因となる血行不良やホルモンバランスを整えることで様々な症状を和らげていく、オリジナルの生薬製剤「エッキ錠」があります。

効能・効果

更年期障害、血の道症a)、月経不順、冷え症及びそれらに随伴するb)次の諸症状:月経痛、腰痛、頭痛、のぼせ、肩こり、めまい、動悸、息切れ、手足のしびれ、こしけc)、血色不良、便秘、むくみ

 

  1. a) 血の道症:月経,妊娠,出産,産後,更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる

   精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことを示します。

  1. b) 随伴する:伴って起こることを示します。
  2. c) こしけ:おりもののことを示します。

 

生薬構成

エッキ錠は血行不良、ホルモンバランスの乱れを整える、トウキ、シャクヤク、センキュウ、ジオウを中心に、胃腸機能を整えるニンジン、カンゾウを加えた構成となっています。

 

エッキ錠の特長

女性のお悩みに用いる代表的な漢方処方として「桂枝茯苓丸」「加味逍遙散」「当帰芍薬散」がありますが、これらはいずれも胃腸に心配がない人向けのものです。エッキ錠は血行・ホルモンバランスを整える4生薬に「ニンジン」「カンゾウ」の生薬を加味することで、現代女性に多い、胃腸が弱く、また体力のない方まで、幅広い体質に使いやすいお薬となっています。

 

このお薬は、ホノミ漢方会 会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

エッキ錠を試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。

 

寒暖差疲労

季節の変わり目になると、急激な気温の変化がきっかけとなって、以下のように体調を崩してしまう人は、案外多いものです。

そこで今回は、この時期に増える寒暖差疲労について、その仕組みや対処法をご紹介しましょう。

寒暖差疲労とは

私達は36℃前後から高くても37℃前半で体温を一定にすることにより、身体の機能を正常に保っています。通常、気温の変化を感じると、身体の中で自律神経が働き、寒い環境では熱を作り、暑い環境では熱を逃がすことで、平熱を維持しようとします。

しかし、クーラーの効いた室内と暑い屋外を行き来するような、寒暖差の大きい環境が続くと、気温差に対応するために、自律神経が休む暇なく働きすぎてしまい、必要以上のエネルギーを消費します。その結果、自律神経が乱れ、血行が悪くなったり、様々な不調が現れます。これを「寒暖差疲労」といいます。

季節別の気温差

エアコンが普及し、どんな季節でも室内を快適な温度に保つことができるようになった一方で、寒暖差疲労は、季節の変わり目(春、秋)だけでなく、夏や冬にも起こりやすくなっています。

※寒暖差疲労を起こさないようにするためには、室内を冷やしすぎず暖めすぎないことが大切です。カーディガンやブランケットなどを使って体温を調節しましょう。

寒暖差疲労チェック

寒暖差疲労には、疲労、肩こり、冷え、イライラなど様々な症状があります。しかし、ご自身の症状が寒暖差疲労なのか判断が難しいと思いますので、以下10項目のチェックシートを見ながら、寒暖差疲労を起こしやすい体質かどうかチェックしてみましょう。

10項目中4項目に当てはまる人は寒暖差疲労に注意が必要です。

 

寒暖差による疲れを溜めない日常の工夫

寒暖差に対応するためには、日頃のちょっとした工夫により、血行や自律神経を整えることが大切です。

寒暖差に負けない身体作りに

ホノミ漢方には、寒暖差疲労によるだるさや疲れやすさなどに対して、闘病力を補い体力を回復させる働きのある生薬製剤パナパール」(カプセルタイプ)パナパール錠(錠剤タイプ)があります。

効能・効果

次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振

効能・効果

次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、

血色不良、冷え症、発育期

 

構成生薬

パナパール、パナパール錠は、体力の増進を図る生薬のほか、血行・ホルモンの乱れを整えたり、胃腸の働きを良くする生薬を配合しているため、冷えを改善したり食欲を湧かすことで、総合的に身体のバランスを整えます。

これらのお薬は、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、どのようなお薬が適しているのか、お近くのホノミ漢方会会員の薬局・薬店で詳しくご相談下さい。

 

パナパールやパナパール錠を試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。

膀胱炎


「トイレが近い…」

「排尿時に痛い…」
「尿が濁っている…」

 

これらは膀胱炎でよく見られる症状です。膀胱炎に悩んでいる人の中には、1年に何度も再発を繰り返すといったケースも珍しくなく、症状のツラさでトイレが遠のき、さらに膀胱炎が悪化するという悪循環に陥りがちです。しかし、膀胱炎は原因と対策を知れば、再発を防ぐことができます。

そこで今回は膀胱炎をテーマに、原因や発症しやすい時期、その対策についてお話しすることにしましょう。

「膀胱炎」の症状に効果のあるお薬はこちら

 

膀胱炎とは?

膀胱炎とは、尿を一時的に溜める臓器である膀胱の粘膜に、細菌が感染するなどして、炎症が起こる病気です。

膀胱炎の種類は複数あり、主に「単純性(急性)膀胱炎」「複雑性膀胱炎」「間質性膀胱炎」の3つに分類することができます。

 

 

膀胱炎(特に単純性膀胱炎)が女性に多い理由は、尿道の長さ肛門部と尿道口の距離にあります。

女性の尿道の長さは約4cmと男性の約1/5程度しかないため、細菌が尿道を通って容易に膀胱まで侵入し、膀胱炎になりやすいのです。
さらに、女性の尿道口が膣や肛門のすぐ近くにあるため、排便時などに細菌が尿道に入りやすいという面もあります。

その為、女性の膀胱炎の病人数は男性の約5倍と圧倒的に女性に多い疾患です。

 

 

膀胱炎になりやすい季節と原因

単純性膀胱炎は季節によって発症しやすい時期があり、毎年その時期になると膀胱炎を再発してしまうという人がいます。

膀胱炎は主にに病人数が増えます。その原因は…、

 

夏に発症しやすい理由

○発汗による尿量の減少

多量の発汗によって尿量が減ると、尿道や膀胱内の細菌を外に排出しづらくなり、膀胱内での細菌の繁殖に繋がります。

 

○冷房による身体の冷え

冷房により、身体が冷えると、抵抗力が低下し、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなります

 

冬に発症しやすい理由

○低温による身体の冷え

冷房の場合と同様に、気温が低くなることで身体が冷え、抵抗力が低下し、細菌が繫殖しやすくなります。

 

膀胱炎の養生法

前述のように、膀胱炎になる原因は、尿量の減少によって膀胱内や尿道の細菌を排出できないことと、抵抗力の低下で細菌感染しやすくなるという2点が大きいと言えます。

そのため、これらに対する養生を心がけることが膀胱炎の予防に繋がります。

 

その他、疲れや食生活の偏りなども膀胱炎に繋がる要因になります。そこで、適度な睡眠や栄養バランスの取れた食事などを心がけることも、膀胱炎を防ぐために大切です。

 

一般的な病院での膀胱炎の治療

膀胱炎の多くは細菌感染が原因で発症するため、病院での治療は抗菌薬の使用が基本になります。

 

  • 抗菌薬の特徴

・細菌の細胞壁を壊すことで、原因菌を直接攻撃する。

・症状を素早く改善することができる。

 

  • 抗菌薬の問題点

・改善は一時的なものであり、発症するたびに抗菌薬を服用しなければならない。

・副作用で下痢を起こす場合がある。

・正しく使用しないと薬の効かない菌(耐性菌)が生まれる可能性がある。

そこで、漢方薬の出番です!

 

漢方における膀胱炎の対策法

漢方において、膀胱炎を発症しているときは膀胱部の炎症を取り除きつつ、排尿をスムーズに促す働きをする漢方薬での治療を考えます。

 

ホノマリア錠・ホノマリア顆粒(分包)

ホノミ漢方では、膀胱炎に伴う症状改善の漢方製剤として「ホノマリア錠・ホノマリア顆粒(分包)」があります。

 

効能・効果

体力に関わらず使用でき、皮膚が乾燥し、色つやが悪く、胃腸障害のない人で、排尿異常があり口が渇くものの次の諸症:排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿

 

構成生薬

ホノマリア錠・ホノマリア顆粒(分包)は、猪苓湯と四物湯という2つの漢方薬を合わせた構成で、膀胱炎の症状を改善するだけでなく、腹部の血行不良なども改善できるのが特長です。

 

 

猪苓湯の構成生薬

 

四物湯の構成生薬

 

これらのお薬は、ホノミ漢方会 会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

ホノマリア錠・ホノマリア顆粒(分包)を試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。

あがり症

 

人前で話をする場面において、緊張して手足が震えたり、頭の中が真っ白になってうまく話せない…。誰しも、このような経験をしたことがあると思います。

今回は、このあがり症について紹介し、その対処法を見ていきましょう。

あがり症による「緊張感」の緩和に効果のあるお薬はこちら

あがり症とは

人前で何らかのパフォーマンスをする際に、適度な緊張感は、集中力を増して心と身体を引き締めるプラスの効果があります。

しかし、過度な緊張によって頭に血がのぼり、平静でいられない状態(=あがる)になると、手足が震えたり、動悸が激しくなる等、身体的な症状を引き起こすようになります。これが「あがり症」です。

さらに、このあがり症がひどくなって、会社や学校等の対人場面で恐怖や不安を感じ、社会生活に支障をきたすようになると、医学的に「社交不安症(対人恐怖症)」と診断されるようになります。

 

 

あがるメカニズム

私達は、なぜこうした人前で “あがって” しまうのでしょうか?

人は不安や緊張を感じると、脳内でノルアドレナリンという神経伝達物質が放出され、これが交感神経を刺激する為、身体にさまざまな症状が現れてくるのです。

つまり “あがり” とは、誰にでも備わっている本能的な反応であり、目の前の脅威に対する警告信号と捉える事ができます。

 

日本人には、あがり症の人が多い?

一般的に、海外の人と比べて日本人はメンタルが弱く、あがり症の人が多いとされていますが、これには遺伝的な要素が絡んでいます。

脳内には、感情や気分を安定させるセロトニンという神経伝達物質があり、その分泌量を調節する遺伝子にL型とS型があります。この内、S型が多い人ほど内向的で不安を感じやすいと考えられていますが、日本人はこのS型を持つ人の割合が高いということが判っています。

あがり症の対処法

それでは、人前で話をする時、または普段の生活の中で簡単にできる「あがり症」の対策をいくつかご紹介しましょう。

あがり症による緊張感の緩和に

ホノミ漢方には、あがり症などによる緊張感を緩和する働きのある生薬や西洋ハーブの働き活かした鎮痛薬として「ホノミラビオ錠」があります。

効能・効果

緊張感・興奮感・いらいら感の鎮静、上記症状に伴う頭重・疲労倦怠感の緩和

構成生薬

また、あがり症が悪化し、不安や落ち込みなどの気持ちが強い場合には、生薬の働きで胃腸機能を整えながら精神的な症状を緩和していく「安静錠」もご用意しています。

これらのお薬は、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

お薬は体質や病状を考えて正しく服用することが大切ですので、どのようなお薬が適しているのか、薬局・薬店で詳しくご相談下さい。

 

ホノミラビオ錠や安静錠を試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。

アレルギー性結膜炎

春先のスギやヒノキの花粉が飛散し始めるシーズンには、多くの人がくしゃみや鼻水、鼻づまりに悩まされます。一方で、花粉によるアレルギー反応は、鼻以外にも目の症状として現れることもあり、目薬が手放せない生活を送っている方も少なくありません。

そこで今回は、花粉症の時期に多いアレルギー性結膜炎をテーマに、お話しすることにしましょう。

 

結膜炎とは?

結膜は、目の構造の中で、両まぶたの裏側と白目の表面部分を覆っている粘膜です。結膜は粘液を分泌することで目に異物が入ったり、乾燥するのを防ぐ働きを担っています。

この結膜が何らかの原因で炎症を起こしている状態が「結膜炎」です。

結膜炎を起こす原因としては、①花粉やハウスダストなどアレルゲンが原因で起こる「アレルギー性結膜炎」や、②ウイルスや細菌感染による「感染性結膜炎」の大きく2種類に分類することができます。

アレルギー性結膜炎の中でも、季節性タイプは花粉などが飛散する特定の時期に発症するのに対し、通年性タイプはダニやハウスダストなどが原因となるため、季節に関係なく起こります。

一方、感染性結膜炎は、アデノウイルスやエンテロウイルスなどのウイルス、インフルエンザ菌や肺炎球菌などの細菌感染が原因となることから、人への感染リスクもあるため、感染を拡げない対策を講じるとともに専門の眼科での治療を優先するようにして下さい。

 

アレルギー性結膜炎の発症メカニズム

アレルギー性結膜炎は、人間の身体に備わっている免疫(体内の異物を排除する反応)が過剰に働いた結果、起きる病気です。その仕組みは…、

 

① 空気中の花粉(抗原)が目の粘膜に付着する。

② 目の粘膜に存在する肥満細胞上の抗体に花粉が結合し、化学伝達物質(ヒスタミンなど)が放出される。

③ ヒスタミンが目の血管や知覚神経を刺激する。

 

日常生活でのセルフケア

花粉が原因で結膜炎が起こっている時は、何よりも花粉をできるだけ避ける対策を行うことが大切です。

 

 

また、目のかゆみがどうしても我慢できない時、目をこすってしまうと結膜表面が傷つき、症状が悪化する可能性があります。そこで、かゆみがつらい時は、冷やしたタオルをまぶたに当てたり、人口涙液を点眼する対策法もあります。

 

西洋薬での治療

アレルギー性結膜炎に対して、西洋薬では主に次の成分が入った抗アレルギー点眼薬が使用されます。それぞれの働きと特徴は以下の通りです。

 

  • メディエーター遊離抑制薬

・アレルギー症状の原因となる、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されるのを防ぐ。

・効果が現れるまで時間がかかる。

 

  • ヒスタミンH1受容体拮抗薬

 ・ヒスタミンの作用を直接抑える。

 ・比較的、早い効果を実感できる。

 

花粉が飛散するよりも前から点眼薬を使い始めると、そのシーズンの発症を遅らせたり、花粉の飛散量が多くなった時に症状を軽くすることができ、有効とされています。

また、抗アレルギー点眼薬の使用で十分に症状が改善しない場合、ステロイド点眼薬が用いられることもありますが、眼圧上昇や感染症などの副作用に注意しながら使用する必要があります。

 

ホノミ漢方におけるアレルギー性結膜炎の対策法

漢方において、目の充血や涙目などの症状(眼疾)は、内臓機能の乱れが密接に関連しているとされ、特に胃に溜まった消化不良の水分が原因で起こるノボセ(気の上衝*)の症状の一つとして考えられています。そのため、目の症状は、胃に不良水分を溜めやすい胃弱者に起きやすく、内服薬で治療する方法がとられます。

 

*気の上衝は、眼疾以外にもめまいや耳なり、鼻炎、動悸など胃内停水を訴える人に起こる症状全般を指します。

 

気上錠

ホノミ漢方では、眼疾の原因となっている胃内の不良水分を取り除きながら、アレルギー性結膜炎に伴う目の症状を改善するオリジナルの生薬製剤として「気上錠」があります。

気上錠のポイントは、漢方の考えを活かして眼疾の原因(胃内停水)にアプローチする生薬を中心に、抗炎症作用のある生薬や胃腸機能を整える生薬を配合している点にあります。

 

特に、黄連や黄柏は、整腸殺菌作用で胃腸の調子を整えるとともに、抗炎症作用のある生薬成分を含んでおり、アレルギー性結膜炎の症状を鎮める上で重要な役割を担っています。

 

ホノビエン錠deux

花粉やハウスダストなどによるアレルギー症状が目だけではなく、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの鼻の症状がツライ場合は、「ホノビエン錠deux」という生薬中心の鼻炎薬もご用意しています。

これらのお薬は、ホノミ漢方会 会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

気上錠やホノビエン錠deuxを試してみたい方、お住まいの近くで取扱店をお探しの方は、弊社お問い合わせ窓口(剤盛堂薬品 学術部)までご相談下さい。

 

老人性皮膚掻痒症

冷たい空気で皮膚が乾燥しやすい冬は、皮膚のカサツキと痒みを起こしやすい季節です。

特に、年齢を重ねたシニア層は、若者よりも肌が乾燥しやすい為、我慢できない痒みに悩まされ、「物事に集中できない」「夜もグッスリ眠れない」など、生活に支障をきたしている人も少なくありません。

そこで今回は、高齢者に起きる皮膚の痒み、老人性皮膚掻痒症をテーマに、お話しすることにしましょう。

皮膚の潤いを保つ仕組み

皮膚は表面から、表皮、真皮、皮下組織の順で構成されており、このうち表皮の一番外側にある角質層が皮膚の水分保持に大きく関与しています。角質層では、次の3つの働きによって、皮膚の潤いが保たれています。

 

①皮脂膜

皮脂腺から分泌される脂肪で、汗などと混じって皮膚表面を覆い、水分の蒸発を防ぐ。

 

②角質細胞間脂質

角質細胞の隙間に存在し、スポンジのように水分を溜めることができる。通称「セラミド」。

 

③天然保湿因子

角質細胞に含まれる保湿成分で、水分を蓄え、皮膚に潤いと柔軟性を与える。

 

健常な皮膚では、これらの成分が適切に機能している為、皮膚の水分量が一定に保たれ、外部の刺激(温度変化、化学物質、衣服の擦れなど)から、身体を守ることができます。

これを皮膚の「バリア機能」といいます。

加齢と痒みの関係

ところが、高齢になると、生理機能の衰えとともに、皮膚にも変化が現れてきます。

皮膚の老化が進むと、天然保湿因子角質細胞間脂質などが減少し、角質中の水分が失われ、さらに皮脂の分泌も減る為、水分が蒸発しやすく、水分不足の乾燥した皮膚になってしまうのです。

皮膚が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすい過敏状態となります。この状態では、知覚神経が鋭敏になっている為、少しの刺激で痒くなる ⇒ 気になって皮膚を掻く(皮膚が壊れる) ⇒ さらに刺激となる …といった悪循環に陥ります。

このように高齢者に起きる皮膚の痒みを「老人性皮膚掻痒症」といいます。病状が進むと、痒みだけでなく、皮膚に湿疹が起こることもあります。

老人性皮膚掻痒症の治療法

老人性皮膚掻痒症のように皮膚の乾燥によって起こる痒みを予防・改善する為には、「保湿剤」を用いて角質層中の水分量を保つことが重要です。

ひと言に保湿剤といっても、さまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解し、使い分けることが大切です。

 

●水分を補給するタイプ 【ローション・クリーム】

・ヘパリン類似物質や、尿素、セラミドを含む。

・乾燥した皮膚に塗る。

・ベタつきにくく、さらっとした使用感。

・保湿持続時間は短い為、こまめに塗る必要がある。

 

 

●油脂膜をつくり、水分蒸発を防ぐタイプ 【軟膏・オイル】

 ・白色ワセリンやオイル

 ・お風呂上りなど、皮膚に水分が豊富なときに塗る。

 ・保湿持続時間は長いが、ベトベトした使用感がある。

 

 

また、痒みが強い場合には、「抗ヒスタミン薬」の飲み薬や塗り薬を、湿疹がある場合は「ステロイド」の塗り薬で炎症を鎮めるなど、並行して対策を行うこともあります。

ホノミ漢方における対策

ホノミ漢方では、皮膚を1枚の透明なガラスに見立て、ガラスの汚れを綺麗にするには「外側」と「内側」から磨き上げる必要があるのと同様に、皮膚病も身体の「外側」を外用薬で、また「内側」を内服薬で改善するダブル対策法が重要と考えています。

 

①外用薬

チェリメントAG軟膏

天然成分由来のアラントインとグリチルレチン酸を中心に、痒みや荒れた皮膚の炎症を鎮めるように働きます。

基剤である白色ワセリンは、皮膚からの水分の蒸発を防ぎ、乾燥対策にも適しています。

 

 

ホノザルベ

痒みの原因であるヒスタミンの働きを抑え、我慢できない皮膚の痒みを鎮めます。

牡蛎末を配合し、さらっとした使い心地が特長的な塗り薬です。

 

 

 

赤色ワグラス軟膏

天然生薬である紫根・当帰のゴマ油抽出エキスが皮膚の創傷治癒を早め、掻きむしって荒れた患部にも負担なく塗ることができます。

また、保湿作用もある為、乾燥した皮膚にも塗りやすい軟膏です。

 

 

 

 

 

 

②内用薬

ワグラスW錠

特に、皮膚の自然治癒力が低下している高齢者には、「黄耆」などの生薬を含み、身体の内側から力をつけて慢性的な皮膚の悩みを改善する「ワグラスW錠」がオススメです。

 

 

 

 

これらのお薬は、ホノミ漢方会会員の薬局・薬店でお買い求めいただけます。

なお、これらの薬は、皮膚の状態によって使い分けることが大切です。

服用に際しては、ホノミ漢方の薬をお取り扱いいただいている薬局・薬店の先生にまずはよくご相談ください。   

 

お住まいの近くにあるホノミ漢方会会員店は「i‐タウンページ」から検索できます!

日常生活における注意

日常生活においては、皮膚をなるべく乾燥させないことが重要です。痒みを誘発する生活習慣を認識して、できることから取り組んでいきましょう。

1)過度な入浴を避ける

熱い湯に浸かったり、長湯をすると、皮脂膜や角質細胞間脂質などの保湿成分が湯に溶け出してしまいますお湯の温度は38~40℃を目安に程々に浸かりましょう。

 

2)部屋を乾燥させない

エアコンの使い過ぎは部屋の空気を乾燥させてしまいます。冬場は、加湿器を使ったり、濡れた洗濯物を室内に干すなど、湿度を適度に保つように心掛けましょう。

 

3)肌に合った衣類を身に着ける

チクチクした繊維の衣類は、皮膚に刺激を与えます。
直接肌に触れる衣類の生地は、木綿など着心地が良いものを選びましょう。

 

4)香辛料の摂り過ぎ・お酒の飲み過ぎに注意

香辛料やアルコール飲料は血液循環を良くし、身体を温めますが、神経の伝達速度が速まり、痒みの悪化につながります。痒みが気になる人は控えめにするほうが良いでしょう。

 

5)十分な睡眠をとる

睡眠不足は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)を低下させ、正常な皮膚の働きを損なうことにつながります。まずは、規則正しい生活を第一に、休養もしっかりとりましょう。